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電源開発(J-Power) 磯子火力発電所の見学記

2011.02.19(18:00)

 磯子火力発電所は石炭を燃料として使用する火力発電所としては、世界最高レベルの効率と世界最低レベルの煤煙排出濃度を達成している、最新鋭の火力発電所です。
 日本の電力はその約70%を火力発電に頼っていますが、石油危機の後は、燃料を石油から石炭へと切り替えてきて、CO2や硫黄酸化物、窒素酸化物の排出を抑える技術を開発してきました。
 昭和40年代に運転開始した磯子発電所は、その最新鋭の技術を採り入れ、新1号炉は平成14年、新2号炉は平成21年から営業運転を開始しているそうです。
 横浜のような大都会の、しかも住宅地に近いところにありながら、市と協定を締結して環境保護に努め、天然ガスを使用する火力発電所と同レベルの環境保全対策が確立されています。


発電所全体模型

 磯子火力発電所の全体模型です。
 狭い敷地の中で、60万kw ×2機=120万kwの発電力を持つ施設が稼働しています。
 右側の「海上デッキ」に石炭輸送船が横付けし、石炭はベルトコンベヤーで「石炭サイロ」に運ばれ、微細炭になるまで細かく砕かれてから、ボイラーで燃やされ、加熱された水蒸気がタービンを回転させ、その回転力で発電機が発電を行う仕組みです。排煙は「乾式排煙脱硫装置」などによってクリーン化され、煙突から出ている煙は肉眼では見えないようになっています。
 

新1号炉棟外部

 磯子発電所のボイラーはタワー型という最新鋭のもので、狭い敷地に高さ100m のボイラー棟が建っています。2号棟は、技術革新により1号棟より少し低くなりました。
 ボイラー棟の手前のビルの内部には、タービンと発電機が据え付けられています。


石炭輸送船

 写真は高さ100m の1号ボイラー棟の屋上から、石炭輸送船を見下ろしています。
 石炭は東京湾にあるセンターから輸送船によって運ばれてきます。
 輸送船には可動式のベルトコンベヤーが付属し、海上デッキに設置されたベルトコンベヤーと接続すると、石炭はそのまま石炭サイロまでベルトコンベアーで輸送されるので、この火力発電所では石炭そのものを眼にすることはできません。石炭は一切見えない、フルオートの火力発電所となっています。


タービンと発電機

 タービンと発電機については詳しい説明がありました。蒸気がひとつのタービンを回転させてそれで終わり、というようなものではなく、効率を上げるために、複雑な構造となっています。ここでは長くなるので省略します。
 黄色い部分が発電機、その他の部分がタービンです。タービンの内部では、ボイラーで過熱された高熱の水蒸気が翼を回転させています。


2号炉のタービンと発電機

 タービンと発電機は2セットあります。上の写真は2号ボイラーの蒸気を使うタービンと発電機です。


乾式排煙脱硫装置と煙突

 配管がごちゃごちゃとした感じの施設は、乾式排煙脱硫装置です。これらの排煙浄化装置等については、かなり専門的なことまで勉強してきましたが、ここでは長くなるので省略します。
 また、煙突の形状は、三渓園から見えにくいよう、丸い煙突を押しつぶしたような形状に設計されています。
 三渓園側からは細くて目立ちませんが、わが家の近くの丘からはとても太く見えます。


発電所運転室

 運転室は、現在天井の強度を補強する工事中のため、作業のための柱が見えています。見えている写真の約3倍、横に長い部屋です。
 この柱がなければ、各種のディスプレイが並んだNASAの管制室の小型版のような雰囲気です。
 すべてコンビュータ制御でフルオート稼働しているため、この部屋の方々の仕事はほとんど「監視」業務だけなのだそうです。排煙内の各種環境汚染物質の濃度を表示するパネルがあって、オンラインで繋がっている横浜市でも、その濃度を確認できるようになっているそうです。

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 「土のうた」の nakamuraさんを真似して、文字入れ、フォント色変え 等、自在にできるようになりました(笑)
コメント
山手の木々 さん、
ちょうどよいタイミングでマリンタワーから写真を撮っていらっしゃいました。
ぼくの記事といい感じに繋がりました。ありがとうございます。
【2011/02/20 20:29】 | ディック #- | [edit]
J\Powerをアップしました。
遠景ですが、ディックさんの近景とコラボを試みました。いかがでしょうか。
【2011/02/20 18:27】 | 山手の木々 #- | [edit]
紗真紗さん、
「発電所」ですから、「モーターの原理」と逆さまで、「回転運動」を「電力」に変換しているだけ。そして「回転運動」をさせているのは「熱」によって噴出する水蒸気。「熱」の源が「石炭」というに過ぎません。それを「効率よく環境をできるだけ汚さずにやってますよ」というわけです。
【2011/02/20 18:05】 | ディック #- | [edit]
とんとん さん、
自然科学の理屈でいろいろと考えるのが好きなのものですから、頭の中は宇宙の年齢は137億年とか、地球の年齢は46億年とかいうふうになっています。
人類なんてせいぜい何万年で、どんなに頑張って何かやったところで、それも自然の営みの一部に過ぎない、なんて思っています。
ひっくるめて見れば、人が創り出すものも自然の一部であり、やがては自然に還ってしまうものに過ぎない。そんなふうに感じております。
【2011/02/20 18:00】 | ディック #- | [edit]
ディックさま~こんにちは~♪

わぁ~凄いサイトへお邪魔したようです。
素晴らしい解説と鮮明画像でいくらかは理解できますと、
ディックさまも張り合いがあるのでしょうが、スミマセン。

この磯子の発電所のことは知っておりました。
関係ないのですが、何年か前東海発電所付近を通過しました
ことがありまして、先ほど思い出しておりました。
【2011/02/20 16:15】 | 紗真紗 #- | [edit]
花通信とは正反対とも思える、発電所の風景です。
ディックさんはマルチな方で、感心します。

