百万遍 〜 付録にバラ園のバラの写真があります

2012.11.01(18:30)

百万遍知恩寺御影堂正面 121009

 百万遍念仏(ひゃくまんべんねんぶつ)とは、自身の往生、故人への追善、各種の祈祷を目的として念仏を百万回唱えることだ。
 日本にも平安時代に伝来され、浄土教の流行とともに盛んになった。
 最初賀茂の河原屋と呼ばれる草庵があり、賀茂の宮司が懇請して法然上人にここを布教の地としてもらった。
 法然の死後、その地に御影堂を建て功徳院知恩寺と名付けたのが当寺の起こりだという。
 1331年、後醍醐天皇の命を受けた当寺第八代目の善阿が七日間にわたって百万遍の念仏を行い、これによって疫病を鎮めたとされている。知恩寺の寺号「百万遍」はその時の褒賞として授けられた。


百万遍知恩寺御影堂と灯籠121009

 「百万遍知恩寺」には、観光客はほとんど訪れないようだ。広く静かで、境内にいるだけで心が落ち着く寺だった。
 この日10月9日、ぼくは蹴上げから南禅寺、哲学の道を歩いて銀閣寺、そこからさらに百万遍交差点まで歩いてきていた。疲れ果てて落ち着けるところに座っていたかった。
 ぼくは御影堂(本堂)に上がって僧侶の読経を十五分あまり聞いていた。
 同じようなことをしている若い女性客も一人いた。


百万遍知恩寺御影堂アップ121009

 この寺には御影堂に本尊として法然上人の木造を安置し、ほかに阿弥陀如来を祀る阿弥陀堂、釈迦如来を祀る釈迦堂がある。じつはどれがどれだか記憶がはっきりしないが、一番大きいのが御影堂で、ふたつ並んでいるのが阿弥陀堂と釈迦堂だ、と考えるのが妥当だろう。
 パンフレットがない代わりに、どこでも自由にお入りくださいとなっているのだ。


百万遍知恩寺阿弥陀堂と釈迦堂121009

 この京都の散策記事は、けっしてでたらめに並べているわけではない。
 平安京の人々の思想・宗教を、時代を追いつつ概観しているつもりだ。陰陽道などの民間信仰や怪しげな迷信に始まり、奈良時代からの古い仏教、新しくもたらされた密教、そして浄土教の広がり、…と順を追ってきている。
 残念ながら浄土宗の総本山知恩院を訪ね損ねたので、このシリーズでは法然の思想を概観する機会がないかも知れない。ここで書けばよかったが、「百万遍」の名の由来にこだわって書き過ぎた。できれば浄土真宗の「西本願寺」の記事で少し触れることができればいい、と考えている。
 さて、このあとだが、京都を語るには平安京時代だけを語って済ますことはできない。平家など武士が勃興して、鎌倉時代、室町時代を経て、豊臣秀吉、徳川幕府の支配を受け、幕末から明治時代へと突入する。その歴史を追いかけてみよう、と思っている。
 観光地としての京都は、臨済宗の禅寺巡りが多くなるのがふつうだが、禅寺の記事がまだ出て来ないのは、単に順番が来ていないからに過ぎない。


百万遍知恩寺阿弥陀堂と釈迦堂2121009


京都大学構内121009

 百万遍知恩寺を出たあと、京都大学の前を歩いた。ノーベル医学・生理学賞を京大の山中伸弥氏が受賞されたので、京都のマス・メディアは前日から盛り上がっていた。そんな中で京大の前を歩いている偶然をおもしろく感じた。今出川通りをさらに出町柳まで歩く。京大前辺りから自転車が多く、歩道を歩いていても危ない感じがする。京都の中でも一番自転車が多い通りだった。
 出町柳から京阪電車でホテルまで帰った。
 上の写真は京都大学構内を覗いて撮ったもの。


【日大生物資源科学部バラ園のバラ】(付録)

デンティ・ベス121031

 「デンティ・ベス」Dainty Bass、かわいいエリザベスちゃん…でしょうかね。
 1925年、イギリス Wm. E.B. & Daughter Archer 作出のハイブリッドティーローズです。かなり人気があるようです。


ケニギン・ベアトリクス121031

 「ケニギン・ベアトリクス」(Koenigin Beatrix) ドイツのコルデス社が1983年に作出したハイブリッドティーローズ。
 オランダのベアトリクス王女に捧げられたバラだそうです。
 次回に、ハイブリッドティーローズとか、フロリバンダ系とかの説明をしたいと思っています。


