2019.11.10(20:00)
横浜市こども植物園のバラ園では、今年の春くらいからでしょうか、イギリス産のバラが数多く見られるようになってきました。
そこで、本日は「イギリス産の秋バラ特集」をやってみたい、と思います。
【アイズ・フォー・ユー】(Eyes for You)
撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2019.11.06
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下の写真も同じ
2009年に英国の Peter.J.James 氏が作出したバラ。強い香りがします。
横浜市こども植物園バラは柵際にあるものが多く、直接香りを楽しむことのできる花がほとんどです。
ついでですが、バラにとって「香り」という要素は極めて重要とされており、たまに薫りを嗅ぐことのできないバラ園がありますが、何か大きな勘違いをしてバラ園を作ったのではないか、と造園家の資質を疑ってしまいます。
【デンティ ベス】(Dainty Bess)
1925年 Wm. E.B. Archer & Daughter が作出。
【エレン ウィルモット】(Ellen Willmott)
1936年、Wm. E.B. Archer & Daughter が作出。
デンティベスとよく似ているではないか、といわれるかも知れません。
調べてみると、デンティベスとレディ・ヒリンドンの交配種らしい。レディ・ヒリンドンはわが家でも育てているので、なんとなく納得できますが、エレン・ウィルモットがデンティ・ベスと並んでいたら、どちらがどちらか、とても区別が付かないでしょう。
【ベスビアス】(Vesuvius)
1923年、Samuel McGredy II が作出。
さて、ここからはいよいよ「
イングリッシュ・ローズ」の紹介です。
こういう発言をすると、
「いままでのはイギリスのバラではなかったのか? 」とおっしゃるかも知れません。
イングランドのバラの育種家 デヴィッド・C・H・オースティン (David C.H. Austin)の会社が作出したバラが「イングリッシュ・ローズ」と呼ばれるのは、どうやらこの名称が同社のバラの「商標」だから、ということのようです。
イギリスのバラを「イングリッシュ・ローズ」というのではなくて、デヴィッド・オースチン社のバラを「イングリッシュ・ローズ」と呼ぶことになっているのです。
同社は大阪の泉南に直営ファームを持っており、同社のコレクションが見られるそうです。
一度訪れてみたいものです。
実際に日本国内で販売されているイギリスのバラの大半が「イングリッシュ・ローズ」であり、この「イギリスのバラ特集」も後半が「イングリッシュ・ローズ」です。
横浜の気候はイギリスの気候とかなり異なり、育てにくいにもかかわらず、その魅力にはまってしまったわが家でも、数多くのイングリッシュ・ローズを育てています。
簡単に解説すると、
大きな花がどーんと咲く「バラらしいバラ」のイメージはフランス産のバラのイメージから作られたもので、イギリス人はどうもそういうバラを好まないらしいのです。
四季咲きで丈夫だというモダン・ローズの特徴はそのままに、古いバラのよさをもっと甦らせたタイプのバラがいい、というのがイギリス人の好みらしい。 人工的な広い庭を造園するフランス庭園のイメージと、自然の中にとけ込んだ庭園造りが好みのイギリス人の家庭の庭を比べてみると、わが家はやはり後者を選ぶ、ということになります。
なお、この記事が長くなりすぎるので、「イングリッシュ・ローズ」のコーナーは2、3日後の別記事、《横浜市こども植物園の「イギリス産の秋バラ 特集」(2)》に写真を掲載します。
コメント
一番目の薔薇に素敵と思いました。
でももっと好きなのは一重の2番目です。
秋の薔薇を見に行かなくては・・・
【2019/11/12 10:22】
| hirugao #J7S1TTU6 |
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横浜こども植物園へ行っても、バラ園はいつも素通りしていますが、そんな変化がありましたか。
【2019/11/12 07:23】
| 楽 #M8XIDdVw |
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おはようございます。
紹介されているものはイギリス産の
秋バラ。いやいや産地もあるのですね。
薔薇の品種作りはかなり歴史がある
ようです。
確かに花を見ますと色や花びらの様
子が違いますね。
【2019/11/12 06:35】
|
地理佐渡.. #s/KLKpB2 |
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hiro-photo さん、
バラ園は基本的にすべて名札が付いています。
また、「名称_バラ」で検索すれば、必ず何らかの情報が得られます。
ネットの情報はバラに関しては詳しくわかるようになっています。
【2019/11/11 21:52】
|
ディック #- |
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こんばんは。
都会は良いですね。
植物園も多くある事でしょうし、珍しい花なども見る事が出来そうですね。
薔薇の花に葉は其々に名前が付けられていますが、中々覚えられませんね。
特に、カタカナの名前は難しいです。
【2019/11/11 19:27】
| hiro-photo #Bc.7XZ4s |
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イギリス産秋バラ・香りを楽しむ・花を楽しむ・
秋バラは見応えありますね・
薄紫品格見えてきます。
薔薇のソフトクリーム食べたことがありました。
淡い香りが最高でした。
【2019/11/11 17:49】
| ころん #- |
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多摩NTの住人 さん、
西欧の国々が長い歴史をかけて改良し、制度を整え、毎年競って数多くのバラを産み出していますから、それを理解するのはなかなか大変です。
まだまだわからないことが多いです。
【2019/11/11 15:14】
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ディック #- |
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jugon さん、
花フェスタ記念公園ですね、岐阜方面へ行く機会があれば、訪問候補地に入れておきます。ありがとうございます。
「自信の表れ」なのでしょうね。グラハム・トーマスという黄色のバラが殿堂入りしていますし、数々のバラを作出した実績のある人ですから。
【2019/11/11 15:09】
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ディック #- |
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イングリッシュローズの世界はなかなか複雑で難しそうですね。じっくり解説を読ませていただきました。花の写真はいつも見事ですね。
【2019/11/11 08:30】
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多摩NTの住人 #rId1tC1Q |
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ディックさん、こんばんは。
アイズ・フォー・ユー、色合いが好きです。
「イングリッシュ・ローズ」とイギリスのバラの違い、良く分りました。
自社のバラの商標に「イングリッシュ・ローズ」と付けたのは自信の表れでしょうか?(^^)
岐阜県の可児市に「花フェスタ記念公園」というところがありますが、ものすごくたくさんのバラが植えられています。ディックさんがいらしたらとてもお楽しめになれると思います。
行くのにちょっと不便ですし、岐阜ですからね~、でも、チャンスがおありでしたら是非お出かけになることをお薦めしたいです。
私の中で、バラはディックさんを思い出させるお花です(^^)
【2019/11/10 22:08】
| jugon #ehuBx04E |
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