
「アフタヌーン・ティー」という言葉で Wikipedia を検索すると、「由来」の欄に
『1840年頃に第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセルの夫人、アンナ・マリア( en:Anna Russell, Duchess of Bedford )によって始められたとされる。イギリスにおいてこのような慣習が始まったのは女性向けの社交の場としてと、もうひとつ、日本においては一般的に夕食時間とされる時間帯(19~21時)は、観劇やオペラ鑑賞や夜の社交などにあてられ夕食を摂るのが21時以降になるため、事前の腹ごしらえとしての意味がある』と書かれています。

じつはベッドフォード公爵については当ブログではすでに紹介済み。広大な敷地に憩う鹿の群れの写真を紹介したウォバーン・アビーは、ベッドフォード公爵の私邸です。すなわち、ウォバーン・アビーは英国のアフタヌーン・ティーの習慣の発祥の地というわけです。

上の写真をご覧ください。
看板に「Duchess' Tea Room」とあります。つまり「公爵夫人のティールーム」。
かみさんとぼくが参加したツアーでも、上の写真のティー・ルームでアフタヌーン・ティーを楽しむ時間がありました。

英国でも広大な領地と邸宅を残していくことはなかなか難しく、ナショナル・トラストによる保護に頼ることもできますが、このウォバーン・アビーは事業体として収益を追求する方法を選んだようです。
私邸を解放し、料金をとって見学させ、お客さんにアフタヌーン・ティーを提供するというのもその事業のひとつなのです。

ティールーム前の庭には各種の鳥たちがいます。誰も虐めたりはしないことがわかっていて、カモの親子が
ティー・ルームへ入ってきたりします。

アフタヌーン・ティーを楽しんだ後は、いよいよウォバーン・アビー屋内の見学です。
あらかじめお客さんに開放する部分を決めて見学コースが設定してありますが、そうはいっても、公爵夫妻や子どもたちが現に居住している私邸には変わりありません。
残念ながら、カメラ撮影は禁止となっています。
たとえば、数々の食器のセットなどが陳列されたりしています。ぴかぴかに磨き上げられていますが、銀器には実際に使用されていた証拠のナイフやフォークの痕跡がたくさん残っています。
公爵と言ってもいまは現代人。部屋には現第14代公爵の家族の写真なども飾られ、お子さんたちも一緒に写っています。男の子は次代の公爵、ということになります。

私邸の見学を終えて外へ出てきました。
上の写真、妙な構造物が写っていますが、Ladder Racks つまり「梯子架け」のようです。
説明書きによりますと、19世紀に作られた梯子架けでウォバーンアビーが火事になったときのためのものだそうです。幸運にも、使われたことはない、とのこと。
いまは「花籠架け」のスペースとなっています。

これらの花籠、すばらしいセンスですね。
【きょうあったおもしろかったこと】
スキップの散歩中に気が付いたのですが、
○ 馬の博物館の馬頭観音に、花のほかに にんじん がお供えしてありました。
○ 根岸森林公園前の交差点を、黒塗りのオースティンのタクシーが通り過ぎていきました。
ロンドンの街中の雰囲気が甦りました。
かみさんによると、先日横浜駅前から結婚式場までのあいだ乗ったタクシーがオーステインだったそうです。
運転手の話では、最近増えてきているそうです。内部が広く、とくに天井が高いのが特徴です。