横浜トリエンナーレ2014 〜 新港ピア会場

2014.09.06(13:20)

【横浜トリエンナーレ2014 新港ピア会場】

140905 みなとみらい 横浜トリエンナーレ新港埠頭会場

 横浜トリエンナーレというのは、3年に1度、横浜で開催される現代アートの国際展だ。今年で5回目だが、ぼくは仕事に余裕ができた2008年のときから見に行き始めた。
 横浜美術館が中心的役割を果たしているが、新港ピア、みなとみらいの各所、たとえば、野外の新ビル建築予定地やランドマークタワーの吹き抜け、赤レンガ倉庫なども使われたことがある。ヨコハマ創造都市センターといって、旧第一銀行横浜支店ビルや、BankART Studioといって1929年に建てられた歴史的建造物をスタジオに使ったビルでのイヴェントもある。黄金町・日ノ出町地区ではこのアートの祭典を町興しに使っている。


【新港ピア会場入り口付近】

140905 みなとみらい 横浜トリエンナーレ新港ピア会場入り口

 ぼくはもともとアート好きで、学生時代には美術展へ年50回以上通うことを目標にしていた。
 仕事が忙しくなってそうもいかなくなったが、2008年頃多少余裕が出てきて、若い頃の趣味が復活した。
 とくに近現代のアートが大好きだから、好みの美術館と言えば、竹橋の「東京国立近代美術館」を一番に挙げていた。「横浜美術館」はシュルレアリスムのアート作品を数多く収集しているので、贔屓の美術館に横浜美術館が加わり、さらに六本木の「森美術館」の年間パスも手に入れた。
 2008年から2011年頃は現代アートの活動がとても盛んで、東京ビッグサイトで開催される 「GEISAI」 にも数回通った。


【トライアス・ハンセンの作品】

140905 横浜トリエンナーレ イライアス・ハンセン1

 しかしぼくがここで問題にしたいのは、どうも「若者たちのパワーが落ちてきて、現代アートがつまらなくなってきた」ということだ。
 「横浜トリエンナーレ」の新港ピアの展示は、今年は出展数が著しく少ない。3年前はかなり展示数が多く、おもしろい作品が多かった。ずっと楽しかったのだ。さらに2008年のときはもっと草の根的なパワーを感じ、ずいぶんと楽しんだ記憶がある。
 赤レンガ倉庫は会場として使われなくなり、ランドマークタワーの吹き抜けも使われなくなった。ビル建設予定の空き地で大きな作品を組み立てたり、工事現場のフェンスを利用したインスタレーションももうない。

 〈参考〉ランドマーク・タワー吹き抜けを使った2008年のアート作品
   クリックしてください →「時の裂け目へ飛び込め」

 〈参考〉工事現場のフェンスを使った2011年のインスタレーション
   クリックしてください → 「auto R」

 〈参考〉2008年の新港ピア会場の大型作品
   クリックしてください → 「割れた鏡の部屋」

 〈参考〉2011年の新港ピア会場の諸作品
   クリックしてください → 「新・港村(新港埠頭)のアート」


140905 横浜トリエンナーレ イライアス・ハンセン2

 兆候を感じたのは3年前2011年の黄金町・日ノ出町地区だった。
 2008年のときはさまざまな展示があって楽しめたのに、2011年は「制作中」であったり、絵がちょこっと展示されているだけのものが多かったり、楽しめる工夫がなかった。この調子では今年はもっとつまらなくなっていそうな気がして、見に行く気がしないでいる。
 昨年「森美術館」の年間パスを更新しなかったのは、自分の興味が日本画に移ってきて、会費が惜しくなったからだが、ある意味では「森美術館」の展示が少しつまらなくなった、と感じていたことも否めない。
 気になるのは GEISAI である。個人が金を払えばブースを借りて自分の作品を展示できるというシステムだ。2008年の頃は熱気を感じた。会場をぶらぶらするのはじつに楽しかった。
 2011年の頃になると、企業と組んでデザインした商品を広めようといった趣旨の展示がぱらぱらと目立つようになり、草の根的なおもしろさ、パワーが減じたように感じた。その頃から足が遠のいた。

 〈参考〉2008年の黄金町バザール
   クリックしてください → 「黄金町バザール 2008」


【ギムホンソックの作品とクレーン】

140905 横浜トリエンナーレ ギム・ホンソックとクレーン

 上の写真、ギムホンソックの作品はブルーの風船が重ねられたような『8つの息』であり、クレーンは新港埠頭に残された過去の遺産。
 ギムホンソックの作品は同じ『8つの息』が横浜美術館前にもある。会場が別でも「横浜トリエンナーレ」なんだよ、と言っているかのようだ。

