「ヒペリカム」という名は、どうやら学名に由来する名前で、オトギリソウ科オトギリソウ属の総称として、使われているようだ。
いろいろな種類があるが、よく植えられていて代表的なものは以下の3種だろう。
○ キンシバイ(金糸梅、学名:Hypericum patulum)
○ ヒペリカム・ヒドコート(学名 Hypericum patulum cv. Hidcote)
○ ビヨウヤナギ(未央柳 または 美容柳 学名 Hypericum chinense )
【キンシバイ】(金糸梅)

撮影場所:三渓園
撮影日:2017.06.29
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
キンシバイは案外と見つからない。私は小石川植物園と三渓園で見ているが、小石川植物園は陽当たりがよすぎて傷みがち。三渓園は陽当たりが悪過ぎるようだ。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.06.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
この品種は日向でも育つが、できれば半日陰がよいように思われる。
日がよく当たるところでは、園芸種のヒペリカム・ヒドコートのほうが丈夫な様子だ。
中国原産で、江戸時代に渡来したと言われている。

【ヒペリカム・ヒドコート】

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2017.06.17
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
ヒペリカム・ヒドコートは「大輪金糸梅」とも呼ばれているらしい。公園や庭木などとしてよく植栽されている。公園などで「あ。キンシバイだ」と思ったものは大概は本種だ。
【キンシバイ と ヒペリカム・ヒドコートの見た目の違い】
・花の大きさはキンシバイはヒペリカム・ヒドコートより少し小さめ
・雄しべの様子が、キンシバイはヒペリカム・ヒドコートよりも、もさっとしている
・花の開き方は、キンシバイはあまり大きく開かないが、ヒペリカム・ヒドコートは最終的に大きく平開する。
【ビヨウヤナギ】(未央柳 または 美容柳)

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.06.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
おしべがふわっと内側に曲がっていて、優美で美しい。
キンシバイやヒペリカム・ヒドコートと間違う人はいないだろう。ただし、「ヒペリカム+なんとか」というまぎらわしい花が複数あるようなので、「なんだかビヨウヤナギと少し違う」と思った場合は別種の可能性がある。

【実を楽しむ小型のヒペリカム】
ついでだが、園芸でヒペリカムというと、小型で実を楽しむための園芸種も多い。
最初に書いたように、「ヒペリカム」はオトギリソウ科オトギリソウ属の総称として使われているので、園芸店ではとても大雑把に「ヒペリカム」の札が付けられていることが多い。
過去に撮影した代表的な例を下に挙げる。

撮影場所:不明
撮影日:2007.06.16
撮影機器:Olympus E330
レンズ:OLYMPUS M.30mm F3.5 Macro(多分)

撮影場所:不明
撮影日:2008.07.11
撮影機器:Olympus E510
レンズ:OLYMPUS 不明