
撮影場所:小石川植物園
撮影日:2018.02.28
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
小石川植物園を日本庭園のほうから高台に上がり、深い雑木林の中を抜けて明るい開けたほうへ向かっていくと、この時季には上の写真のような光景が見えてくる。
黄色いのはアテツマンサクだ。
見えている木は実際には2本、向かって右側は満開、左側は咲き始めだ。
2月20日と28日の2日間、両方の木を撮影し、咲き始めから満開までのさまざまな段階の写真を撮っている。花色は花弁がくしゃくしゃにまとまっている咲き始めが濃い黄色で、満開になるとぴんと張って色は薄くなる。
以下、咲き始めから満開までの様子を紹介していく。
〈咲き始め〉

撮影日:2018.02.20
このアテツマンサクの名前の由来となった阿哲郡は、現在の岡山県には存在しない。
平成20年11月、阿哲郡を含む広域市町村合併があり、いまは新見市の一部となった。
アテツマンサクの樹は、その新見市から市の発展を記念する樹木として小石川植物園に寄贈されたもの、という。
牧野富太郎博士が大正3年に新見市の黒髪山にある青龍寺(真言宗醍醐寺派)旧本堂近くの株からタイプ標本を作り、新種アテツマンサクと命名した。
小石川植物園の解説札によると、阿哲郡の辺りは、石灰岩地が発達したアジア大陸に共通した植物群が見られることが知られており、古くから直物地理学的に注目されている地域だ、とのこと。

撮影日:2018.02.28

撮影日:2018.02.20

撮影日:2018.02.20
〈満開〉

撮影日:2018.02.20
アテツマンサクの特徴は見ての通り。
萼の色がふつうのマンサクのように赤褐色ではなく、雄しべの葯や雌しべのかたちなどがくっきりと目立っている。
好みの違いはあるだろうけれど、私にはこれまで記事にしてきたどのマンサクよりもアテツマンサクのほうが美しく感じられる。

撮影日:2018.02.20
