2021.04.18(09:30)

撮影日は前後するが、最初にこの葉を紹介する。
というのは、花壇に真っ先にこの葉が出てきて、かみさんも私も「何だろう?」と首を傾げていたのだ。
(最初に葉を認めたのは3月下旬、撮影日は4月7日で、すでに花が咲いていた)
そのうち、1週間ほどして葉が大きくなった頃、下のほうから茶色の花茎が伸びてくる。
そしてご覧のような花が咲いたのである。
かみさんが 「Google Lense を使ってもわからない」というので、しばらく放置していた。
私は一応記録しておこうと、数枚の写真を撮り始めた。(上の写真の撮影日は4月2日)
「たいしてきれいでもないし、もう抜いてしまおうか」とかみさんがいうので「ちょっと待ってくれ」と、とうとう自分でも Google Lense を試してみた。
アルファベットの植物名(学名のまま)がヒットするので、和名はないのだろうか、とPCで調べてみて、「シラユキゲシ」と判明した。
この花と葉の組み合わせだから、間違いはないだろう、と思う。
ケシ科シラユキゲシ属のシラユキゲシ(学名 Eomecon chionantha)とわかったところで、ようやく記事にしようということになった。
しかし、ネットで調べてみて「これはまずいぞ!!」と思った。
Green Snap STORE のサイトによると、
「シラユキゲシは、別名スノーポピーとも呼ばれる、中国東部原産の耐寒性多年草で、中国東部の山地に自生しているケシ科の植物です」とここまではよい。
「寒さだけでなく暑さにも強くて、いったん株が落ち着くと、親株から離れた場所にも芽を出してどんどん広がっていきます。繁殖力があってとても丈夫なのが特徴的」とある。
こういうのを放置すると、過去の経験上ろくなことがない。
もう少し調べたら、あるサイトでは「グランドカバーに最適」と書かれている一方で、「強健で繁殖力が強く、計画的な庭づくりができなくなる恐れがある」などと表現されている。
ネットで見る写真に対して、わが家ではすでに、上と下4月8日の写真のように花茎が倍以上に伸びている。わが家では「強健」と評判される植物は往々にして手に負えなくなる傾向がある。
昨年もずいぶんと苦い経験をしている。
たとえば、
「ワイヤープランツ」---- これも「グランドカバーによく使われる」とあるのだが、これを植えたせいで針金のような茎が花壇からあふれ出し、花壇を潰して土を掘り返して根を取ったが、付近に残っていて、いまだに根絶できていない。
「カニクサ」---- シダの仲間だが、他の植物に絡みついて外れなくなり、その付近の草むしりは蔓をほぐしながらやらなければならなくなる。目に付いたら成長しないうちに摘み取っておかねばならない。
「アメリカフウロ」---- フウロソウの仲間だが、繁殖力が強すぎてあちらこちらに広がってしまう。今年もすでに庭の各所に小さな葉が認められる。
めずらしい植物だと、「しばらく放置して様子を見る」という対応になるのだが、様子を見すぎて手痛い目に遭うことも多い。
今日は晴れているので、午後にでもできるだけ根茎ごと抜いてしまう予定だ。
2021.04.16(14:20)

