
撮影場所:自宅庭
撮影日:2019.11.07
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下の写真も同じ
わが家の庭に咲く秋の菊は、とくに植えたわけではない。父の代にどのくらい咲いていたのか憶えていないが、たぶん何年もずっと咲き続け、これまで生き残ってきたのだろう。
どうみても「野菊」ではないから、観賞用に栽培された菊だろう。
そういう種類の菊を総称して、イエギク(家菊)というのだそうだ。
わが家の菊は、園芸用に栽培された菊にもかかわらず、花色は何やら一定せず、つぼみと開いたときとで変化するし、全般にきちんと整った印象ではなく、野趣が感じられる。
逆に、だからこそこうしたイエギクは愛されて、ずっと生き残っているのではないか、と思う。
草むしりのときに誤って2、3本引っこ抜いたりすることも多いのだが、丈夫で、適度に増え、影になれば伸びて日を探す。這って再び立ち上がる。
秋の庭にはかかせないし、ちょっと荒れた感じが、秋が深まるとともによく似合っているような気がする。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.10.30
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
最初はヤマノイモの実が引っかかっているのか、と思ったが、果実が大きすぎるしも形も少し違う。
やがて、「ははあ、これがフクロミモクゲンジの実なのか…」と見当はつけた。
10月30日の小石川植物園でのことで、後ほど紹介するが、じつは9月に花が咲いているのを見ているのだ。しかし、花と実の様子が、頭の中で簡単には結びつかないのである。
撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.11.15
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
11月15日にもう一度見にいくと、上の写真のように、実は黒くなっていた。
フクロミモクゲンジ(袋実木欒子)はムクロジ科モクゲンジ属だそうだ。ほかにもモクゲンジとかオオモクゲンジとかいう落葉高木があるらしい。
「袋実」(ふくろみ)と頭に付くのは、この実の様子を見てなんとなく納得できた。
以下、花の写真を紹介しよう。
撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.09.28
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.09.23
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下の写真見同じ
2018年には、上の写真のようにもう少し花に近付いて撮影している。
あまりにも大きく高い木なので、低い枝を見つけた昨年は幸運だった。
知らないと通り過ぎてしまいそうだが、地面を見ていれば「いったい何だ?」と上を見上げることになるだろう。
名前くらいは聞いたことがある、という方は多いでしょう。
PCでもスマホでも、Spotify は使えます。
今年、この Spotify のおかげで私のミュージック・ライフは大きく変わりました。

上はそのPC版の Spotifyアプリの画面の一部です。
Spotify のアプリでは、大まかなジャンル別にたくさんのプレイリストが並んでいます。
まずはその中から自分の好きそうなタイプの曲が集められていそうなプレイリストをクリックして開きます。
私はクラシックを中心に聴いており、SpotifyのAIはすでに、私が好んで聴く音楽の傾向をつかんでいるので、私の画面にはそうしたリストばかりが並んでいます。
左上の「MDDERNISM」というリストは、私が最近特に好んで聴いている分野をよく知っているAIが、私に紹介してきたプレイリストです。
これをクリックして開いたのが下の画面です。

好きな曲を選んでクリックすると音楽が流れます。
気に入った曲の左側のハートマークをクリックすると、そのハートが塗りつぶされます。
こうして Spotify のAIは、ますます私の好む音楽の傾向をより正確に把握していきます。
私は最近、20世紀初頭から1960年代くらいまでに作曲されたクラシックの中でも、とくに斬新な響きの曲を好んで聴いています。
上のほうから、プーランク、ショスタコーヴィチはよく聴いていますが、4行目のヒンデミットはあまり聴いていなかった。
作曲家名は知っているけれど、じゃあヒンデミットのCDを買って聴いてみる、というのは、以前ならあまりにも冒険でした。CDは価格が高いからです。
でも、今では Spotify で気軽に聴いてみることができる。おかげで私にはヒンデミットがどんな曲を書く人か、聴いて試してみることができました。
こうして、私はこの一年間に、「初めて聴いてみた作曲家」がどんどんと増えました。
その中には好きな作曲家も出てきています。
下から2番目のバルトークはそんな中の1人です。
ハートマークが塗りつぶされていないじゃないか! といわれるかも知れません。でも、もうこの曲のCDを持っているし、大好きな作曲家だからいまさら Spotify に紹介してもらわなくても大丈夫なのです。
次にこのリストの一番下のストラビンスキーの行を選び、右端のアルバム名をクリックしてみます。

