
撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2018.08.29
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
ツルボはたいへん美しい花なので毎年楽しみにしていたが、根岸森林公園が野草を片っ端から刈ってしまうのでほとんど見られなくなった。
近隣では横浜市こども植物園で見られるツルボが美しいが、今年は白金台の国立科学博物館附属自然教育園で撮影した。暑いせいか傷みも見え始めている中で、よい被写体を選んで写真を撮った。
キジカクシ科ツルボ属の草本で、地下に球根があるそうだ。
《参考:オオツルボ(シラー・ペルビアナ)》

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2018.05.10
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
ちなみにオオツルボという和名が付けられているシラー・ペルビアナもツルボ属だ。
ツルボ属の花々は地中海沿岸の各地原産で、鑑賞価値の高いものが多く、園芸種の世界ではシラーと呼ばれている。これは学名の頭に Scilla と付いてツルボ属を表しているからだ。学名で呼ぶならば、ツルボ属はシラー属なのである。
【7月26日】

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2018.07.26
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
本日の記事は、キク科ヤブタバコ属の「コヤブタバコ」だ。
同じように下向きに咲くヤブタバコは、花が葉腋に付いて並ぶのに対し、この花はご覧の通りだ。
「同じような花なのにこれはいったい何だ」と1ヶ月弱悩んだ。
多摩NTの住人 さんが「コヤブタバコ」として記事にされたのをきっかけに、私も調べ直し、「コヤブタバコ」に間違いない、と判明した。
【8月10日】

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2018.08.10
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
名前の由来は、「藪(やぶ)」に生育する煙草みたいな葉の「ヤブタバコ」、そのヤブタバコに似ているけれど葉が小さい、ということらしい。


ヤブタバコは一昨年小石川植物園で憶えた。今年は「これがそうかな」と観察中のものはあるのだが、8月19日現在まだ成長中で花が咲いていなかったため、確信はない。
参考のため、下に一昨年9月27日と10月21日の写真を載せておこう。
《参考:ヤブタバコ》

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2016.09.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2016.10.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
前回はシシウドの写真を載せた。
今回はウドの記事だ。
どう区別するのか知らなかったので、突然出会っても区別が付けられるように…、と勉強した。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.08.19
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 2枚目も同じ
シシウドはセリ科の植物だが、ウドはウコギ科タラノキ属の多年草だ。
香りが強く、山菜や野菜として好まれるという。
かみさんに尋ねると、「きんぴらにしたりして食卓に出している」との返事。「そうか、自分はウドを食べているのか…」とそのくらい、私はウドについての知識が欠如している。
シシウドの記事について、 山ぼうしさん のコメントでは「山ウドは食べるサイズまでなら見ている」とのこと。
それが当たり前なのだろう。花が咲いている写真を見て、ウドとシシウドとを区別しよう、などというのは観察好きの都会人の発想なのだろう。ネットには食材としてのウドの写真ばかりがたくさん見られる。

さて、成長したウドとシシウドの区別だが、シシウドの記事では葉の様子で区別した、と書いた。
今回は「よくみれば花序の様子がまったく違う」と気がついた。
今後はもう、花の咲き始めの様子を見て、ウドとシシウドのどちらかと悩む、ということはないだろう。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.07.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
ところで、今回の写真を見ていて、私は雄しべがない丸く膨らんだ花序を見て、受精後に実ができかけているのだと思っていた。しかし、それは間違いでウドには雄性花序と両性花序があるらしい。
雄しべが目立つ花房は「両性花序」であり、「実ができかけているように見えるのは両性花序の雌性期」だそうだ。「雄花序」は両性花序の下部に付いていて小型である、という。
そんな目立たない小さい花房には焦点を合わせていないから、花序全体が写っている私の写真では、焦点が合ってなくてボケている小さい花房が雄花序らしい。
なお、上の写真は「両性花序の雄性期」に当たる。

上の写真ではくっきりと写っているのが両性花序で、咲き始めだ。
両性花序の下のほうにちょぼちょぼと付いている小さな、まだつぼみの花房が雄性花序らしい。
「また来年」とはなるけれど、来年は花序の区別を付けられるよう配慮した写真を撮るよう努力しよう。
今回は何しろ、ウドとシシウドの区別などという、ごく初歩的なところから始めなければならなかった。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.08.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
上の写真では、両性花序の雌性期の一部が黒っぽい実になり始めているようだ。
上の写真をじっと眺めていただいて、昨日のシシウドの花序と比べていただければ、花全体の姿がウドとシシウドではまったく違うのだ、とご納得いただけると思う。