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 明日は事情があってブログはお休みさせていただきます。
コメント
多摩NTの住人 さん、
多摩NTの住人 さんは、何でもよく調べて勉強される方のようですから、その気になればすぐスペシャリストですよ。
そもそも、仏教史なんて、大枠を掴むのにそんな難しい話ではないです。
【2012/11/03 13:00】 | ディック #- | [edit]
ななごう さん、
仏教って、よく知っている人に訊ねるとごちゃごちゃ言われてわからなくなるんです。
ぼくは仏教界の外側で、一般の日本人がキリスト教の勉強をしているのと同じ程度の気持ちで勉強しています。
大雑把に理解するには、一時間もあれば十分。講義して差し上げたいくらいです(笑)
【2012/11/03 12:57】 | ディック #- | [edit]
ころん さん、
「金閣寺」「銀閣寺」なんて、なんだかディズニーランドのアトラクションに並んでいる雰囲気でした。
日本人が寺院に求めるものはそういうことではないでしょうにねぇ。
百万遍知恩寺はよいお寺でした。
【2012/11/03 12:52】 | ディック #- | [edit]
山ぼうし さん、
訪れる客に何のサービスもしない代わりに、うるさいことも言わない。好きなように上がってください、ということで、内陣で法要が行われているのを見ていたってかまわないわけです。
こういうお寺もあるんですね。
【2012/11/03 12:50】 | ディック #- | [edit]
mico さん、
百万遍知恩寺って、周辺は京都大学だけが有名スポット! なかなか訪れる人はいないようでした。
慶大は美しく静かで、よいお寺でした。
【2012/11/03 12:47】 | ディック #- | [edit]
hirugao さん、
omoya って関西地区では有名なようですね。ぼくはまったく知りませんでした。
>所せましのテント
何の行事だったのでしょうか?
【2012/11/03 12:45】 | ディック #- | [edit]
小肥り さん、
その知恩院、訪ね損ねてしまいました。
まあ、また来年! でしょうか。奈良と京都って、慣れてくると観光しやすくなってくるようです。
【2012/11/03 12:42】 | ディック #- | [edit]
山手の木々 さん、
ある程度の予習をしていて、ここは是非行きたいというようなのと、思いがけない場面に出会った、というのと、両方あると旅は充実して楽しくなります。
【2012/11/03 12:40】 | ディック #- | [edit]
nakamura さん、
豪華なバラは最初は目を惹かれますが、次第に飽きてくるようです。
いろいろと見ていると、自分なりの「好み」が定着してきます。
【2012/11/03 12:38】 | ディック #- | [edit]
地理佐渡さん、
ある程度予習していて、「ここへ行きたい」というのはありました。ふつうの観光客が行かないところもたくさんありました。鳥辺野のお墓とか…(笑)
【2012/11/03 12:37】 | ディック #- | [edit]
takae h さん、
まじめな話ですが、とくにテーマを持って訪ね歩いているわけではありません。ほんとうは「白紙」と「注意深さ」の同居が一番よくて、そうすればいろいろと見えてきて吸収できるはず…と思っているのです。
今回だって、別にこの順番でまわったわけでなく、あとから構成しているのですから…。交通の便に従って、効率よく回らないと経済的にも時間的にもきついですらね。
【2012/11/03 12:35】 | ディック #- | [edit]

百万遍は何度も横を通っていましたが、まだ訪れたことがありません。
ご説明を拝読して非常に興味が湧いています。
私もいつか勉強してみたいですね。
【2012/11/02 21:37】 | 多摩NTの住人 #rId1tC1Q | [edit]
ディックさん、こんばんは。

仏教に殆ど知識が有りませんので、コメント入れてませんでした。
せいぜい判るのは、唱和の際の南無阿見陀仏と南無妙法連華経の云い違い位しか判りません。

私、大丈夫ですよ。安心して下さい。
間違っても試したりしません。
お縄は御免です。大(笑)
【2012/11/02 19:27】 | ななごう #- | [edit]
百万遍知恩寺・松の木の雰囲気が落ち着きを感じさせてくれますね。
歴史を紐解きながら~
一人浸る時間もいいものです。
散策したくなりました。
バラも雰囲気が出ていますね。
【2012/11/02 14:47】 | ころん #- | [edit]
百万遍知恩寺、また初見が出てきました~。
これほどのお寺なのに「観光客がほとんどいない」状態の中に身をおけるのはイイですね~。
「御影堂(本堂)に上がって僧侶の読経を聞く」という経験がないので、
体験してみたいと思いました。
【2012/11/02 12:46】 | 山ぼうし #- | [edit]
こんにちは
「百万遍知恩寺」初めてです。
ゆったりとした時間が流れている様ですね。
訪れて見たくなりました。
秋の薔薇は花色も濃くて綺麗ですね。
【2012/11/02 11:21】 | mico #NkOZRVVI | [edit]
ここは行ったことがあるのですが
手作り一の日でした。
所せましのテントでこの美しさはわかりませんでした。