アルバムが出てきました。2008年に発売されたものであることがわかります。
このアルバムの絵を右クリックすると、「マイリストに保存しますか」などと聴いてきます。
「マイリストに保存する」を選ぶと、次からは面倒な手続きをせずにこの画面にダイレクトにアクセスできます。
ストラヴィンスキーの交響曲3曲を、私はいつでも聴くことができるようになりました。

上の画面は私が最近作成したマイリストの一部です。
すでにアルバム枚数にして2〜300枚のアルバムないしアルバム集を登録してあります。
いつでも好きなように聴けます。
Spotify のおかげでミュージックライフが様変わりになった、というのは、以上のような次第です。
すぐにこの世界にはまってしまったので、私は月額980円を支払い、高音質で聴けるよう Spotify Premium に加入しています。
でも、CD1枚が 1800円〜3500円くらいはしますし、片っ端から試し聴きできるのですから、このような便利なサービスは、私にとって天の恵みなのです。
なお、クラシックに限らず、JAZZ でも Rock でも、Spotifyではあらゆる分野がこんなふうになっています。
《付録:シロダモの実》

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.11.15
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
クスノキ科シロダモ属の常緑高木です。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.11.15
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
ハゼノキ。紅葉の時季に果実も見られて、ようやく「これがハゼノキなのだ」と納得したように思います。
ついでにヤマハゼも調べて、両者の見分け方も勉強できました。
ウルシ科ウルシ属の高木で、雌雄異株です。




前回の「横浜市こども植物園の『イギリス産の秋バラ特集』(2)」は、デヴィッド・オースチン社作出のイングリッシュローズの写真を並べました。
これをご覧いただいた 山ぼうしさんから、「ご紹介のバラは花弁数が多いですね。さらに、付き方(巻き方)も違います」とのコメントをいただきました。
上記の点について、少し解説ないし補足をしたい、と思います。
花弁数が多く芯のあたりの巻き方がぎゅっと詰まった感じのバラの花は、デヴィッド・オースチン社作出のバラの大きな特色ですが、そうした花の咲き方はけっして目新しいタイプのバラではありません。
上の写真の図のバラは「ロサ・ケンテフォリア」(Rosa centifolia)といい、ナポレオンの時代に描かれた絵です。
ナポレオンの妻、フランス皇后として知られているジョゼフィーヌは、1799年にマルメゾン城という古城を購入し、世界中のめずらしい植物を集めた庭園を造りました。
その中でも有名なのはバラのコレクションです。
彼女は銅版画の植物絵を得意としていた画家ル・ドゥーテに、集めた植物のカラー銅版画を作らせ、記録しました。
私がこんなことを知っているのは、ル・ドゥーテの美術展が開催されたときにそれを見にいき、勉強したからです。ちなみに、このときル・ドゥーテのロサ・ケンティフォリアの額装絵(もちろん原画ではありません)を購入。現在は居間に飾っています。
バラは古代オリエントやギリシャ、ローマ帝国の時代から存在していたとされ、ジョゼフィーヌはナポレオンが皇帝だった時代に、古いバラも含めて多種のバラを集めて、それらをル・ドゥーテに描かせました。
ル・ドゥーテの原画はルーブルの火災で大半が焼失したそうですが、『バラ図譜』という書物が残っており、マルメゾン城のバラ園を受け継いで復活させた人もいて、バラの歴史は現在ではいろいろなことがよくわかっているそうです。
デヴィッド・オースチンの功績は、四季咲きで、丈夫で、大きな花を多数咲かせる現代的なモダン・ローズの時代に、こうした古い時代から親しまれていたタイプの咲き方のバラ(オールドローズ・タイプのバラ)をモダンローズとして復活させ、それを広めたことにある、とも言えるでしょう。
なお、ロサ・ケンティフォリアはオールドローズとしていまでもそのまま受け継がれ、生き残っています。ネットで検索すれば写真も見られます。
付録【ツルウメモドキの果実】

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.11.15
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
ツルウメモドキ(蔓梅擬)はニシキギ科ツルウメモドキ属。
本記事は横浜市こども植物園の「イギリス産の秋バラ 特集」(1)の続きです。
今回は「イングリッシュ・ローズ」特集です。
イングランドのバラの育種家 デヴィッド・C・H・オースティン (David C.H. Austin)の会社が作出したバラが「イングリッシュ・ローズ」です。
イギリスのバラを「イングリッシュ・ローズ」というのではなくて、デヴィッド・オースチン社のバラを「イングリッシュ・ローズ」と呼ぶことになっています。理由は前回の記事の末尾の段落に記載しました。
では、始めます。
【アブラハム・ダービー】(Abraham Darby)