こういうの見ると人間って、凄過ぎて怖いくらいです。
いつも神様の作った自然に感心するばかりのとんとんは、きっと見学のあとはだっくりと疲れが出るでしょう。(笑)
【2011/02/20 14:29】 | とんとん #uvcXFM.c | [edit]
空見 さん、
その「工場萌え」から興味をもって、この記事に至っています。
夜景がきれいな工場群は、20日の記事で紹介する新日本石油の製油所でしょう。
あとは、みなとみらい付近の夜景がきれいです。
【2011/02/20 12:52】 | ディック #22hNL7Yc | [edit]
こんにちは。
珍しいものを拝見しました・・って、よく分らないのですが。豚に真珠^^;
横浜の工場群の夜景が美しいと、TVでやっていました。「工場萌え」とか。それとは関係ないかな(笑)
【2011/02/20 11:09】 | 空見 #- | [edit]
nakamura さん、大座布団、ありがとうございます。

なお、こちらのボイラーは、狭い敷地に建てるため、タワー型ボイラーという最新式のものを、日本で初めて採用したそうです。
こちらの工場の見学は、株主さんの見学に同行させていただきました。一般見学も受付されていますが、待遇が違うかも知れません(笑)
調べてみますと、各社の広報の一環でしょうか、いろいろな工場の見学が可能なようです。
【2011/02/20 10:26】 | ディック #- | [edit]
山手の木々さん、
調べてみると、こちらのお隣の東京電力、東京ガスなども申し込めば見学が可能なようです。
問題は、たぶん平日でないとダメだ、ということなのですが…。
【2011/02/20 10:21】 | ディック #- | [edit]
ころんさん、
この発電所は、当初は国策で国内産の石炭を使用するため建設されました。現在は輸入に頼っているそうです。

RAW現像に慣れると、多少の失敗写真も生き返ります。
本稿では、超ワイドで撮影したレンズ歪みをRAWの段階で修正しています。かなり強烈にやっても、画質が劣化しません。便利です。最初は面倒ですが、結局は「慣れ」なのです。
【2011/02/20 10:19】 | ディック #- | [edit]
おはようございます。

お~、すばらしい!!
サイトを間違えたようです・・・(笑い)。
大座布団を用意致しましょう。
大昔、市原の東電火力発電所を思い出します。石油燃焼でしたが、ボイラーの炎が圧倒的だったのを記憶しています。時代ですね~、いかにも近代的、・・・声を掛けていただきたかったですね~~(笑い)。
【2011/02/20 07:50】 | nakamura #- | [edit]
おはようございます。
すごいですね。大きな箱に覆われた現代のハイテク工場。中にはいろいろなものが、詰まっているのですね。

近頃工場巡りがはやっているようですが、私も行ってみたいと思っています。ビール工場だけは何度も行っているのですが(笑)。
【2011/02/20 05:31】 | 山手の木々 #- | [edit]
デックさまらしい・お写真と解説でした、
磯子火力発電所は石炭を燃料・・
外国から~でしょうか・
石炭燃料・こちら住友化学工場も石炭燃料と確か聞きました。
港には巨大外国船が入港するそうで、
一度見学したいといいますと、
立ち入り禁止常識でしょうね。

RAWについて説明ありがとうございます。
写真講座でも技術編で説明ありましたが、
理解できましても、悩むところです、
本買ってみます。
ありがとうございました。
【2011/02/19 22:03】 | ころん #- | [edit]
ひろしさん、
おお、ひろしさんのあの記事と繋がっていましたか!!
明日もう一度別記事にする予定でいるのですが、お隣の東京電力の「南横浜火力発電所」も、1号ボイラー棟の屋上から見下ろして撮影してあります。
ようやく送電線にも興味が出てきました。とりあえず、ひろしさんの記事を読み直してみましょう。
【2011/02/19 21:56】 | ディック #22hNL7Yc | [edit]
暮れから正月にかけて送電鉄塔「南横浜火力線」から分岐する「吉田線」を追いかけました。
この送電線は、「磯子火力発電所」と隣りの「南横浜火力発電所」から地中ケーブルを介して「富岡変電所」に送られた後、地上線となって送電鉄塔で送られる送電線です。
大元の発電所が、こんな凄いシステムであるとは知りませんでした。

興味があったら送電鉄塔を追いかけてみては?
【2011/02/19 21:50】 | ひろし #FFrZaXh. | [edit]
miyata さん、
磯子発電所は石炭火力発電の最新鋭ということで、大勢のみなさんに理解を深めてもらいたい、という姿勢がはっきりしていました。
カメラ撮影は、運転室でフラッシュを焚かなければ、あとは自由ということでした。
旧式の炉を稼働させつつ狭い敷地に新型炉を建設した苦労話とか、おもしろく拝聴しました。
原子力発電所は、世の中には強硬に反対される方もいらっしゃるから、こうはいかないでしょう。
【2011/02/19 20:55】 | ディック #22hNL7Yc | [edit]
写真撮影ができるとは・・
こちらの原発の中の撮影は許可が必要です。昔はうるさくなかったようですが。許可証をガードマンに見せないとカメラを持って中に入れません。
 
100mの高さと言ったら結構な高さですね。エレベーターがあるでしょうが、きっとこの中をうちの会社の人間も右往左往していることでしょう。

石炭も結構な出力があるんですね。
こちらも、7基あるうち調整稼働を含めて4基稼動しています。合計で500万Kw弱出力しているようですが、震災以来やっとここまでこぎつけました。
【2011/02/19 20:39】 | miyata #- | [edit]
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