【セイヨウアジサイ(西洋紫陽花)】

撮影場所:自宅庭
撮影日:2018.05.26
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
上の写真はわが家の庭のアジサイ(セイヨウアジサイ)だ。
こういう咲き方を「手鞠咲き」というらしい。
ガクアジサイが手鞠咲きの園芸種となるようにしたのは西欧人だという。原種のガクアジサイをヨーロッパへ持ち込み、手鞠咲きのアジサイが創り出され、それを日本へ逆輸入した。
そのため手鞠咲きのアジサイはセイヨウアジサイと呼ばれるようになった。
〈パリで見たフランスのセイヨウアジサイ〉

撮影場所:フランス・パリ
撮影日:2018.05.26
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF24-105mm f/4L IS USM
だからアジサイはヨーロッパでも栽培されている。2014年、パリのホテル前で咲いていたアジサイはフランス人好みのたいへん派手な色合いだった。
【ガクアジサイ(額紫陽花)】(セイヨウアジサイの原種)

撮影場所:自宅庭
撮影日:2017.06.15
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD F012
日本ではトップの写真のセイヨウアジサイが園芸種として一般的だから、ただ「アジサイ」と呼ぶ場合は、ふつうはセイヨウアジサイのことをいう。
セイヨウアジサイの原種のガクアジサイはわざわざ「ガク」を付けてガクアジサイと呼んで区別している。
上の写真はわが家のガクアジサイだ。今年はまだ咲き揃っていないので、昨年の写真を掲載した。
植物学的には、ガクアジサイもセイヨウアジサイも、どちらもアジサイ科アジサイ属の落葉低木だ。
【ヤマアジサイ(山紫陽花)】

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2017.06.17
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
日本にはほかにヤマアジサイという一群があり、ヤマアジサイはガクアジサイとよく似ているが別種だ。
上はヤマアジサイ系の園芸種で「深山黒姫」(みやまくろふね)という品種。ヤマアジサイを好む人は多く、園芸種もたくさん生まれている。
ガクアジサイとヤマアジサイの区別の仕方については、また後日としたい。
写真は昨年のもの。今年の「深山黒船」がこういう姿になるのはもう少し先だ。ヤマアジサイは色変化が大きい。
【アナベル】(アメリカのアジサイ)

撮影場所:自宅庭
撮影日:2015.06.18
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF70-300mm f/4-5.6L IS USM
なお、いま人気のアナベルは別名アメリカノリノキであり、セイヨウアジサイではない。
アメリカアジサイとも呼ばれている。北アメリカ東部原産のアジサイの仲間だ。
見た目は一枚一枚の装飾花がセイヨウアジサイよりも小さく、繊細な感じがする。
参考写真はわが家のアナベルだが、今年はまだ咲き揃っていないので2015年6月の写真だ。
本記事は「セイヨウアジサイとは何か」を知っていただくためのもので、ついでにほかのアジサイ類との区別の概略について述べたものである。
【横浜市こども植物園】

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2018.05.25
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
アマチャ(甘茶)は、アジサイ科の落葉低木でヤマアジサイの変種だと言われているようだ。
アジサイの仲間は新しい研究・分類の最前線にあるらしい。追いかけるのがたいへんだ。

アジサイ・シリーズをはじめるにあたり、間違われやすそうなので、はじめにとくに書いておくと、ガクアジサイとヤマアジサイは別種ではっきりと区別されているから、注意が必要だ。アマチャは「ヤマアジサイの変種」である。
また、すでにウツギ・シリーズとして記事を書いてきたが、ウツギの名の付く植物のうち、本来の「ウツギ」とその仲間たちは、アジサイ科ウツギ属の植物である。アジサイ科の中に、アジサイ属やウツギ属があるのだ。
そして、アジサイ属の中でも、ガクアジサイの仲間とヤマアジサイの仲間は系統が違うのである。
【小石川植物園】

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.05.20
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
「薬草カラー図鑑2」/伊澤一男著 によると、アマチャは日本特産で中国にはないそうだ。
薬効としては、糖尿病患者の砂糖代わりの甘味料として生薬「甘茶」を用いる、という。また、ツルアマチャという草本があるが、アマチャとはまったく無関係だそうだ。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.06.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
上は昨年小石川植物園の薬草園区画で撮影したアマチャだ。
幕末から明治にかけて来日していたシーボルトは、日本の植物を調べ、専属の絵師を雇って絵を描かせて、「日本植物誌」(Clora Japonica)として研究の成果をまとめた。
そのなかに、装飾花が八重になっているヤマアジサイの絵があった。江戸時代には栽培されていたようなのに、明治以降この花が見つからないので、長い間「幻の紫陽花」と言われていた。
昭和34年、神戸六甲山小学校の職員さんが六甲山中で発見して採取し、いまでは各地で庭園などに植えられ、栽培されている。
【自宅花壇のシチダンカ】(2012年5月)