撮影場所:自宅庭
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下の写真も同じ
ナニワイバラを撮影しているカメラの位置は、南西側の擁壁上の道路です。
カメラを右側へ振れば、擁壁を這い上ってフェンスに絡みついたモッコウバラが見える、という位置関係です。
ナニワイバラも、その根は自宅側擁壁下の花壇にあります。モッコウバラと同じで4.5〜5m の擁壁を這い上り、その上のフェンスに絡みついて咲いているのを、道路側から撮影しています。
最初の2枚は撮影日が4月6日で、まだたくさんのつぼみが見えます。
咲いて翌日には雄しべの葯が傷み始め、花は数日持ちますがやがて散ります。
でも、次々と新しい花が咲き、蔓はどんどん伸びていきます。
3枚目以降はは4月12日の撮影です。
ナニワイバラの蔓は自宅側へ下りてきています。
上の3枚目の写真は、擁壁上の道路から身体を乗り出してフェンスの下を見ています。
上の4枚目は、下りてきた蔓枝に咲いているナニワイバラを、自宅の庭で撮影しています。
上の5枚目は、自宅庭から見上げて、道路上のフェンスに絡みついたナニワイバラを撮影しています。
6枚目、蔓枝が長く伸びて、藤棚の上に垂れ下がってきています。
藤は下側からできるだけ伐ったのですが、かなり危険な作業になるので、届かないところは放置していました。
藤の枝も真っ直ぐ上方へ伸びているものがかなり残っています。
7枚目、とうとう藤棚の上から垂れ下がるナニワイバラが出てきています。
もうこうなると、手に負えません。昨年はいろいろと出費が嵩み、植木屋さんを入れなかったのがまずかった。
公開しても「すでに遅し」です。
ナニワイバラをネットで検索すると、「花が付かない」などの困りごとの相談に「肥料をたっぷりと…」などとアドバイスが書かれているのを見ますが、わが家は一度植えてから肥料など与えたことがありません。
地植えの場合はノーケアで十分です。
4月以降は、道路上にはみ出し過ぎて通行人に怪我をさせないよう、週に1回はの伸びる枝を切りにいく必要があります。苦労しているのは、ナニワイバラが暴れまくるのをどうやって抑えるか、ということのほうです。
モッコウバラには棘がありませんが、ナニワイバラはうかつに掴んだりするとひどい目に遭います。剪定の際に何度も経験しています。
ナニワイバラ(難波茨)はバラの仲間で、中国南部、台湾が原産地。
江戸時代に難波商人によって日本に持ちこまれ、販売されて広まったといわれているそうです。
2021.04.13(10:39)
撮 影 日:2021.04.08
撮影場所:自宅庭
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
「次回は庭から上方を見上げた写真を載せます」と書いてしまいましたが、奥行きが深くなるので技術的にかなりの難題です。
でも、これをやらないと「迫力」が伝わりません。「わが家の庭が一年中でもっとも輝くとき」は4月下旬から5月、6月上旬くらいまでなのです。
全体のボリューム感を伝えるには、全体像に近い写真が必要なのですが、過去にも何回か載せましたが、全体が大きすぎると同時に奥行きも深すぎるので、PCの画面では白い点々が散らばっているのが見えるだけの冴えない画面になってしまいます。
今回は「それはやめよう」と決断しました。
逆に、こんなふうに擁壁にぐっと近よって真上を見上げる角度で迫力を出す作戦です。うまくいっている、とよいのですが…。
撮 影 日:2021.04.12
撮影場所:自宅庭
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
何度も試して、工夫して…、結構苦労しています(笑)
次回はこのモッコウバラの隣の「ナニワイバラ」の写真を載せよう、と思います。
同じように擁壁によじ登って、モッコウバラ以上に広がって咲いています。
モッコウバラよりはひとつひとつの花のサイズが大きいので、多少遠目からの写真も可能になります。
2021.04.12(18:00)

撮 影 日:2021.04.06
撮影場所:自宅庭
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
「自宅庭のモッコウバラ」と標題を付けながら、いったいどこで撮っているのか、といわれそうですが、わが家は西南側に高さ4.5〜5m ほどの擁壁があります。
モッコウバラは擁壁下の花壇に根があり、擁壁を這い上り、擁壁上の道路とわが家の境界のフェンスに絡んでいます。
それを道路側から撮影しているので1枚目のような撮影になります。
そのまま少し右側を向いて下を覗くと、2枚目のような感じになります。
フェンスの上に突き出た枝に咲いている花(上)も、フェンスに絡んで咲いている花(下)もあります。
ひとつひとつの花は、さほど形が整っているわけではなく、強い香りと花数で勝負する花です。
真っ白な花ではなくて、ややクリーム色がかっていますが、遠目にはかなり白く目に映ります。
次回は自宅庭から見た写真を載せます。
庭へ垂れ下がっている枝や、上方を見上げて撮影した写真になります。
2021.04.08(14:00)

よく撮れた写真なので、追加でもう1枚掲載します。
なお、下はご要望のあった雄花序のマクロ写真です。
ただ、葯は花粉を飛ばしてしまった後なので、少し細くなってしまっていますが…。
ご覧のように、雌しべは存在しません。
2021.04.06(12:50)

