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飛鳥寺

2014.10.26(19:20)

111004 明日香村 飛鳥寺

 2010年の10月から奈良や京都などをめぐり神社仏閣の旧跡を訪ねる旅を始めた。
 ただ、本尊などの仏像は信仰の対象であるから、カメラでパチパチと気軽に写真を撮られることは好まれず、ほとんどの寺では「撮影禁止」となっている。
 ひとつの旅行でたくさんの仏像を眺めることになるから、仏様の姿を拝んでも片っ端から忘れてしまうだろう、とはじめは思っていた。
 ところが、仏像の写真集というのはたくさんあって、後からそれらをめくっていると、これは見たことがある、というふうに、案外と「画像記憶」はしっかりとしている。
 人の記憶というのは大したもので、数多く仏像を見れば見るほど感性は鋭敏になり、しっかりと記憶に残るようになるようだ。
 一度見たものは確かに記憶に残っていると、ぼくは自信を持つようになった。

 歴史に関する記事や本などぼくはけっこうたくさんのものを読む。平城京ができる前の時代のことにも興味が出て、いろいろと学んでいるうち、飛鳥寺の飛鳥大仏の話が出てきた。
 ところが、飛鳥大仏がどんな姿の仏像であるのか、さっぱり思い出せない。飛鳥寺は確かに訪れたことがあるのに、飛鳥大仏の姿を拝んだ記憶がない。
 そういえば、と思い出す。近くに蘇我入鹿の首塚があると聞いて捜したのに見つからなかった。
 2010年のあの頃、まだ心臓の不整脈の具合が不安定で、飛鳥駅から自転車を借りたのだが、途中不整脈が起きて、沈静化するのに時間が掛かった。道がわかりにくく、貸し自転車屋のモデルコースをこなすのに一生懸命だった。中には、「なんとなく適当に見てまわっただけ」というポイントも出てくる。飛鳥寺はどうもそんな感じだったようだ。
 そう思うとずっと悔いが残る。
 その後いろいろと学習してきた新たな目で、明日香村をまわってみたい、とくに飛鳥寺を訪れてみたい、と思っていた。

 トップの写真は2010年10月4日に撮影した飛鳥寺で、お堂などをまともに撮影している写真はこの一枚のみだ。あまりの少なさが、しっかり気を入れて見学していなかった自分の心理をあらわしているような気がする。


141017 明日香村 飛鳥寺本堂と社会科見学の小学生たち

 10月17日、社会科見学らしい小学生がたくさん付近を歩いている。
 すれ違えば「こんにちは」と挨拶してくる。こちらも挨拶を返す。東京や横浜ではほとんどないことなので「ああ、自分はいま明日香村にいるんだ」と思う。
 友だちに神社の参拝方法を教えている子どもの声がきこえてきたり、この付近の小学生はさすがによく勉強していると驚いたりもする。


141017 明日香村 飛鳥寺本堂と小学生

 飛鳥寺(あすかでら)は奈良県高市郡明日香村にある蘇我氏の氏寺で、日本最古の本格的寺院でもある法興寺の後身である。本尊は「飛鳥大仏」と通称される釈迦如来、開基は蘇我馬子だ。
 現在の建物は江戸時代に再建した講堂(元金堂)であり、元の法興寺または元興寺は平城京に移転し、上の写真の元 中金堂のみが「安居院」として残り、ここは通称「飛鳥寺」と呼ばれている。

 
141017 明日香村 旧法興寺伽藍礎石

 写真は境内に残る法興寺時代の伽藍の礎石だ。
 当時の法興寺は、現在の飛鳥寺周辺の田んぼを含む広大な敷地に建てられていた大寺院だったのである。


141017 明日香村 飛鳥大仏正面

 本尊の釈迦如来(通称飛鳥大仏)は飛鳥寺に残っている。鞍作鳥(止利仏師)作の本尊像だが、損傷が後の時代に修復されていて、頭部と、身体のごく一部のみがオリジナルだと言われている。


141017 明日香村 飛鳥大仏右から

 写真は撮っていただいてかまいません、とのことだが、2010年10月には一枚も撮影していなかったのだから、そもそも2010年には見ていなかったのかも知れない。
 「右側と左側では表情が異なるので、必ず両側から撮影してください」などと注文を付けられる。


141017 明日香村 飛鳥大仏左から

 ただしフラッシュは禁止だ。
 じつは、ぼくのカメラにはフラッシュは内蔵されていない。お堂の中などでもフラッシュなしで撮影可能なカメラを選んだのは、こういうときのためである。


141017 明日香村 蘇我入鹿首塚

 中大兄皇子(後の天智天皇)・中臣鎌足らのいわゆる乙巳の変のクーデターによって、蘇我入鹿は伐られ、雨が降る外に遺体を打ち捨てられたという。
 その首塚が現・飛鳥寺の西側の田んぼの中にある。
 こんなに目立つものを、2010年には見つけられなかったというのだから、この飛鳥寺については、当時のぼくは妙に運が悪かったか、ぼんやりしていたか…。
 ともかく、今回再訪して、ようやく気持ちが落ち着いた。


