
撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2019.03.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
シキミというと、その毒性について書きたくなるもので、私もこれまで劇物指定のことなどばかり書いてきた。
今回はしかし、あらためて花の美しさに気がついた。

いままで何回かシキミの花を採り上げてきたが、この花は妙に早く開花したり、遅い時季に開花したりするものだから、私はほんとうのハイシーズンを知らなかったのではないか、と思う。
白金台の国立科学博物館附属自然教育園でたくさんの花を付けた木を見つけたとき、「こんなに花数が多く、きれいな花を咲かせるのか」と驚いたのだ。同じ頃に小石川植物園に行ったら、いままで「木に勢いがない」と思い込んでいたシキミの低木が、やはり数多くの花を咲かせていた。

マツブサ科シキミ属に分類される常緑小高木。

《参考:シキミの実》

シキミの実は昭和25年制定「毒物及び劇物取締法」、昭和40年政令第2号、第2条第1項第39号で劇物に指定。
植物の実としては、唯一の指定。
〈注〉今晩は、この記事の前に「オランダ紅」の記事があります。めずらしいツバキです。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.05
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
「オランダ紅」は「おらんだこう」と読むらしい。
椿に詳しい「草木図譜」というネット図鑑によれば、江戸中期からの古典品種で、1739年の「本草花蒔絵」に記載されているそうだ。
風変わりな模様の花なので異国の名前を当てたのか、名前の由来は不明だという。
なお、松阪には来迎寺といって、オランダ紅の古木が咲く寺があるらしい。
そこの立て札には「加藤清正が朝鮮出兵のときに持ち込んだ木」と書かれていて「朝鮮ツバキ」とも呼ばれてきた、と表示されているが、現在「朝鮮椿」と呼ばれているのはヤブツバキの園芸品種で、写真の花とはまったくの別品種である。来迎寺の花の写真を参照してみたが、花はやはり「オランダ紅」のようであった。
ツバキは概して名札がないと品種名がわからないものが多いが、「オランダ紅」はかなり特殊な見た目なので、見つければすぐにそれとわかるだろう。
正直にいえば、この写真では花に傷みが見え始め、私のいつもの基準ではブログの掲載基準に満たない。
ただ、この1枚しか撮れていない一方でめずらしいツバキであり、来年も同じ時季に撮ることができるとは限らない。
以上いろいろと検討して、あえてブログで紹介することにした。