撮 影 日:2021.04.02
撮影場所:自宅庭
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
「自宅の庭にあると、あまりに身近なのでわかったつもりになって、詳しく観察しないし、あまり調べもしない」と、何度も書いてきた。
今年の庭のマルバアオダモはずいぶんと花付きがよく、2階から見ても上の写真のように美しいので、きちんとよく観察して記事にしよう、と決心した。
咲き揃って絶好の撮影日じゃないか、とカメラを持ちだしたのは4月2日で、なんと4月3日には両性花も一斉に咲き出した。
こうなれば、雄花と両性花と同時に観察できるというものだ。
〈雄花序〉
しかし、自宅の花とはいえ、撮影も観察もかなりやっかいだった。
ガーデナーの方が植え付けるとき、ウッドデッキを同時に作り、木はデッキの穴から伸びているので、根元近くが見えない。そのアオダモを9年間ほど見てきて、白い花房が美しい枝と、ぼさっとしてあまり花が美しくなく、あとから実(翼果)ができる枝があることに気がついていた。
それらの枝が付いているのが、それぞれが別の幹であることはわかっていた。
「実が付くほうが雌花で雌株、白い綿のような花が咲くのが雄花で雄株だ」と判断していたが、調べてみると、じつはどうも違うらしい。
雄花のほうには間違いはないが、もう1種類の花は「雌花ではなく、両生花」だった。
〈両性花の花序〉(撮影は4月3日)
結局雄花序は花弁4枚、雄しべ2本の花が集まったもの。両性花の花序は、先が赤くなったヘラような形に見える雌しべ1本に雄しべ2本、それにあまり白くない花弁4枚の花が集合したものだ。
花序から花を分別して、マクロ写真を撮らないとわかりにくいが、花をつまむといくつもの花がくっついてきてしまい、「ひとつの花だけを分離する」のはとても面倒なので、それはやめた。
〈両性花のマクロ写真〉
上の写真。丸いのが雄しべの葯。何かの箆(ヘラ)のようで先が赤くなっているのが雌しべだ。
雄花の場合は雌しべがなく雄しべだけで、花弁の色もかなり白いので、遠目に見るとふわふわの綿毛が木の枝に乗っているように見える。
結果として、「雄花序」と「両生化の花序」とでは、見た目がかなり違ってくる。
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さて、以前からわが家の木は「アオダモなのかマルバアオダモなのか」、きちんと調べてなかった。
マルバアオダモだと思い込んでいたが、根拠をあきらかにしなければならない、とも思っていた。
マルバアオダモといっても、葉が丸いわけではない。アオダモと比較して葉の縁の鋸歯が目立たず、縁がつるっとしたかんじなのだが、目を近づけて観察すれば、じつは鋸歯はある。たださほど尖ってはいなくて、曖昧な感じなのだった。
それでマルバアオダモという名前になったのだ、という。
ネットの写真、山渓ハンティ図鑑などの写真と比較検討し、わが家のアオダモはやはりマルバアオダモだろう、というのが結論だ。
まあ、ウッドデッキに多少の日陰をもたらし、年に一度は花を楽しめるのだから、それで十分と言えば十分だが、植物については生殖の仕組みを知らないと私はどうも落ち着かないので、一度は調べておこう、と思ったのである。
なお自家受粉では果実はできない自家不和合性があり、両性花が咲く木が1本だけでは果実(翼果)はできないそうである。
昨年は翼果が2果序分しかできなかったが、それは天候が荒れて、両性花が咲いたときには雄花がほとんど散ってしまっていたからだろう。
なお、マルバアオダモはモクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹である。
2021.04.04(13:00)
〈3月29日 午前7時30分頃撮影〉

撮 影 日:2021.03.29
撮影場所:自宅庭
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
3月29日雨の翌朝7時半頃のヒメリンゴ。
この時間がもっとも陽が当たりやすいので撮影することにしたが、雄しべの葯が雨に濡れているし、陽の当たり具合が強烈で明暗が強調され、撮影はきわめて難儀だった。
そこで翌日11時半頃、陽が高くなって高い位置から全体のごく一部に陽が当たるようになってから、撮りやすい部分を追加で撮った。新しい花が開いて雄しべの葯の状態も落ち着いている。
2日間かけての姫林檎だ。
〈3月30日 午前11時30分頃撮影〉
撮 影 日:2021.03.30
撮影場所:自宅庭
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
姫林檎は「古くから鉢植えや庭植えで親しまれている園芸品種」で、一般には「クラブアップル」と呼ばれることも多い。
そう聞いて横浜イングリッシュガーデンに植えられているクラブアップルを見にいくと、高さ2〜2.5m くらい、わが家の姫林檎、高さ1.5mくらい とはずいぶん異なる。
イングリッシュガーデンのクラブアップルは花色も紅色が強く、見た目にはわが家の姫林檎と同種とはとても思えない。
《クラブアップル》(横浜イングリッシュガーデン)
〈3月30日 午前11時30分頃撮影 自宅庭のヒメリンゴに戻る〉
わが家で小さな果実ができたことがあり、かみさんが試食したが「不味かった」という。
一般には「小さな実を付ける品種は観賞用であるため、甘味がない」らしい。庭樹としても盆栽用の品種などが数多く販売されているらしいが、樹高は50cm〜2mといろいろのようだ。
わが家のヒメリンゴは低木として花を楽しむための園芸種だろう。林檎の果実といっても、ネットで見ると大きめの堅いサクランボのような見た目である。
Wikipedia では「姫林檎」は一般名で植物学上の和名は「イヌリンゴ」だとしている。
学名は Malus prunifolia であり、よく知られた近い品種としては「花海棠」がある。
そもそも林檎は自家不和合性があるそうで、ヒメリンゴの近くにハナカイドウを植えるとよい、と聞いた。
ハナカイドウの花粉でヒメリンゴが受精し、実を付けるのである。
先日紹介したスモモも自家不和合性があるというから、スモモの木が1本あっただけでは果実はなかなか見られないのかも知れない。
《参考:ハナカイドウ(花海棠)》
横浜イングリッシュガーデンで 2016年3月30日撮影したもの。
八重咲き種の花海棠だ。
人が果実を利用する植物の世界に足を踏み入れつつあるが、なかなか複雑で、だからこそ興味深く、じわじわと突っこんでいってみたい、と思う。
《参考:ニュートンのリンゴ》(2018.4.10 小石川植物園にて撮影)