
撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
三夜連続でオオシマザクラとエドヒガンの交配種を紹介している。
29日の「伊豆吉野」、30日の「天城吉野」のふたつは父と母が逆なのだが、区別は難しい。
今晩の「帝吉野」は上の2種とはかなり異なった交配結果となり、特徴ある品種が生まれた例だ。

ミカドヨシノ(御帝吉野または帝吉野)は竹中要氏が国立遺伝学研究所でソメイヨシノの起源を研究した際、オオシマザクラ × エドヒガン の組み合わせによる交配の結果得られたものから、1個体を選び、1957年頃にこの名を付けたもの。
主たる特徴は、ご覧のように花柄が長く垂れ下がることだろう。萼筒も細長い筒型だ。
花はオオシマザクラのように白いが、アマギヨシノやイズヨシノのように密集しないので花数も少なくなるようだ。

これら3種はすべて、同じ人物(国立遺伝学研究所の竹中要氏)がソメイヨシノを研究しようとして、オオシマザクラとエドヒガンを交配した結果生まれた品種だ。
なお、ミカドヨシノについては、父母の区別ははっきりとは確認できなかった。

〈注〉今晩は、この記事の前に「オキナグサ(翁草)とオキナグサの園芸種」という記事があります。
この記事と併せて楽しんでいただけたら幸いです。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
キンポウゲ科オキナグサ属の多年草。
オキナグサの写真としてはあまりよい出来ではなく、待っていればまだ機会があるかも知れないのに、ここでこれらの写真を出して記事にしてしまうのにはわけがある。

3月29日曇天の日、期末になってしまう前の料金の安いうちに横浜イングリッシュガーデンの年間パスを入手しようと同ガーデンを訪問した。
園内を歩いているうちに見つけたのが下の写真。
【オキナグサの園芸種】(横浜イングリッシュガーデン)

撮影場所:横浜イングリッシュガーデン
撮影日:2019.03.29
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
「まさか、オキナグサの園芸種? 」と根出葉を確認したが、やはりオキナグサの園芸種に間違いないようだ。
こんな植物まで園芸種にしてしまうのか、と驚いた。


撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
「アマギヨシノ(天城吉野)」は、三島市の国立遺伝学研究所で竹中要氏が、オオシマザクラ(大島桜)を母とし、エドヒガン(江戸彼岸)を父として交配を行い、得た品種だ。(山と渓谷社「日本の桜」に拠る)
昨晩の記事「イズヨシノ(伊豆吉野)」とは、父と母が逆転していることになる。

しかし、それでどんな違いがあるのか、見てもなかなかわからない。
逆に共通点にはすぐ気がつく。
・花はオオシマザクラのように白く、サイズが大きい。
・開花時点で葉が少し出ているものの、あまり目立たない。
・花数がソメイヨシノのように多く、木全体にびっしりと咲き、満開になると見映えがする。


【エドヒガンとオオシマザクラの交配について】
ところで、「ソメイヨシノ(染井吉野)」だが、Wikipedia によれば「エドヒガンとオオシマザクラが交雑して生まれた雑種のサクラの中から特徴のある特定の一本を選び抜いて接ぎ木で増やしていったクローンである」そうだ。
この点は「エドヒガン」と「オオシマザクラ」の交配種である「アマギヨシノ(天城吉野)」や「イズヨシノ(伊豆吉野)」という桜が、いずれも白いの大型の花弁を持つことから、そうでもしなければ、ソメイヨシノのような微妙な色合い(白っぽいけれどもほのかな桜色に色付いている)のサクラが全国的に広がることはほとんど不可能だったのだろう、と推測できる。
「ソメイヨシノ(染井吉野)」は「エドヒガン(江戸彼岸)」から「葉の展開よりも先に花が咲く性質」を受け継ぎ、「オオシマザクラ(大島桜)」からは、「適度な白さ」や「すっきりした幅広の花弁のかたち」を引き継いだのだが、このように単に「エドヒガン」と「オオシマザクラ」を交配しても、じつはなかなかソメイヨシノのような色のサクラは生まれない。
両者を交配しても、アマギヨシノやイズヨシノのように、真っ白に近い花弁の大きな花を咲かせる桜が生まれる可能性が高い、ということなのだろう。
〈注〉今晩は、この記事の前に「クサボケ」の記事があります。
こちらとともにお楽しみいただければ幸いです。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
小石川植物園で撮影したクサボケだ。
ところが、ボケにも同じ色の花を咲かせる品種があり、写真に撮ったらほとんど背丈はわからなくなるから、区別はもう付けられない。
そんなことでは、ボケが幼木だったら背は低いのだから、もう区別は付けられない、というのと同じことではないか。
背丈などいう曖昧な基準ではなくて、すっきりと「ここが違う」という違いはないのだろうか。
解説している文章は数多く読んだが、結局「ここが違うのだ」と納得できないままである。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
「伊豆吉野」は三島市の国立遺伝学研究所で竹中要氏がエドヒガンを母とし、オオシマザクラを父として交配を行い、作出した品種だ。(山と渓谷社「日本の桜」に拠る)
当ブログでは、昨年「天城吉野」を紹介しているが「伊豆吉野」は「天城吉野」とは父と母が逆になっている。

開花の時点で少し葉が出ているものの、オオシマザクラほどではなく、花数が多い印象だ。花弁はオオシマザクラのように大きく、白く、美しい。木全体にびっしりと花を付け、見事な咲きっぷりである。

数多くシャッターを切った割りには、よく撮れた写真が少ない。
めずらしく快晴だったが、コントラストが強くなりすぎてなかなかよい写真にはならない。
2枚目は距離が中途半端でごちゃごちゃしてしまった。もっと遠くから撮りたいが、それができるほど手前が開けていないのだ。
「伊豆吉野」の花の特徴をとらえるには近くから撮るしかないが、ほぼ満開なのでごちゃごちゃと周囲の花や枝が写り込む。
桜の撮影というのは、じつに悩ましい。
この「伊豆吉野」の撮影の頃から急に風が強くなり始めたのにも難儀した。
〈注〉 今晩はこの記事の前に「ゼンマイ」の記事があります。
お楽しみいただければ幸いです。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD F012
ゼンマイ(薇)は、ゼンマイ科の多年生シダ植物です。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.20
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
「崑崙黒」とかいて「こんろんこく」と読む。
いままで知らなかったが、こういう咲き方を「宝珠咲き」というらしい。
真ん中の部分が開いてしまって、やがて八重のようになって開き、シベが見えてくるというが、その前の宝珠咲きの姿を愛でる椿である。

黒みの強い暗赤色が人気で、神戸、大分などいろいろな椿園を扱った記事を見ていると、これらの椿園でも人気があるようだ。
椿を扱うオンラインショップでも販売されている。

上の写真は、真ん中の「宝珠」が開ききってしまい、魅力を失った崑崙黒だ。

GKZ植物事典によると、日本で戦前に作出された園芸品種だという。
〈注〉今晩は、この記事の前に「マグノリア」の記事があります。