モネの庭を散策して想う

2014.07.01(22:10)

140615 Giverny モネの庭と花壇のアーチ

 右奥に見えている大きな邸宅が、モネの住んでいた家です。9,175㎡ の所有地と邸宅は、現在はクロード・モネ財団が管理しているそうです。
 邸宅の正面の庭は概ね長方形に広がっていて、「クロ・ノルマン」(ノルマンディーの囲い庭)と呼ばれ、そのほとんどが色とりどりの花が植えられた花壇です。
 村の道路を挟んで、地下道をくぐると、道路の反対側の「睡蓮の池」へ行けるようになっています。


140615 Giverny モネの家前から花壇のアーチ

 「クロ・ノルマン」は、色とりどりできれいですが、ぼくの目にはなにやら雑然とした印象がありました。「野放図な光と色彩の乱舞」とでもいいましょうか。
 「これぞ」といったポイントに欠けていて、カメラマンはどう撮影したらよいか迷います。
 旅行中は日が経つにつれ、フランス人はお洒落で気が利いているけれど、大雑把な感じで、それが庭にもあらわれているな、と感じ始めるその発端ともいいましょうか。
 その後イギリスへ移動して、イギリス人の造園感覚というのは、計画的で抑制が利き、日本人の感性と馴染みやすい、と感じるようになるのでした。


140615 Giverny バラとモネの庭を散策する人たち

 絵画、写真、映画、イラストレーションなど、映像美に関して、ぼくの美的感性にはある傾向があります。
 まず「構図」「線」「輪郭」「かたち」を大切にします。
 ぼくは古典的な美に惹かれがちで、世間一般にもてはやされている印象派にはずっと否定的な態度でいました。彼らは「輪郭」が曖昧で、「線」を大切にしない。それがどうにも我慢がならない、と感じていたのです。
 一方で、日本画というのは浮世絵を含め、元来、筆で描いた「線」「輪郭」そして「構図」を大切にします。
 日本人がアニメ制作を得意とするのは、歴史的に培われてきた日本人の感性の賜物であろうか、とぼくは感じています。


140625 Giverny 赤いバラとモネの家

 さて、「印象派なんて!」と言っていたぼくは、40代の前半だったでしょうか、ある日突然、モネの大型ポスターを買い込んで、しっかりした額に入れ、家の壁に大きく飾ることになりました。それは1987年にメトロポリタン美術館で開かれたモネの美術展のポスターで、花瓶にいけられた花を描いたものでした。この頃から、気に入らない「印象派」でも、「モネだけは別格」ととらえ始めていました。
 「構図」「線」「輪郭」「かたち」にこだわりつつも、「色彩」と「光」に目覚めた、とでも言いましょうか。


140615 Giverny モネの庭でカメラを持つ子ども

 モネの家の内部は撮影禁止だったので紹介できませんが、数多い浮世絵コレクションで飾られています。
 印象派の大家が、「構図」「線」「輪郭」「かたち」にこだわる浮世絵に強く惹かれ、ぼくも「印象派なんて!」といいながらモネの絵に惹かれる。
 根本的な「好み」というのは根強くて、基本的な傾向は変わらないにしても、人の美的感性というのは、年を経るにしたがっていろいろと微妙な変化をしていくもののように感じております。


140615 Giverny 花壇の花とモネの家

コメント
元々美術関係には疎いので、ディックさんの解説が勉強になります。
自分の好みを言葉に出して語る事ができません。。。
【2014/07/02 21:58】 | YAKUMA #0p.X0ixo | [edit]
ぼさぼさっとして自然な感じがする庭園ですね。
風景としてはまとまりがないのでしょうね。
↓睡蓮の池と周りの花々は理想郷のように美しいですよ。
でもそれは、ディックさんの撮り方が良いせいかもしれません。
【2014/07/02 21:57】 | とんとん #uvcXFM.c | [edit]
こんばんは。

異なる文化圏の庭。しかし、そこには
日本の浮世絵を愛した人の関わりも。
撮影を通じまして色々お考えになった
ようですね。


【2014/07/02 21:57】 | 地理佐渡.. #sSqUD4QU | [edit]
ディックさんのモネや印象派に対する観察と解釈は
とても分かりやすいです(^^
モネに惹かれるのは、どこかに日本的な何かが
伝わって来るのですね。
【2014/07/02 21:42】 | 舞子 #Z8dFisD. | [edit]
素敵ですね~
この時期に行ったことが最高だったのですね。
モネ好きにとってこれを見なくては・・・

ボーダーちゃんの2代目を飼われたのはやはり
その期間が気になりました。
マリオの犬種しか考えられないけれど・・・
今は金魚で我慢です(笑)
【2014/07/02 10:52】 | hirugao #J7S1TTU6 | [edit]
イギリス人の感性が日本人に近いって、なんだかわかるような気がします。

絵はよくわかりませんが、印象派は昔から好きです。
私は色と光に反応するみたい。
昔短歌をやっていたことがあるのですが、そんなことを言われたことがあります。
【2014/07/02 06:26】 | YUMI #2Qwf./yA | [edit]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://dickhym.blog9.fc2.com/tb.php/6176-3b16f7b0