【日常の記録】

10月22日、原稿書き。ショスタコーヴィチなどを聴いて過ごす。
10月23日、スキップの散歩で根岸森林公園へ。午後、スポーツ・ジムでストレッチ&筋力トレーニング。ノルウェーTV映画『私立探偵ヴァルグ--死の代償』
10月24日、スキップの散歩で根岸森林公園へ。横浜バロック室内合奏団定期演奏会(ボッケリーニ:ギター五重奏曲、ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲集『ラ・ストラヴァガンツァ』より第1〜第6曲など)
10月25日、San Poの会「三浦氏の史跡を訪ねる」。北久里浜駅→満昌寺など三浦氏ゆかりの寺→衣笠城趾(三浦氏の居城)→衣笠山公園→佐野天然温泉処 のぼり湯→横須賀中央駅。アップダウンが厳しく大汗をかきました。

コメント
冒頭の見たものが記憶に残るの件は、思い当たることが多少はありますが、私の頭はそれほどでもないな~と。ただ、見れば見るほどというのは、そうなんだろうな~と思いますね~。

飛鳥寺の辺りは行ったことがないですが、当時も田んぼの中だったのでしょうかね。他にも広大な敷地をもつお寺が多かったのではないかと推察しますが、寺の運営も大変だったのだろうな~などと思ったり。
【2014/10/28 12:44】 | 山ぼうし #- | [edit]
こんばんは。

飛鳥寺。たずねてみたいところです。
飛鳥までは今一歩。いつも手前で
終わりかなっていう感じです。
如来像の撮影は可能なのですね。
おどろきました。


【2014/10/27 22:06】 | 地理佐渡... #s/KLKpB2 | [edit]
こんにちわ。

仏像って、見てると引き込まれそうですね。
見る人の心によって、感じ方が違うんでしょうね。
【2014/10/27 20:39】 | アトムパパ #ulYx6Mu6 | [edit]
YUMI さん、ありがとうございます。
黒岩重吾さんの小説、読んでおりません。
調べてみます。
【2014/10/27 15:10】 | ディック #- | [edit]
多摩NTの住人 さん、
ほとんどの場合、仏像は撮影禁止です。ここはめずらしいです。
ただ、いつから撮影可となっているのか、それはわかりません。
【2014/10/27 15:08】 | ディック #- | [edit]
takae h さん、
605年に造り始め,606年に完成したとか、はっきりしないにせよ、現存する仏像としては日本最古のものだそうで、スタイルも古い。法隆寺の釈迦三尊像と同じ様式。ぼくらがふだん見ている仏像は、もっとずっと写実的になってきた時代のものですから、とても古いスタイルですね。
妙なもので、ずっと見つめていると、それもまたいいじゃないか、と思うようになります。
【2014/10/27 15:05】 | ディック #22hNL7Yc | [edit]
ほんの時々写真がOKのところがありますね。

奈良のお寺はやはり違うな~
こうした雰囲気が好きな友人がいます。
秋になると奈良へ行きたくなります。
三宮から直通の電車があるから楽になりました。
【2014/10/27 08:51】 | hirugao #J7S1TTU6 | [edit]
こんにちは。
飛鳥寺に行ったのはもう何十年も前のことですのでほとんど記憶にありません。写真を拝見しながら「こんなんだったかなあ」と思い出しています。仏像は撮影可能なんですね。フラッシュはともかく昔は撮影禁止が多かったように思っていました。
【2014/10/27 07:49】 | 多摩NTの住人 #rId1tC1Q | [edit]
ディックさん

時間は自分で捻出するものだそうですが
結局は何もせずに日を過ごしている自分に焦りを感じました。

この大仏様は、印象的ですね。
まず、首の横皺に奇異なものを感じて
ほかの大仏様と見比べると、
どうもこちらの大仏様は姿勢がよろしいようです。背筋と首まで伸ばしていらっしゃいますね。
奈良の大仏様などは、前屈みなのか
それほど首も長くなく。

また、目や鼻筋は完全にシンボル化しているのに、唇は、表面の傷のせいかずいぶんリアリスティックに感じます。

こうして見せていただくと興味が出てきますね。

ここに蘇我入鹿の首塚があるのですか。
討伐の様子を残した絵巻を談山神社で見たことがあります。

また訪れたくなりました。
【2014/10/26 23:15】 | takae h #A5.soH/6 | [edit]
ここに行ったのは写真を始める前なので、撮影がOKとは知りませんでした。
資料集にのっている写真より、ずっとよくわかります、
私はこの時代の仏像が好きです。
のどかなお顔が何ともいえません。
お読みになっているかもしれませんが、飛鳥時代は、黒岩重吾さんの小説が面白いです。
【2014/10/26 20:44】 | YUMI #2Qwf./yA | [edit]
小肥りさん、よく憶えていらっしゃいますね。
明日香村もどんどん観光化されて、お寺なども整備されてきているようですから、40年前でも憶えていらっしゃる様子はその通りだったのでしょう。
【2014/10/26 19:56】 | ディック #- | [edit]
40年以上前だな。この大仏さまは一度見たら忘れられない。
ボクが見たときはお顔の傷跡も痛ましく真っ黒に煤けたお姿でした。
(記憶違いかな)
でもこの写真では傷跡は残ってるもののかなりきれいに整形されてる。
しかも黄金色に輝いてる。
境内もかなり荒れていたと記憶しとります。
【2014/10/26 19:52】 | 小肥り #mQop/nM. | [edit]
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