【衛兵の間】

上の写真は2回目ですが、この部屋は L'antichambre et la salle des Gardes、 「衛兵の間と控え室」といったところでしょうか。
赤い壁の中央の肖像画は、このシャンティイ城をモンモランシー家から引き継いだコンデ家の「大コンデ公」(1621-1686) と呼ばれる人物です。1653年にDavid Teniers という画家が描いたもの。
さて、その大コンデ公という人物は軍人として大活躍をしたことで有名です。時代がアレクサンドル・デュマの『ダルタニャン物語』(その第1話が有名な『三銃士』)と重なっています。
21歳で宰相のリシュリューからフランドル方面司令官に任命されネーデルラントへ進軍、2万6千のスペイン軍を劣勢の兵力で包囲・撃破。全ヨーロッパにその名を轟かせます。さらに舞台を神聖ローマ帝国に移してドイツ軍を撃退しました。
フランス宰相のリシュリュー枢機卿は、御存知のように『三銃士』では悪役で、ルイ十三世下で権力をほしいままにした人物。三銃士らと対決します。
『ダルタニャン物語』ではやがて時代はルイ十四世の幼少期に移り、イタリアから招かれた宰相マザランが政治の実権を握り、ダルタニャンはマザランの指揮下で働くのですが、フロンドの乱が起きて三銃士は反乱側に付き、ダルタニャンとは対立する勢力になります。
大コンデ公は強すぎたためルイ十四世の宮廷からは謀反を疑われ、いろいろあってとうとう謀反人扱い。それでも最後は王室側に戻って戦い、結局シャンティイ城に隠居したのだそうです。
シャンティイ城は最初は大将軍アンヌ・ド・モンモランシーの城。やがてコンデ家の城となり、そしてオマール公アンリがそれを引き継いだのです。
くどくどと書くのは、ある程度の歴史がわかっていれば、この城の各部屋部屋の意味も理解できるからです。
上の写真で肖像画の下に大きなキャビネットがありますが、ここには大コンデ公の戦争土産(戦利品とした小物類)が納められていました。
【グランド・キャビネット】

上の写真の部屋は Le Grand Cabinet d'Angle と呼ばれ、18世紀の Jean-Baptiste Sené という人物が制作した家具調度が並べられています。
それがあまりにも見事なので、集中的に何枚かの写真を撮っています。家具の説明プレートも撮影してあるのですが、翻訳解読していると時間が掛かりすぎるのでご容赦ください。



西欧のこのようなインテリアでは、「シャンデリア」と「鏡」による演出がとても効果的です。
【大コンデ公の戦績ギャラリー】

Le Grand Cabinet d'Angle を出ると、次は La Galerie des Actions de M. le Prince (ou Galerie des batailles)、つまりは大コンデ公の戦績ギャラリーです。
大コンデ公はこんな風に戦いましたよ、と大きな絵画が並べられている部屋です。
M. le Prince というのは、ムッシュ・プリンス(Monsieur-le-Prince)で、若い頃の大コンデ公の呼び名であったようです。パリにはムッシュ・プリンスという通りがあったりホテルがあったりします。
大コンデ公はそれだけ有名な人なのです。
戦績ギャラリーの様子はまた次回。
余談ですが、学生時代にフランス語を第二外国語として選択していました。
ですから、フランス語の解説と Google翻訳、フランス語辞書があれば、デュマや佐藤賢一さんの歴史小説をたくさん読んでいたおかげで、ある程度のことはわかります。Google翻訳の結果はかなりいい加減ですが、フランス語文法はわかっていますから、どこをどう訳したのか、どういう間違いをしているか、という見当が付くわけです。
今回の旅行がドイツ旅行だったら、こういうことはとてもできません。
なお、昨晩(20日)は落雷が激しく、パソコンで作業することはできないため、ブログの更新は延期せざるを得ませんでした。
【日常の記録】(1週間のまとめ)
7月14日、「お料理はじめての会」第3回に参加。メニューは「ナスとトマトのスパゲッティ」「ポーチドエッグのサラダ」「オレンジアイスティー」
7月15日、スポーツジムでストレッチと筋力トレーニング。PHP新書『後白河上皇〜「絵巻物」の力で武士に勝った帝』(小林泰三・著)を読了。
7月16日、横浜美術館の美術情報センターで読書。「アサヒカメラ」「芸術新潮」「美術手帖」などの雑誌を読み耽りました。
7月17日、「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」(世田谷美術館)観に行きました。
7月18日、慶應病院で定期診療。『神去なあなあ日常』(三浦しをん・著)を読了。
午後草むしり。この日から4日連続です。日ごとに時間が長くなり、草むしりが藪の中での草刈りへと変わっていきました(笑)
この一週間で、映画「スタートレック」シリーズを6作観ました。第1作「スタートレック」から「同Ⅱ カーンの逆襲」「同Ⅲ ミスター・スポックを探せ!」「同Ⅳ 故郷への長い道」「同Ⅴ 新たなる未知へ」「同Ⅵ 未知の世界」まで。
また、iPad で電子コミック『幽霊塔』(乃木坂太郎)を第7作まで読みました。