観音信仰

2012.11.13(17:00)

三十三間堂全景121010

 小学生の頃に何回も読んだ『西遊記』。孫悟空は強いけれど、お師匠様とお釈迦様には頭が上がらない。何かと悟空とお釈迦様とのあいだに立ってくれて面倒を見てくれるのが観世音菩薩だ。
 いまでもそんなふうに憶えているので、観音様にはなんとなく親しみを覚える。
 観音信仰が盛んになったというのは、そもそものところはそんな親しみ、素朴な感覚なのではないか、と思うがどうだろうか。

 上の写真、実物もそうだけれど、写真にしてもさっぱりおもしろくない、やたらと長い建物がバカみたい。
 とはいえ、三十三間堂の三十三という数字はでたらめに選ばれたのではなく、観世音菩薩はあまねく衆生を救うために相手に応じて三十三の姿に変身するというところから、三十三は観音信仰に付きものの数字なのだ。
 過去記事の清水寺の本尊も観音菩薩で、清水寺は西国三十三箇所観音霊場の第十六番札所として栄えた。奈良時代のままの法相宗の学問寺ではなく、観音信仰のおかげでにぎやかになった清水寺だった。


三十三間堂正面121010

 三十三間堂は、後白河上皇が自身の離宮内に創建した法住寺の一角に建てられた蓮華王院法堂だった。本尊は千手観音だ。
 上皇が平清盛に建立の資材協力を命じて1165年に完成した。(その後一度焼失して、再建されているので注意)
 『方丈記』を話題に出したから、すんなりと鎌倉時代に突入したいところだが、ぼくの頭の中は平安末期 = 鎌倉時代への移行期 ということになっている。


三十三間堂一部121010

 じつは三十三間堂は今回の旅行が初めてではない。二度目のはずだ。それなのに「通し矢」が行われた建物と憶えているだけで、千体の千手観音のことなどまったく憶えていない。
 まあ、若い頃に千体の千手観音など眺めたって、「これって何? 何の意味があるの? すごい数だな」でお終いだ。いや、いまでさえ、観音像を千体集めて並べるという発想に、何かしら力尽くのような、乱暴なものをおぼえて、心はやすまらない。
 じっくりと見ていくと、並んでいる像のどれもがよい出来ではないのがわかってしまうし…。
 本堂は鎌倉時代の建物で、国宝である。


太閤塀121010

 南側に太閤塀(重要文化財)というのがある。豊臣秀吉によって寄進された築地塀。方広寺大仏殿の外塀から移築されたそうだ。瓦に豊臣家の桐紋の文様が用いられていることから「太閤塀」と呼ばれる。

 拝観料を払っても通してくれるだけで何ももらえなかったので、帰りに「何かパンフレットのようなものはないのか」と尋ねた。パンフレットは300円だという。
 結局買わなかった。ほかの寺院は、たとえ薄くても何かしら説明書きをくれるのに…。
 いまのNHKのドラマは見ていない。見ていないけれど、「パンフレットは別に300円払え」という態度が、なんとなく後白河院と平清盛双方の傲慢さに通じているような気がしてならないのだった。


【日本大学生物資源科学部バラ園のバラ】(付録)

 10月31日に撮影してきた日大生物資源科学部バラ園のバラ、もう少し続けさせていただきます。
 バラの系統に、ハイブリッド・ティ、フロリバンダ などの系統がある、という話題を前々回のバラの記事で載せました。それぞれHT、Fなどの略号で示されますが、略号「N」というのが稀にあるようです。
 Noisette Rose と呼ばれる系統で、HTやFなどのモダンローズではなく、もっと古いオールド・ローズの系統だそうです。1812年に、フィリップ・ノアゼットが作出したものだそうです。
 今晩は、ノアゼット系のバラ3種を紹介します。


アリスター・ステラ・グレイ121031

 「Alister Stella Gray」 A.H.Gray という人が1894年に作出したイギリスのバラです。


マダム・アルフレッド・カリエール121031

 「Madame Alfred Carrière」 1879年に Joseph Schwartz が作出したフランスのバラ。


プリンセス・ドゥ・ナッソー121031

 「Princesse de Nassau」 1829年以前に Jean Laffay が作出したフランスのバラ。

 以上オールド・ローズ3種。なかなか味わい深い感じですね。
コメント
白バラ3種・・・いつ見てもきれい^^
修学旅行コースで、ここへも来ています。
ディックさんが書かれているように、千手観音って何?みたいな感じで、無関心でした(><  
【2012/11/15 18:04】 | nekocchi1122 #4v6QK5lk | [edit]
空見 さん、
パンフレット、薄くてもよいから拝観料を取ったときに配ればよいのに…、と思います。
マウス…、光学マウスでなければ、裏返して掃除をすれば直るのがふつうですけど…。
【2012/11/14 23:09】 | ディック #- | [edit]
hirugao さん、
観音様はあまねく衆生を救うために相手に応じて三十三の姿に変身するということから、観音様に関したことは何でも三十三という数を絡める、ということが流行になったようです。
白いバラ、地味ですがいいですね。
【2012/11/14 23:04】 | ディック #- | [edit]
こんにちは。
昨夜からマウスがストライキを起こしまして、しばらくPCは使えないかな・・と思っておりましたが、今何とか動いてくれております^^;
素晴らしい撮影技術により、立派な写真となっております~(拍手)
パンフレットが有料とは、権力者志向なんですかね?有名観光寺院にはありがちな計算高さですが、興醒めですね。
昔も庶民を苦しめて豪奢な建物が建てられていました。
【2012/11/14 15:52】 | 空見 #- | [edit]
三十三間堂は行きました、大昔ですが・・・
この三十三という数が西国三十三ヶ寺にも
かかわりがあるにおでしょうね。