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2019.11.06
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下の写真も同じ
1985年、イギリスの David Austin 社が作出したバラです。
【クレアオースチン】(Claire Austin)

2007年、イギリスの David Austin 社が作出。
【ウィリアム・シェークスピア2000】(William Shakespeare 2000)

植物園の札は単にウィリアム・シェークスピアとなっていましたが、それは1987年以降に販売されていた品種で、現在栽培されている品種はほとんどがWilliam Shakespeare 2000 ですので、たぶん新しいほうだと思います。
【ジ・アレンウィック・ローズ】(The Alinwick Rose)

2001年、イギリスの David Austin 社が作出。
【ザ・ジェネラス・ガーディナー】(The Generous Gardener)

1991年、イギリスの David Austin 社が作出。
【モリニュー】(Molineux)

デビッド・オースチンが応援しているサッカーチーム、ウォルバーハンプトン・ワンダーズが1889年から所有している、モリニュー・スタジアムに因んで名付けられたそうです。作出年 不明。
横浜市こども植物園のバラ園では、今年の春くらいからでしょうか、イギリス産のバラが数多く見られるようになってきました。
そこで、本日は「イギリス産の秋バラ特集」をやってみたい、と思います。
【アイズ・フォー・ユー】(Eyes for You)

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2019.11.06
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下の写真も同じ
2009年に英国の Peter.J.James 氏が作出したバラ。強い香りがします。
横浜市こども植物園バラは柵際にあるものが多く、直接香りを楽しむことのできる花がほとんどです。
ついでですが、バラにとって「香り」という要素は極めて重要とされており、たまに薫りを嗅ぐことのできないバラ園がありますが、何か大きな勘違いをしてバラ園を作ったのではないか、と造園家の資質を疑ってしまいます。
【デンティ ベス】(Dainty Bess)

1925年 Wm. E.B. Archer & Daughter が作出。
【エレン ウィルモット】(Ellen Willmott)

1936年、Wm. E.B. Archer & Daughter が作出。
デンティベスとよく似ているではないか、といわれるかも知れません。
調べてみると、デンティベスとレディ・ヒリンドンの交配種らしい。レディ・ヒリンドンはわが家でも育てているので、なんとなく納得できますが、エレン・ウィルモットがデンティ・ベスと並んでいたら、どちらがどちらか、とても区別が付かないでしょう。
【ベスビアス】(Vesuvius)

1923年、Samuel McGredy II が作出。
さて、ここからはいよいよ「イングリッシュ・ローズ」の紹介です。
こういう発言をすると、
「いままでのはイギリスのバラではなかったのか? 」とおっしゃるかも知れません。
イングランドのバラの育種家 デヴィッド・C・H・オースティン (David C.H. Austin)の会社が作出したバラが「イングリッシュ・ローズ」と呼ばれるのは、どうやらこの名称が同社のバラの「商標」だから、ということのようです。
イギリスのバラを「イングリッシュ・ローズ」というのではなくて、デヴィッド・オースチン社のバラを「イングリッシュ・ローズ」と呼ぶことになっているのです。
同社は大阪の泉南に直営ファームを持っており、同社のコレクションが見られるそうです。
一度訪れてみたいものです。
実際に日本国内で販売されているイギリスのバラの大半が「イングリッシュ・ローズ」であり、この「イギリスのバラ特集」も後半が「イングリッシュ・ローズ」です。
横浜の気候はイギリスの気候とかなり異なり、育てにくいにもかかわらず、その魅力にはまってしまったわが家でも、数多くのイングリッシュ・ローズを育てています。
簡単に解説すると、大きな花がどーんと咲く「バラらしいバラ」のイメージはフランス産のバラのイメージから作られたもので、イギリス人はどうもそういうバラを好まないらしいのです。
四季咲きで丈夫だというモダン・ローズの特徴はそのままに、古いバラのよさをもっと甦らせたタイプのバラがいい、というのがイギリス人の好みらしい。
人工的な広い庭を造園するフランス庭園のイメージと、自然の中にとけ込んだ庭園造りが好みのイギリス人の家庭の庭を比べてみると、わが家はやはり後者を選ぶ、ということになります。
なお、この記事が長くなりすぎるので、「イングリッシュ・ローズ」のコーナーは2、3日後の別記事、《横浜市こども植物園の「イギリス産の秋バラ 特集」(2)》に写真を掲載します。