
撮影場所:横浜イングリッシュガーデン
撮影日:2017.03.28
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 1〜3枚目まで同じ
このサクラについては、2007頃に作出されたので、手持ちの図鑑『日本の桜』(山と渓谷社)に記載がありません。
いろいろと調べて判明したことを以下に記載していきます。
2007年頃に、山形県のJFC石井農場 が育種した桜で、早咲き切り花品種の「敬翁桜」を八重に改良した品種。
2009年頃に出品されて、いろいろな賞をとっている模様です。

ベースになったという啓翁桜(敬翁桜)は、初春のさまざまな室内展示などのときに、枝ごと伐ってきて飾られるのに使われています。
『日本の桜』には、ミナミザクラと寒緋桜の交配種だとされているほかに、ミナミザクラを台にしてコヒガンを接ぎ木したものだという記載もあります。
「敬」と「啓」の字の混乱はここから生じたようです。どうも前者が「敬翁桜」で、後者が「啓翁桜」だということのようです。

さて本種「シュンゲツカ(春月花)」は実生から生まれた「敬翁桜」を交配して、八重にしたものなのだろう、思われます。
それならばカンヒザクラ群の桜ということになりますが、これまで見てきたカンヒザクラ群の桜はいずれも紅色がかなり強く、一重咲きの桜ばかりでした。
それがこの柔らかい感触の八重桜になったということは、さぞや長い道のりを経たのだろう、と思われます。

撮影場所:横浜イングリッシュガーデン
撮影日:2017.04.03
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
「春月花」と名付けたS.Iさんは、当時中学生だったそうです。
本人のコメントは
「私がこの桜を選んだ理由は、初めてこの桜を見たとき、ピンクで花びらがふわふわたくさんあり、とてもかわいらしいと思ったからです。私の桜のイメージにぴったりだと感じました。「春月花」という名前は、春に月のように輝く花になって欲しいと思ってつけた名前です。私はこの桜がとても気に入りました」とのこと。

八重の桜はふわふわ、ごちゃごちゃした感じになりがちですが、すっきりした姿で好ましく感じます。