撮影場所:自宅花壇
撮影日:2012.05.27
撮影機器:Olympus E-5
レンズ:ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD
わが家ではかみさんが友人から一枝もらって、挿し木で根付かせ、北東向きの花壇に植えた。これがなかなか気難しくきれいに咲いてくれない。後日「これはとてもめずらしいことで有名なアジサイだ」と聞き、図鑑などで調べて「シチダンカ(七段花)」と判明した。
自宅でもっとも美しく咲いたのは2012年の5月だった。その写真を1枚だけ入れさせていただく。
【小石川植物園本館横 花壇のシチダンカ】(2018.05.20)

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.05.20
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
自宅以外で見つけたシチダンカは、昨年は横浜市こども植物園のシチダンカを紹介したが、今年は小石川植物園本館横花壇のシチダンカを紹介したい。


【自宅花壇のシチダンカ】(2018.05.10)

撮影場所:自宅庭
撮影日:2018.05.10
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
最後に、自宅北東向き花壇の今年のシチダンカを記録のため掲載しておく。
年々花壇が混み合ってきている。バラほかの植物が邪魔をして、陽当たりが悪すぎることがシチダンカの咲きっぷりが悪い原因ではないか、と私は推測している。



撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2018.05.16
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
垣根に囲まれた小さな区画の中で、だらしなく倒れかけているような低い小木。その枝に咲くこの花を見たとき、第一印象は「またシロバナヤエウツギか…」と思ったのだが、よく見れば花の形が違う。
近くに「コガクウツギ」の札があった。場所は横浜市こども植物園だ。
よく考えもせず撮り始めた。
こういうとき(はじめての花に出会ったとき)は「うまく撮ってやろう」という気持ちが先に立ち、これがどういう植物なのか、最初はろくに考えてもいない。
そのうち、このだらだらと続いている花の、どこがガクウツギなのか、という疑問が出てきた。
「コ」が頭に付くにせよ、「ガクウツギ」という以上、昨晩の記事のように装飾花と両性花があるはずだ。
しかし見えているのは装飾花ばかりではないか。

注意深く見てみよう。
上の写真、たとえば右上の花序、あるいは左下の花序、どうも真ん中あたりに両性花があって、そこから装飾花が出て、全体を覆っているように見える。

装飾花が少なくて、何だかごたごたした印象のあるあたりに目を移すと、おお、両性花がたくさん見えるではないか。
遠目に見たときは、枯れた花か葉がゴミのようについているのだ、と思っていた。

両性花部分に焦点を当て、拡大してみた。
ところで、楽天市場などの花の販売サイトを見てみると、これはコガクウツギの中でも「八重咲き」の品種のようだ。
単純に「コガクウツギ」という語だけで検索すると、一重咲き花弁4枚の、昨日のガクウツギに似た小型版のような花の写真がヒットする。
アジサイ科アジサイ属の落葉性低木だ。
さて、「ウツギの名の付いたアジサイのような花」はこれで終わりとし、明日からはもう少しアジサイらしい花の記事へと移っていきたい。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.04.20
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
ガクウツギは林の中などに生える低木。高さ1.5mくらい、アジサイ科ウツギ属だ。
見た目は両性花の周囲に装飾花があるので、アジサイとよく似ている。
しかし、何にもまして強烈な印象を受けるのは強い香りだ。撮影をしているあいだはずっと強い香りの中ですごすことになる。
近くにはハンカチノキが咲いていて、巨木のオオカナメモチも咲いていたが、香りはオオカナメモチ付近よりこのガクウツギの近くに来ると強くなるので、ガクウツギの香りに間違いないだろう。
不思議なのは、ガクウツギの香りについて触れているホームページやブログが見つからないことだ。

なお、念のため書いておくが、撮影は4月中旬である。だからアジサイと混同することはないだろう。だが一方で、5月25日には横浜市こども植物園でコガクウツギを撮影している。コガクウツギにはまた後日触れたい。


さて、以上のガクウツギは、一週間前の4月13日にはまだ、両性花は咲いていなかった(下の写真)
このような開花の様子は、ガクアジサイの開花の過程とたいへんよく似ている。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.04.13
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
…というわけで「ウツギ」の名の付くガクアジサイ風の花の写真を出して、今晩から新しく「アジサイ・シリーズ」を始めるつもりでいる。

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.05.11
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
イイギリ(飯桐)はヤナギ科イイギリ属の落葉高木。
白金台の国立科学博物館附属自然教育園では、道を歩いていると下に黄色い花が落ちているので、それで初めてどこか上の方にイイギリの雄花が咲いていたのだ、と気が付きます。
この写真のような位置にイイギリの花を見る、ということは、まず無理な注文です。
5月上旬、小石川植物園の深い林のずっと奥、まもなく針葉樹林が始まろうかというその手前、ぽかっと空間が開けたところに、イイギリの雄木が低い枝を垂らしていました。
通常の散策路を外れたところなので、ふつうの見学者はまず気が付かないようなところです。
めったに見られない真横の位置から眺めるイイギリの雄花をご覧ください。
ネット検索してみても、このような写真はわずかしか見つからない、と思います。




撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.05.04
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM

撮影場所:横浜・三渓園
撮影日:2018.05.24
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF70-300mm f/4-5.6L IS USM
本日はブログは休憩中です。