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ル・ドゥーテの銅版画「ロサ・ケンティフォリア」 2019.11.17 - 1 (付録:ツルウメモドキの果実)

2019.11.17(20:40)

ロサ・ケンティフォリア

 前回の「横浜市こども植物園の『イギリス産の秋バラ特集』(2)」は、デヴィッド・オースチン社作出のイングリッシュローズの写真を並べました。
 これをご覧いただいた 山ぼうしさんから、「ご紹介のバラは花弁数が多いですね。さらに、付き方(巻き方)も違います」とのコメントをいただきました。
 上記の点について、少し解説ないし補足をしたい、と思います。

 花弁数が多く芯のあたりの巻き方がぎゅっと詰まった感じのバラの花は、デヴィッド・オースチン社作出のバラの大きな特色ですが、そうした花の咲き方はけっして目新しいタイプのバラではありません。
 上の写真の図のバラは「ロサ・ケンテフォリア」(Rosa centifolia)といい、ナポレオンの時代に描かれた絵です。
 
 ナポレオンの妻、フランス皇后として知られているジョゼフィーヌは、1799年にマルメゾン城という古城を購入し、世界中のめずらしい植物を集めた庭園を造りました。
 その中でも有名なのはバラのコレクションです。
 彼女は銅版画の植物絵を得意としていた画家ル・ドゥーテに、集めた植物のカラー銅版画を作らせ、記録しました。
 私がこんなことを知っているのは、ル・ドゥーテの美術展が開催されたときにそれを見にいき、勉強したからです。ちなみに、このときル・ドゥーテのロサ・ケンティフォリアの額装絵(もちろん原画ではありません)を購入。現在は居間に飾っています。

 バラは古代オリエントやギリシャ、ローマ帝国の時代から存在していたとされ、ジョゼフィーヌはナポレオンが皇帝だった時代に、古いバラも含めて多種のバラを集めて、それらをル・ドゥーテに描かせました。
 ル・ドゥーテの原画はルーブルの火災で大半が焼失したそうですが、『バラ図譜』という書物が残っており、マルメゾン城のバラ園を受け継いで復活させた人もいて、バラの歴史は現在ではいろいろなことがよくわかっているそうです。

 デヴィッド・オースチンの功績は、四季咲きで、丈夫で、大きな花を多数咲かせる現代的なモダン・ローズの時代に、こうした古い時代から親しまれていたタイプの咲き方のバラ(オールドローズ・タイプのバラ)をモダンローズとして復活させ、それを広めたことにある、とも言えるでしょう。

 なお、ロサ・ケンティフォリアはオールドローズとしていまでもそのまま受け継がれ、生き残っています。ネットで検索すれば写真も見られます。


付録【ツルウメモドキの果実】

191115 小石川植物園 ツルウメモドキの実1

 撮影場所:小石川植物園
 撮影日:2019.11.15
 撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
 レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM

 ツルウメモドキ(蔓梅擬)はニシキギ科ツルウメモドキ属。

コメント
ツルウメモドキの果実、初めてみました。可愛いですね~!あと40日で年末年始ですか・・、時の経過がますます早く感じる年齢になったことを実感します。
【2019/11/20 08:30】 | ローリングウエスト #4rhKAmu. | [edit]
こちらもツルウメモドキの実が弾けてきました。
いい季節になりましたね。

色んなものに巻き付いているので少しもらってきて写そうかな~
【2019/11/19 10:31】 | hirugao #J7S1TTU6 | [edit]
おはようございます。

バラにもかなりの歴史がありますね。
西洋の王侯貴族が好んで園芸に精を
出したからでしょう。

ツルウメモドキ。こちらでも見ま
すが、今年は撮影しませんでした。

【2019/11/19 06:48】 | 地理佐渡.. #s/KLKpB2 | [edit]
ツルウメモドキの写真は、背景と離れていて、良い感じですね。
私も近所へ見に行きましたが、ごちゃごちゃした中に絡んでいるので、とてもじゃないがこんなスッキリした写真は撮れそうもありません。
【2019/11/19 06:21】 | 楽 #M8XIDdVw | [edit]
いやはやバラ素人のコメントでしたが、歴史までご教示頂きありがとうございます。デヴィッド・オースチン社作出のバラの大きな特色、というような特異性があるのですね。
バラがローマ帝国の時代から存在していたことや、時の権力者の趣味のおかげで、その歴史が確認できたことなど、面白いものです。
【2019/11/18 23:56】 | 山ぼうし #- | [edit]
ディックさん、こんばんは。

花びらの数が多くてギュっと詰まった感じの咲き方をするバラが好きです。
デヴィッド・オースチン社作出のバラが好みってことかしら?(^^)
バラの歴史においてナポレオン妃ジョセフィーヌとル・ドゥーテに感謝。

ツルウメモドキの鮮やかな色、秋の光の中に輝いていますね。
オレンジの部分が現れる時に、パチンと音がしそうです(^^)
【2019/11/18 23:18】 | jugon #ehuBx04E | [edit]
薔薇の歴史に触れる事が出来ました、
バラには歴史が詰まっていたのですネ。
絵画の薔薇とっても美しいものです。
【2019/11/18 14:27】 | ころん #- | [edit]
多摩NTの住人 さん、
この記事に書いたことは、バラの愛好者たちのあいだでは、かなりよく知られていることです。
モダンローズ、オールドローズ、ハイブリッド・ティーローズ、フロリバンダなど、特殊な言葉が多いので、バラの栽培を始めると、それらの用語の意味がわからなくて、みなさんよく勉強します。
そうしていると、ジョゼフィーヌのことなども耳に入るようになってきます。
【2019/11/18 11:44】 | ディック #- | [edit]
バラの解説にジョゼフィーヌが出てくるとは驚きです。とても詳しい解説で理解が深まりました。ツルウメモドキはもうこんな状態でしたか。当方でも探してみます。
【2019/11/18 08:18】 | 多摩NTの住人 #rId1tC1Q | [edit]
ツルウメモドキの色の配合がいいわ。
赤と黄色のバランス。
それからバックのボケ。
【2019/11/18 06:56】 | 小肥り #HfMzn2gY | [edit]
梅擬を山から採ってきて植えました。
今年は実はなりませんでした。
良い写真です。
【2019/11/17 21:41】 | 自然を尋ねる人 #G0paPMig | [edit]
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