ぱっと見たときに、シシウドの花とウドの花とはよく似ているように思う。
よくみればどうも花序の様子からして、シシウドとウドでは見え方が違うようだと気がついたが、最初はかなり混乱した。
観察という点では、シシウドはよく観察してたくさんの写真を撮ったが、ウドは観察が足りないのも原因だ。
ウドはウコギ科タラノキ属の植物で、シシウドはセリ科シシウド属だから、そもそもの科が違う。
セリ科の植物はアシタバとかシシウドとか、葉の芽が出るときの形態などにどうも似通っているところがあり、シシウドの株全体を眺めていると「あ、セリ科だ」と気が付く点が多々あった。キアゲハの幼虫まで見つけた。
補強材料が整って、本日の写真はシシウドである。
写真は2種類あり、
昨年9月5日の写真は Tamronの 35mm 広角レンズを使い、本年8月19日の写真は CANONの100mm Macroレンズを使っている。レンズはそれぞれ特徴があり、表現力が異なっている。広角から並べたほうがシシウドを理解しやすいと思うので、そういう順番にした。
どちらも同じ小石川植物園入り口近く、日本庭園方向へ向かう道路脇のシシウドだ。



下の写真から、CANON の Macroレンズを使用している。







撮影場所:自宅庭
撮影日:2018.08.25
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
先日(8月18日)ヌマトラノオ、イヌヌマトラノオ、オカトラノオについて記事を書いた。
この3つはサクラソウ科オカトラノオ属の花だ。
今回のハナトラノオはシソ科カクトラノオ属の花であり、まったくの別種である。
「虎の尾を連想させる花穂の形態」という以外にはとくに共通点はない。
北アメリカ東部原産で、園芸植物の中でもよく知られた存在だ。丈夫で世話をしなくてもよく育つ。
もう十数年前からわが家の花壇にあり、毎年律儀に花を咲かせているが、少しずつ数が減り、かたちが整わなくなってきているようだ。
《参考》横浜市環境支援センターのオカトラノオ

撮影場所:横浜市環境支援センター
撮影日:2016.06.17
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ


撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.08.19
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
ワレモコウ(吾亦紅)はバラ科ワレモコウ属の多年草だ。
これでもひとつひとつの花はちゃんとバラ科の花らしい形をしていて、雄性期と雌性期があると聞いているが、フィールドでこの花を見ると、どうしてもこのような写真を撮りたくなり、ひとつひとつの花のマクロ写真を撮ろう、という気にはなれない。

Wikipedia によると「〜もまた」を意味する「亦」を「も」と読み、「吾亦紅」と書くのが現代では一般的、だそうだ。
根は生薬として使われている。
ルドベキアというキク科の園芸種がある。
たとえば、下の写真はわが家の花壇のルドベキア・タカオだ。
【ルドベキア・タカオ】

撮影場所:自宅庭
撮影日:2018.08.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
写真は陽を浴びてぎらぎらしているが、舌状花が3〜4cm の背の低いかわいい花である。
ルドベキアは北米に30種ほどが分布している1・2年草、または多年草で、園芸種が多様であり、花の苗を売っている園芸店に行けば必ず何種類か販売されているのが目に付く。
【フェンスの向こうのオオハンゴンソウ】

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.08.19
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
さて、問題は多年草のルドベキア・ラシニアタ(Rudobeckia laciniata)で、この植物は和名で「オオハンゴンソウ」と呼ばれ、明治中期に日本へ侵入し、特定外来生物に指定されて駆除の対象になっている。
最初は小石川植物園の立入禁止のフェンスの奥に見つけ、そのときはオオハンゴンソウかな、思いつつ、なお園内を捜すと、近寄れるところにも何株が咲いている。
背丈の高い株で2.5m くらい、低い株で1.5m ほど、舌状花の数は8前後だ。
葉の形状を確認すると、やはりオオハンゴンソウに間違いないと思う。(参考図書『花と葉で見分ける野草』監修 近田文弘)
【オオハンゴンソウのつぼみ】

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.08.01
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下も同じ

【オオハンゴンソウの花】

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.08.19
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ

倒れたまま咲いたフェンス際の花。

日本で見られる野生のオオハンゴンソウの仲間はミツバオオハンゴンソウ、アラゲハンゴンソウがあるそうだ。見つけてみたいものである。

私は園芸種の世界にも首を突っ込んでいるので、よく知られているルドベキアが、オオハンゴンソウの仲間だと知り、「なるほど」と合点した。
園芸店で販売されているルドベキアは、わずかだが舌状花が反り返り、筒状花が大きく発達したものが多いのだ。やはりどことなくオオハンゴンソウと似た花なのである。
なお「ルドベキア」という名称は、キク科オオハンゴンソウ属の花々の総称として使われている。学名の頭には必ず Rudobeckia または略して R. という記号が付されている。