
撮影場所:本牧山頂公園
撮影日:2017.02.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下すべて同じ
今晩は、スイカズラ科ニワトコ属の落葉低木ニワトコの芽吹きの写真です。
ニワトコの冬芽は混芽(コンガ)といい、芽吹きの時に葉と花の両方が同時に出てきます。
私は木々の混芽の中でもタブノキとニワトコがとくにおもしろい、と思っているので、当ブログでもたびたび紹介しています。
ニワトコは、初春の里山でとくに芽吹きの目立つ木だと思っております。

根岸森林公園では、毎年花を咲かせていたニワトコの木を伐採してしまいましたが、ニワトコの若芽を天ぷらにして食べるとおいしいそうで、過去に根岸森林公園でも若芽を摘みにきていた人を目撃しました。

3枚目、下の4枚目、開いた芽鱗(ガリン)にもご注目ください。


なお、ニワトコの枝や幹を煎じ詰め、骨折や打ち身などの湿布薬として利用したそうです。そのせいか「接骨木」(セッコツボク)の別名があります。

《蘇芳梅》(すおうばい)

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.02.15
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 2枚目と3枚目も同じ
辞書を引くと、「蘇芳色(すおういろ)とは黒味を帯びた赤色。蘇方色、蘇枋色とも書く。蘇芳とは染料となる植物の名前で、この色はこれをアルカリ性水溶液で媒染したもの。今昔物語では凝固しかけた血液の表現にも使われている」と書かれています。
梅の図鑑、ネットなどでは比較的よく見かける梅ですが、実物を見たのは今回小石川植物園が初めてでした。

古い図鑑ですが、小品盆栽としてよく出回っている、との記述がありました。樹勢はあまり強くないので、十分な管理が必要、とも書かれていました。

《佐橋紅》(さばしこう)

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.02.15
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
「佐橋紅」については、図鑑でも、ネットでも、調べると一重咲きの、もう少し薄い色の花が掲載されています。
この写真は2月15日に小石川植物園で撮影したものです。
過去に根岸森林公園で「佐橋紅」の札が掛かっていたのは八重の花を付ける木で、私は「鹿児島紅」の木に間違えて「佐橋紅」の札を掛けたのではないか、とずっと疑っていました。
10年以上根岸森林公園の梅林に通っていますが、従来は事実上ほとんど何の管理もしていなくて、紅梅の木に白梅の「滄溟の月」の札が掛かっていたり、「一重茶青」の札が掛かっている木に八重の花が咲いていたりしていましたから、とても信用できなかったのです。
ところが、小石川植物園で撮影した写真の八重咲きの梅の木に、「佐橋紅」の札が掛かっているではありませんか。
《参考》根岸森林公園で「佐橋紅」の札が掛かっていた梅(2015年2月21日撮影)

撮影場所:根岸森林公園
撮影日:2015.02.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
それでは「『佐橋紅』には八重咲きの花もあるのか」ということですが、梅の品種についてはネットでも図鑑でも情報が少なく、よくわからないのが実情です。
また、あるサイトによりますと、「佐橋紅は、雄しべが長く花びらの外まではみ出すように咲く」とあります。
小石川植物園の「佐橋紅」は、逆光で、木の花がすべて湿地の方を向いていて、身を乗り出して撮影できたのはたった1枚のみなのですが、確かに雄しべがかなり長いように見えます。しかし正面から見えていないので確かなことは言えません。
なお、「佐橋紅」の「佐橋」の語源ですが、地名ではないかと調べて見ました。しかし、確かにそういう地名はあるものの、確信を抱くに至りませんでした。
《鹿児島紅》

撮影場所:根岸森林公園
撮影日:2017.02.03
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
今年は撮影の時期を失してしまいましたので、2015年2月3日に根岸森林公園で撮影した鹿児島紅を掲載しています。
「鹿児島紅」は比較的あちらこちらで見つけやすい品種の梅だと思います。
花弁がまったく波打たない八重なので、平たく見える花です。
図鑑には「樹勢が弱いので管理には気をつける」とあります。

少しまとめます。
花梅は大きく三つの系列に分類されます。
野梅系、緋梅系、豊後系の3系列です。その緋梅系の梅はさらに3種類に分類されます。
紅梅性、緋梅性(ひばいしょう)、唐梅性(とうばいしょう)の3つです。
そもそも、緋梅系の梅は枝や幹の内部が紅いとされ、花は紅色、緋色のものがほとんど。白花でも、枝の髄が紅いものは緋梅系に入るとされています。
今回紹介した3種類の品種は、蘇芳梅と鹿児島紅が緋梅系緋梅性、佐橋紅が緋梅系紅梅性です。
緋梅系でも紅梅性(こうばいしょう)の梅は、緋梅性に較べて花色が薄いものが多い、とされています。
このことは、根岸森林公園の「佐橋紅」の札が掛かっている梅を私が「鹿児島紅」ではないか、と疑っていた理由のひとつです。しかし、小石川植物園の佐橋紅の登場で、どうもよくわからなくなってきました。

