高松塚古墳公園の「思ひ草」

2011.11.09(18:30)

高松塚古庵公園の女郎花111004

 11月4日朝はまた7時30分にホテルを出ました。
 朝はかなり冷え込みます。近鉄奈良駅から西大寺駅を経由して、近鉄吉野線飛鳥駅まで、1時間以上かかりました。9時少し前、飛鳥駅前のレンタサイクル「古都」で自転車を借り、リュックとカメラを前の籠へ入れてスタートです。
 慣れない自転車は、最初かなりふらつきますが、走り始めてしまえば歩くよりはずっと楽です。
 すれ違いで端へ寄りすぎて溝へ落輪したり、田んぼへ落ちたりしてはかなわないので、それだけは気を遣います。もらった略図の中を、実際にはどのくらいの時間で目的地に着くのか、走ってみないとわかりません。
 登り坂になるとかなりきついです。こういうところで無理をするとまだ心臓発作になってはと困りますので、登り坂は下りて、押して歩くことにしました。小学生の一団は平気で立ち漕ぎで追い越していきます。肉体的に老いたことを痛感する瞬間です。


高松塚古墳公園のヒガンバナ111004

 最初の目的地は高松塚古墳としました。到着までせいぜい15分程度だったでしょうか。いやしかし、「高松塚古墳公園」駐輪場で自転車をとめ、下りてから古墳までかなり歩くではありませんか。これでは自転車まで戻ることを計算するとかなりの距離になります。まあ、ヒガンバナ、女郎花など、咲いている花がきれいだから、よしとしましょうか。


高松塚古墳公園の白いヒガンバナ111004


高松塚古墳下から111004

高松塚古墳(たかまつづかこふん)は、藤原京期(694年~710年)につくられた古墳です。石室から色鮮やかな壁画が発見されたことで有名になりました。壁画の劣化がとまらないため、石室ごと掘り出して仮設の修理施設で作業中だそうです。古墳そのものは上下の写真のように埋め戻して復元されています。


高松塚古墳上から111004

 壁画等の様子は、近くに小さな博物館が作られていて、そこの写真展示等で見ることができます。
 付近は「高松塚古墳公園」となっていて、秋の花が美しい景色となっていました。
 次の写真…
 「人皆は 萩を秋と云ふ 縦しわれは 尾花が末を 秋とは云はむ」(作者不詳)


高松塚古墳公園のススキ111004

 高松塚古墳公園のススキですが、このススキの崖の上のほう、根もとを捜しました。
 万葉集に作者不詳の歌があります。
 「道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらさらに 何をか思はむ」


ナンバンギセル1111004

 「尾花」とはススキのこと、「思ひ草」とはナンバンギセルのこと。まさに万葉集の歌の通りです。
 小学館文庫に中西進さんが文章を書き、写真家の入江泰吉さんの写真を配した『万葉花さんぽ』という文庫があり、数年前にこの文庫を読んだ上での憧れが、今回の奈良旅行の原点でした。
 じつは、この旅行の最終日には入江泰吉さんの写真展を見に行きました。ぼくとしてはやっと思いを遂げたかのような感動です。


 高松塚古墳の女郎花縦111004

 自宅付近ではあまり見ることのできない女郎花を、帰りにもう一枚撮って、高松塚古墳公園をあとにしました。
 「手にとれば 袖さへにほふ 女郎花 この白露に 散らまく惜しも」(作者不詳)
 どの歌も『万葉花さんぽ』でとくにとりあげられていたものです。


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 Olympus はどうもイヤな予感がしていましたが、やっぱりでしたね。
 これで上場廃止とかいう方向へ行ってしまうと、デジカメ部門の切り離しとか、補修・修理部門の縮小、新規開発の中止などということがありそうで、そうなったら困ります。
 使い続けていても将来性がないなら、どこかで見切りを付けてお別れしなければならなくなる。それには消費者にも多大な負担が掛かります。買い集めたレンズ資産が役に立たなくなってしまうわけですから。
 援助してくれる会社があればよいですが、フォーサイスという独自規格でやっているだけに、厳しいことになりそうです。
コメント
ころん さん、
明日香といえばもう、万葉の地ですから、この日最初の記事としては、どうしてもそういう気分を出しませんとね。
入江泰吉さんの写真集にあったような景色と出会えました。こんな嬉しいことはありません。
【2011/11/10 21:01】 | ディック #- | [edit]
デックさまこんばんは。