 近・現代アートがどうもつまらなくなってきている、というのは ぼくの間口が大きく広がって、近・現代アートに限らず、西欧の宗教絵画や、日本画の世界にまで突っ込んでいくようになったから、ぼくの興味・感性が変わってきたのか、というと、決してそういうことではない、と断言できる。
 いまでも、近・現代アートの展示現場をうろうろすることほど楽しいことはない。何が飛び出してくるかわからないワクワク感がたまらないのだ。
 現代アートの世界がにぎやかで楽しくなるには、美術館で展示できる作品、画廊で売れる作品というより前に、草の根的なパワーの爆発が必要なのだ、と感じている。長引くデフレで、若者たちの感性までこじんまりとしてしまったのか、との懸念が、ぼくの頭の中で燻っている。


【大竹伸朗さんの作品】

140905 横浜トリエンナーレ 大竹伸朗1

 新港ピア会場では、この作品の回りをうろうろとしているときが一番楽しめた。

 今回の横浜トリエンナーレの統一テーマは「華氏451度の芸術: 世界の中心には忘却の海がある」というものだ。
 横浜美術館 では、たとえば「検閲」とか「焚書」とか、そうした行為への抵抗を表現する作品 が多いようだったが、新港ピア会場では、「忘却の海の中で大切な記憶をしっかりとつなぎとめておきたい」という「人間なら誰でも持っている執着のようなもの」 を表現している作品が目立った。
 この作品もテーマはそれだと感じた。


140905 横浜トリエンナーレ 大竹伸朗2

 いいですねぇ。これはたまらなくいい!


140905 横浜トリエンナーレ 大竹伸朗のマシンの内部

 大竹伸朗さんのこのマシンは窓が開いていて内側も覗ける。
 このアーティストのメモリーバンクみたいなものかなあ、などと想像した。


【新港ピア会場付近のサルスベリ】

140905 横浜トリエンナーレ 新港会場付近のサルスベリ


【旧第一銀行横浜支店ビル 外観】

140905 トリエンナーレ 旧第一銀行横浜支店ビル外観

 帰りに「ヨコハマ創造都市センター」(旧第一銀行横浜支店ビル)に立ち寄った。
 この会場も、2011年のほうがおもしろかった。
 下記をクリックしてみてください。
 「ドラマチックなハンド・フラッグ」


【旧第一銀行横浜支店ビル内のカフェ】

140905 トリエンナーレ旧第1銀行横浜支店ビルのカフェ

コメント
こんばんは~

現代アートの国際展、見る機会もありませんでした。
こちらの過去の写真も見せていただき少しドキドキしました(^^

前に黄金町の名画座の帰り、線路下の新しいお店を見て
新しい風を感じたのを思い出しました。

横浜にはいろんな顔がありますね。

【2014/09/07 23:11】 | 舞子 #Z8dFisD. | [edit]
現代アート・
アートの世界を}お勉強しなくちゃ正直感想かけないくらい難しいです。

こういったアートの世界を見る機会があれば見たと思います。

街の百日紅大きい絵になりますネ。
【2014/09/07 11:53】 | ころん #- | [edit]
私はどうもよくわからないけれど小さな作品は
娘のものとよく似ています。

でもこのカフェを上から写したのいいですね。

やはり百日紅の季節でしょうかあちこちで見かけますね。
魅力のある花ですね。
【2014/09/07 08:32】 | hirugao #J7S1TTU6 | [edit]
デイックさん お早うございます(*^^*)

全ての写真が素敵です

またカメラの調子が悪くコンデジで撮りました
運が悪いカメラに当たったのでしょう

現役時代 車の会社に勤めていました
機械物は当たり外れが有る様です
【2014/09/07 05:34】 | 安人(あんじん) #5ddj7pE2 | [edit]
こんにちわ。

現代アートって、興味深いです。
夢があって、いいですね!

でも、今の時代は、夢が無いのかな~?
【2014/09/06 20:52】 | アトムパパ #ulYx6Mu6 | [edit]
こんばんは~
こういうアートはよく分りませんが、好きか嫌いか、と問われたら好きではないかな(;^_^A アセアセ・・
要するに良さが分らないので、スルーする感じ。しかしディックさんの自分の好みを全面に押し出す内容が、じつに面白いと思いました、以前の工場群萌え?みたいに。またあんなのやってほしいなぁ。

【2014/09/06 20:21】 | 空見屋 #- | [edit]
こんばんは。
私はこういう作品はいまいちよくわからないかな。
いや、こういう作品だけではないのですが…
黄金町は最近面白くありませんね。
町おこしを頑張っている感じだったのですが。
【2014/09/06 19:29】 | YUMI #2Qwf./yA | [edit]
ギムホンソック作品とクレーンの組み合わせが大胆ですね。
ここへは初めてだったので、倉庫が会場と言う意味では面白かったです。
ただ映像作品が多かったが、どれもピンとこなかったですね。
大竹さんのもじっくり見たかったが、
妻が連絡バスを降りたところにあった車止めコンクリートで転び
やや負傷気味だったので、ゆっくりしませんでした。
近代美術館の佇まいや展示内容、私も好きです。
妻がジュエリー制作しているので、クラフト系はよく見に行きました。
【2014/09/06 13:55】 | 緑の惑星人 #t1t2q.5s | [edit]
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