それからフランス料理のomoyaに行った事
がありました。
【2012/11/02 11:05】 | hirugao #J7S1TTU6 | [edit]
ノーベル賞は京都大学が多いですね。
知恩院しか知りませんで、写真見て、石垣があり城郭の如きあの知恩院とは
「ちょっと佇まいが違う」と思いました。
知恩寺ね。
行かなきゃわからないものがいっぱいある。
寒いですね。

【2012/11/02 09:43】 | 小肥り #mQop/nM. | [edit]
古寺巡礼、快調に続いていますね。
こうやってシリーズでお寺を歩いてゆくとい
うことはしたことがありません。いつも単発
です。
百万遍知恩寺。多分近くは通りかかっている
のですが、中に入ったことはありませんでし
た。
素晴らしいお寺ですね。松の緑が鮮やかです。百万遍の意味も良くわかりました。
いつかはこういう旅をしてみたいですね。

【2012/11/02 09:12】 | 山手の木々 #- | [edit]
おはようございます。

簡素というか質素なバラが魅力的です。
重厚なバラも良いし・・・。
寺社と歴史はつきものですね・・・本棚の雰囲気も感じられます。
【2012/11/02 06:55】 | nakamura #- | [edit]
おはようございます。

連日楽しませていただいています。
歴史のある町にあるたくさんの寺・史跡。
一つ一つの来歴を今一度学びながら
見て回る。楽しいですねぇ。
僕もこんなにしっかりとした旅をしてみ
たいです。

【2012/11/02 06:12】 | 地理佐渡.. #s/KLKpB2 | [edit]
今まで、でたらめにお寺を観光していました。
テーマを持って訪ね歩く。
見習いたいです。

知恩院には何度か行きましたが
知恩寺は知りませんでした。
勉強になります。
今日のバラはどちらも
はんなりと優しい姿ですね。
色合いが何ともいえずすてきです。
【2012/11/02 00:28】 | takae h #A5.soH/6 | [edit]
紗真紗 さん、
観光客の少ない静かなお寺でした。じっくりと休息させてもらいました。
バラはいろいろなタイプがあって、毎年途中で息切れして投げ出してしまうのですが、今回はできるだけ多種類紹介したいな、と思っております。
【2012/11/01 22:38】 | ディック #- | [edit]
YAKUMAさん、
生きることに疲れ果てて困ったときに助けてくれるのがお寺、疑似体験みたいなものでしょうか。
たまにはよいものです。
南無阿弥陀仏の繰り返しになると、やはりかなり長いのでした。
【2012/11/01 22:33】 | ディック #- | [edit]
FREUDE さん、
手術のおかげで心臓の心配がまったくなくなりまして…、そうとなれば、慈照寺銀閣まで遠いけれど、さらに歩いても足が痛くなるだけのことですから。
記事の構成は、何か筋がないとつまらないですからね。
【2012/11/01 22:31】 | ディック #- | [edit]
ディックさんが、でたらめに書き連ねているとは思えず、
やはりそうでしたか、との思いです

南禅寺から鹿苑寺まででもかなりの距離、
お身体は問題なかったのか、と
心配しております
【2012/11/01 21:40】 | FREUDE #6AWUBD.o | [edit]
こんばんは
本堂で読経を聞く。
それが本来の姿でしょうか。
観光でお寺に行くと、そのような観点が抜けてしまいます。
良い時間を過ごされましたね。
【2012/11/01 21:35】 | YAKUMA #0p.X0ixo | [edit]
ディックさま^^こんばんは~♪

静かな境内、身をおいてみたくなります^^知恩寺。。。
知恩院には訪れたことがありますが、この知恩寺にはまだなのです。
ここは、念仏のお寺なのだなと、あらためて感じました。
デンティ・ベス、薄ピンク色した花びらのふわりとした咲き方がいいですね!
右から左からと、鮮明なショットをありがとうございました~!!
【2012/11/01 21:22】 | 紗真紗 #- | [edit]
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