吉野山「桜本坊」にて修験道を考える…

2015.02.18(16:00)

141016 吉野 桜本坊門

 長い山道を下りてきたが、竹林院から先は、山の上とはいえ寺院、神社、僧坊、店舗などがつづいていた。
 竹林院の庭園「群芳園」を出たあとは「桜本坊」に立ち寄った。

 「桜本坊」(さくらもとぼう)は金峯山修験本宗別格本山だ。本尊は神変大菩薩(役行者)。
 じつをいうと、ぼくは仏教の歴史や信仰のあり方などについてはかなりの本を読んでいるが、その中に「修験本宗」なる宗派を採り上げているものはまったくない。
 とくに下調べもせず、歴代の天皇、上皇が好んで出掛けた吉野山とはどんなところか、と訪れたのだが、そうか「役行者」が出てくるのか。だけどあれは「修験道」とかいう民間信仰ではないのか。仏教と何の関係があるのか、と思いながら見てまわったのである。
 そもそも「役行者」とは伝説の多い人物で、物語上の存在ではないのか、とも疑っていた。


141016 吉野 桜本坊 本堂

 この記事を書こうにも、手持ちの本には修験道のことを書いたものはない。しかたがないので Wikipedia に頼ることにした。以下は、Wikipedia を引用しつつ、まとめたものだ。

 ————「修験道」とは、山へ籠もって厳しい修行を行うことにより、悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられた日本独特の混淆宗教のこと。「修験宗」ともいう。修験道の実践者を修験者または山伏という。--------
 どうやら、吉野山にあって修験宗を取りまとめる総元締めが「金峯山修験本宗」だということのようだ。
 ———— 修験道は、奈良時代に役小角(役行者)が創始したとされるが、役小角は伝説的な人物。修験道は、平安時代のころから盛んに信仰されるようになった。その信仰の源は、仏教伝来以前からの日本土着の神々への信仰(古神道)と、仏教の信仰とを融合させる「神仏習合」の動きの中に求められる。そして、それらの神仏習合の動きと、仏教の一派である密教(天台宗・真言宗)で行われていた山中での修行と、さらに日本古来の山岳信仰とが結びついて、修験道という独自の信仰が成立していった。このように、修験道は、密教との関わりが深かったため、仏教の一派とされることもある。---------
 ということで、どうやら全体像がわかってきた。仏教関係の解説書には、修験道についての記述がされることがない理由も、理解できる。


141016 吉野 桜本坊 夢見の桜

 ———— 修験道は、日本各地の霊山を修行の場とし、深山幽谷に分け入り厳しい修行を行うことによって超自然的な能力「験力」を得て、衆生の救済を目指す実践的な宗教である。この山岳修行者のことを「修行して迷妄を払い験徳を得る」ことから修験者、または山に伏して修行する姿から山伏と呼ぶ。---------
———— 修験道は神仏習合の信仰であり、日本の神と仏教の仏(如来・菩薩・明王)がともに祀られる。表現形態として、権現(神仏が仮の姿で現れた神)などの神格や王子(参詣途上で儀礼を行う場所)がある。だが、実際には神道としての側面は希薄で、神仏習合といっても、仏教としての側面が極めて強い。--------

 というようなことだから、天皇が観音に祈ったら天候が晴れたとか、桜が咲いている夢を見たら戦争に勝ったとか…、そんな妙な話がたくさん残っているのも、修験宗の吉野山だから…、ということであろう。

 そこで「桜本坊」だが、境内に「天武天皇 夢見の桜」なるものがある。
 天智天皇から逃れた弟の大海人皇子(後の天武天皇)は、「桜本坊」の前身である日雄(ひのお)離宮にとどまっていた。ある冬の日に桜が咲き誇っている夢を見た皇子が役行者の高弟に訊ねたところ、「桜の花は花の王と云われ,近々皇位に着くよい知らせです」と答えた。その後、壬申の乱に勝利し,皇位に着いた天武天皇は、夢で見た桜の木の場所に寺を建立した。それが「桜本坊」だ、というのである。 

 「夢見の桜」は2枚目の大きいほうではなくて、上の3枚目の写真の枝垂れ桜のことをいうらしい。

 今回の記事を書いて、ぼくはようやく「修験道」という山岳修行を主体とする信仰と、吉野山の関係について、理解できた次第だ。


【日常の記録】

2月15日、横浜美術館協力会設立30周年記念コンサート「名画をフルートにのせて」フルート:吉川久子他。田中望展〜潮つ路/横浜美術館。
2月16日、スポーツ・ジムでストレッチ&筋力トレーニング。『PK』/伊坂幸太郎 読了。
2月17日、スキップの散歩で根岸森林公園へ。確定申告用の諸資料確認、医療費控除明細書点検。

コメント
なるほど・・・・
季節でない写真を掲載しての思いいいものですね。

ここまでは行っていないのでまた歩けたら
いいなと思っています。
【2015/02/19 10:04】 | hirugao #J7S1TTU6 | [edit]
藤沢周平が出版社から故郷である鶴岡をテーマに依頼された、
「春秋山伏記」に羽黒山の修験者や山伏の記述がありました
法力なる超能力が、近代まで信じられていたようです

私は根性なしなので
こんな修行には全くの不向きであります^^
【2015/02/19 08:48】 | FREUDE #6AWUBD.o | [edit]
修験道は日本で生まれたものなんですね。たいへんよくわかりました。ディックさんは本当に研究熱心でいらっしゃいますね。
【2015/02/19 08:20】 | 多摩NTの住人 #rId1tC1Q | [edit]
こんにちわ。

役行者は、何かのSFで読みました。
神秘的な人ですね!
【2015/02/18 21:17】 | アトムパパ #ulYx6Mu6 | [edit]
日本の宗教は難しいです。
難しいというか、日本人でさえ、神仏習合とか今回の修験道とか、わかりづらい、ゴチャゴチャしたものを、外国の方はもっとわからないでしょうね。
でもまあ私はこういう日本人の宗教のゴチャゴチャ、けっこう好きですが。
【2015/02/18 19:21】 | YUMI #2Qwf./yA | [edit]
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