高松塚古墳と
>「尾花」とはススキのこと、「思ひ草」とはナンバンギセルのこと・
ススキとナンバンキセル・
お花も出会って良かったですね。

トッテモ新鮮な感覚でした。
【2011/11/10 19:07】 | ころん #- | [edit]
kawazukiyoshi さん、
高級レンズの解像度、青い色の再現に定評がある一方で、独自規格のフォーサイスは感度を高くしにくいという欠点もあります。
ぼくはその特性を承知で使ってきた愛用者です。
株主だけでなく、愛用者を裏切るような行為はいけませんね。
【2011/11/10 17:15】 | ディック #- | [edit]
hirugao さん、
万葉集で歌われている「思ひ草」がほんとうにナンバンギセルなのかどうかはぼくはわかりませんが、文中であげている本ではそうしています。イネ科の寄生植物だそうなので、ススキとワンセットに語られるのでしょう。
【2011/11/10 17:12】 | ディック #- | [edit]
紗真紗 さん、
夕刻となったので、蓮馨寺はその前を見ながら通っただけでした。
一日だけですと、こういうことになります。何回も通われて川越を知り尽くされている紗真紗さんとの、深みの違いが出てきてしまいます。妙善寺は知りませんでした。まさか飛鳥の地とつながってくるとは…。
来年の秋にまた。いや、その前に、もう一度紗真紗さんのブログを参考に、春の喜多院へも行かなければなりませんね。
【2011/11/10 17:08】 | ディック #- | [edit]
YAKUMAさん、nakamura さん、
ナンバンギセルはイネ科の根に帰省するようです。万葉の時代から、「ナンバンギセルはススキの根元を捜せ」い言われていたのでしょう。万葉集の「思ひ草」はおそらく「ナンバンギセル」のこと、と言われるのは、上のことがあるからだと思われます。
この歌、覚えやすくて素直で、かつ洒落ています。
【2011/11/10 17:02】 | ディック #- | [edit]
地理佐渡さん、
飛鳥の地だけで、宮の跡が五カ所もある。どうしてそんなに次々と場所を変えたのか、豪族たちとの関係とか、いろいろあったのかも知れませんが、よくわからない。たくさんの古墳もあって、わからないことがまだまだ多い時代です。
オリンパス、消費者も従業員もはなはだ迷惑です。決して株主だけの問題ではありません。
【2011/11/10 16:56】 | ディック #- | [edit]
Olympusも大変ですね。
あのカメラはいいのでしょう。
立冬を過ぎて、急に冷え込んできました。
お体をお大事に。
今日もスマイル
【2011/11/10 15:43】 | kawazukiyoshi #- | [edit]
思い草は南蛮キセルでしたか・・・

最近はことに昔の事を忘れてしまいます。
少し前の秋をもう一度堪能させて頂きました。
【2011/11/10 11:36】 | hirugao #J7S1TTU6 | [edit]
おはようございます。

お~、お見事な記事です。
ナンバンギセルと万葉の歌、大座布団をどうぞ。
お疲れでしょう・・・(笑い)。
【2011/11/10 07:14】 | nakamura #- | [edit]
ディックさま^^おはようございます~♪

尾花、思ひ草と情緒あるいい方ですね。
高松塚古墳を眺めながら、尾花に女郎花の歌を~
普段目にするお花とは、違って見えるのも不思議でした。

先日、(5番)蓮馨寺に行かれたのですね~
境内にはあまり咲いておりませんが、
尾花のお寺としても知られております~!
ちなみに、(1番)妙善寺は女郎花のお寺です~!
【2011/11/10 07:06】 | 紗真紗 #- | [edit]
こんばんは
これが高松塚古墳ですか。
落ち着いた風景になっていますね。
ナンバンギセルも万葉集に詠われているのですか。
私も早く見てみたいです。
【2011/11/09 21:10】 | YAKUMA #0p.X0ixo | [edit]
こんばんは。

今はもうあの壁画は無いことがわかっていましても、
訪れてみたいところです。装飾の壁画。まさに白鳳
という時代の息吹も吹き込まれている気がするんです。

さて、オリンパス。僕は一眼ではないですが、メイン
はオリンパスです。困ったものです。好きなメーカー
でしたのに..。

【2011/11/09 21:01】 | 地理佐渡.. #i104y3BE | [edit]
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