秋バラがまだ咲いていますね、
最後の薔薇の花弁が欲しくなりました。
【2012/11/14 10:25】 | hirugao #J7S1TTU6 | [edit]
地理佐渡さん、
また行かれたいですか? 京都にはもっと心を癒されるところがあくさんありますよ。
ここは権力者が自らの力を誇示するために建てた寺としか、ぼくには感じられませんでした。
【2012/11/14 08:50】 | ディック #- | [edit]
FREUDE さん、
家庭とか女性の果たした役割とか、そういう方面に脚本家の力が集中し、役者が小粒になって時代劇が学芸会になり始めた頃から、ぼくはもう大河ドラマを見なくなりました。同じようなことなのでしょうか?
【2012/11/14 08:48】 | ディック #- | [edit]
YAKUMAさん、
お寺はほんとうにいろいろあります。
これは後白河院の力を誇示するために作られた寺としか思えません。ぼくはどうも気に入りません。
【2012/11/14 08:44】 | ディック #- | [edit]
takae h さん、
発想の元に「民衆を救う」ではなくて、「権力と威力の誇示」があるような気がしてならないのですよ。だから気に入らない。
「のけぞる」でしょう?「ありがたい」と感じない。
古いタイプのバラ、上手く育てれば、庭に合えば、育てがいがありそうです。
【2012/11/14 08:42】 | ディック #- | [edit]
おはようございます。

>拝観料を払っても通してくれるだけで
 何ももらえなかったので

確かにそうですね。春に行った時の記憶
からそのように思います。維持管理のた
めに拝観料を取るのは分かりますが、た
だとりっぱなしと言うのは何か欠けてい
る気がしますね。訪れる人たちの気持ち
になったサービスも考えて良いでしょう。

でもここは良いですよね。また行きたい
ところであります。

【2012/11/14 06:08】 | 地理佐渡.. #s/KLKpB2 | [edit]
いつ頃からか大河ドラマに興味がなくなってきました
歴史小説という脚本に興味があったのに、
方向性が大きく変わってきたように思えるのです

地元神戸のはずが、ちっとも清盛に盛りありがっておりません
【2012/11/13 23:12】 | FREUDE #6AWUBD.o | [edit]
こんばんは
三十三間堂、行ったことはあると思うのですが、あまり覚えていません。
お寺はどれも同じに思っていました。
こうして教えていただくと、これから見る目が違ってきます。
【2012/11/13 22:52】 | YAKUMA #0p.X0ixo | [edit]
三十三間堂には、まだ行ったことがありません。近くに十二間道路というものがあり、その横幅の三倍弱か~などと、迫力のある画像を見ながら考えております。HPを見て、千体の千住観音をちらっと見て、のけぞりました。ディックさんの画像で、お参りしたことにしておきます(笑)。

こういう薔薇が、古いタイプなのですね。
ハイブリッドとはまったく異なりますが、フロリバンダ系はこちらに近い気がします。
それにしても、ずいぶんと品種改良がされてきたのですね。


【2012/11/13 22:44】 | takae h #A5.soH/6 | [edit]
紗真紗 さん、
どうにもつまらない建物写真で、ただの「行ってきました」記録になってますから、バラの写真でもないとおもしろくないと思いまして。
【2012/11/13 20:15】 | ディック #- | [edit]
ディックさま^^こんばんは^♪

三十三間堂は、修学旅行とあと1回だけ行きましたが、
長いという印象だけで、三十三の意味も知りませんでした。
今、観音信仰が私の中で、紐解かれていくようで嬉しいです。

アリスターステラグレイの可憐な白さに身が引き締まります。
あぁ~秋薔薇はいいですね~♪
毎回、ディックさまの凛とした画像を楽しませていただいております~♪
【2012/11/13 18:51】 | 紗真紗 #- | [edit]
mico さん、
バラですが、これは季節というよりも、オールド・ローズ特有の雰囲気でしょう。
こういう種類のあるバラ園でないと、なかなか味わえません。
三十三間堂、京都を回った中でも、「つまらないところ」なんです。この建物の味気なさ。ただ千体並べただけ、という印象でした。
【2012/11/13 18:39】 | ディック #- | [edit]
こんばんは
関西に住んでいながら三十三間堂はまだお参りしていません。
いろいろ勉強になりました。
機械があれば訪れてみたいと思います。
綺麗な薔薇ですね。
初夏の薔薇よりこの時期の薔薇のほうが
凛としていいですね。
【2012/11/13 18:34】 | mico #NkOZRVVI | [edit]
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