
撮影場所:六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリー
撮影日:2016.08.25
撮影機器:iPhone6 以下同じ
ルーヴル美術館自身の言明によれば、同館は「200年以上のその歴史において、あらゆる芸術と交わることでいつの時代もアーチストとの出会いと創造の場であり続けている」のだそうだ。
その「あらゆる芸術」の中には「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学(詩)」「演劇」「映画」「メディア芸術」の8つ芸術がある、とされてきたが、ルーヴル美術館は第9の芸術と呼ばれる「バンド・デシネ/漫画」に門戸を開き、「ルーヴル美術館BDプロジェクト」を始めた。
(注)今回の写真は許可されたコーナーでのみ撮影したもの。

手始めとしては、「漫画」という表現方法でルーヴル美術館の魅力を人々に伝えたい、として、主としてフランスと日本の漫画家12人を招待、「ルーヴルをテーマに自由に作品を書いてもらう」という企画を実行した。
実際に数多くの本が出版されているようだ。
森アーツセンターギャラリーのミュージアム・ショップでも販売されていたが、フランス語では簡単には読めないし、日本作家のものも1冊 2500円以上もするのではなかなか手を出せない。それはともかく…。

本展はそれら12人の作家の作品の原画を展示しつつ、物語の粗筋を要約するなどして、各作家の紹介にも努めている。
日本からは荒木飛呂彦、谷口ジロー、松本大洋、五十嵐大介、坂本眞一、寺田克也、ヤマザキマリのみなさんが参加している。
ちなみに、ぼくが真っ先に「おもしろいな」と思ったのはダヴィッド・プリュドム(David Prudhomme)の作品。ルーヴルを訪れるさまざまな人々の様子に眼をとめたもので、ひとコマひとコマがじっくりと鑑賞に値する楽しさがあった。

日本の漫画は主としてセリフと絵で流れるように物語を紹介していくことに主眼があるが、フランスの「バンド・デシネ」は上に述べたように、ひとコマ、ひとコマがじっくりと鑑賞に値するレヴェルで工夫されて描かれ、中には絵物語に近いものもある。もちろん作家によりさまざまな違いはあるにせよ、日本のような大量印刷、大量消費のマンガとは少し違う。

写真以外にパンフレットの写しもブログに収録したので、雰囲気を味わっていただきたい。
世界は広い。いつまでも「マンガなんて…」という感覚でいては、新しい芸術、新しい楽しみの存在を知らないまま時代の流れに取り残されてしまうだろう。

12人の作家の作品を眺めていると、あらためてルーヴル美術館の魅力を感じざるを得ない。
いろいろな場面が描かれているが、とくに強い印象を受けるのは「サモトラケのニケ」が展示されているスペースへと登っていく大階段の光景だ。多くの作家が採り上げているのは、やはり「サモトラケのニケ」の魅力か、あるいはそれを展示するルーヴル美術館の展示手法の巧みさなのか…。
(注)上の写真、中央で飛んでいるのが「サモトラケのニケ」
下の写真にも登場している。

じつは2、3年前に東京ミッドタウンでサモトラケのニケのレプリカを見て、その美しさに感動したことがあった。
写真も撮影したのだが、いつだったのかわからないまま写真を探し出せないでいる。ここへ掲載できないのが残念だ。
まあ、そんなこんなで、いつ実現できるかはわからないが、ぜひ一度実物を見に行きたい、と思っている。

会場出口のイラスト展示。
ところで、1、3枚目、垂直線、水平線が揃っているのは、PhotoshopCC のおかげ。
ヴァージョン・アップのおかげでコンピュータの手を借りていとも簡単に実現できるようになった。
4枚目はマニュアル修正。直しすぎるとかえって不自然と思ったので。