撮影場所:根岸森林公園
撮影日:2017.02.07
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下2枚も同じ
本日は日光街道の千住宿 付近を歩き回って帰宅し、ブログの面倒をみるエネルギーが残っておりません。
当ブログは休憩です。
根岸森林公園の2月7日の景色をお楽しみください。

菜の花と、ソメイヨシノの林です。


撮影場所:本牧山頂公園
撮影日:2017.02.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 2枚目も同じ
今年の花々の開花があまりにも早いので、「ひょっとするともう遅いかも知れない」と思いつつ、2月21日の本牧山頂公園を訪ねました。
この付近では例年一番早く咲くカンヒザクラはもう満開でした。


撮影場所:本牧山頂公園
撮影日:2017.02.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD F012
花はもう傷みが出始めていました。

撮影場所:本牧山頂公園
撮影日:2016.02.25
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
私見ですが、カンヒザクラはそもそも間近で眺めるサクラではありません。
カンヒザクラは近くから覗き込んでもけっして美しい花ではないのです。筒咲きのままで大きく開かない性質ですし、ひとつひとつの花のかたちはさほど美しいとは感じられません。
ただ、「カンヒザクラはこんな花です」と説明するためには、近寄って撮影した写真も入れなくてはなりませんから、昨年2月28日の写真を一枚掲載しておきます。
今年はすでに傷みが出ていて、撮影に適した枝が手頃な場所に見つかりませんでした。
〈カンヒザクラはいろいろな品種の片親〉
そうはいっても、このサクラはとても大切なサクラです。
いろいろな品種の片方の親になっているからです。
・寒桜(カンザクラ)は、カンヒザクラ X ヤマザクラ
・大寒桜(オオカンザクラ)は、カンヒザクラ X オオシマザクラ(実験による推定)
・河津桜(カワヅザクラ)は、カンヒザクラ X オオシマザクラ(との説あり)
・横浜緋桜(ヨコハマヒザクラ)は、カンヒザクラ X ケンロクエンクマガイ
・陽光(ヨウコウ)は、カンヒザクラ X アマギヨシノ
・オカメザクラは、カンヒザクラ X マメザクラ
以上のサクラは「陽光」を除いて当ブログに記事があります。また、写真はありませんが「陽光」は横浜イングリッシュガーデンで昨年見ております。

撮影場所:新宿御苑
撮影日:2017.02.03
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 2枚目も同じ
2月3日の新宿御苑でこの花を見つけたとき、最初は「なんだか変な梅だなあ」と思いました。
ウメ と思ったのは花が直接木の枝についている、と見えたからなのですが、花の姿は桜みたい。

そして2枚目の写真。近付いて花をよく見れば、「なんだ! 短いけれど、花柄があるじゃないか! 」
というわけで、木全体をよくよく見れば、サクラなのです。
幹には「寒桜」(カンザクラ)の札が…。
じつをいうと、寒桜(カンザクラ)を見たのは初めてで、寒緋桜(カンヒザクラ)の開花よりももっと早く、「2月3日に咲いているサクラなんてあるはずがない」と思い込んでいたので、気が付くのが遅くなりました。
自分が撮影した花のアップ写真の木はまだ若く、枝振りはあまり感心できず、ごらんのように開花したばかりで花柄も短く、つぼみが密集しゴテゴテしていて、とても美しい写真になりません。

撮影場所:新宿御苑
撮影日:2017.02.03
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD F012 下の3枚の写真も同じ
自分が撮影した花のアップ写真の木はまだ若く、枝振りはあまり感心できず、ごらんのように開花したばかりで花柄も短く、つぼみが密集しゴテゴテしていて、とても美しい写真になりません。
そのため数枚撮影してすぐに諦めて、さらに散策を続けました。
上の写真、旧御涼亭から遠くに見えた満開の木も、近づいて確認してみればやはり「寒桜」なのでした。
しかも、すでに満開を通り越していて、花は傷み始めていました。

日本庭園の、遠目には美しい満開の寒桜は、そういうわけですから、アップの写真はありません。TAMRON の35mm 単焦点レンズを持っていましたし、離れて撮影した写真はとても美しく撮れています。



撮影場所:新宿御苑
撮影日:2017.02.03
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の2枚の写真も同じ
寒桜は、一方の親が寒緋桜であることは確実とされていて、他方の親はヤマザクラ系の雑種だろう、と考えられているそうです。
記事の冒頭2枚の写真の花の花柄は短いですが、きちんと咲いたときはしっかり伸びてすっきりした姿になるのがふつうらしい。ただ、葉の若芽が同時に伸び始めるので、ソメイヨシノと比較すればやはり幾分ごたついた印象になるようです。


ところで、今年本牧山頂公園で寒緋桜(カンヒザクラ)を撮影したのは2月21日です。寒桜が2月3日に新宿御苑で満開だった、花は傷みが出ていた、ということは、この寒桜の開花がどれほど早かったことか、実感できると思います。
次回の記事は「カンヒザクラ」です。
《参考》熱海の大寒桜(オオカンザクラ)

撮影場所:熱海市内
撮影日:2015.02.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF24-105mm f/4L IS USM 下の写真も同じ
2015年2月27日に撮影した熱海市内の大寒桜(オオカンザクラ)です。
川崎哲也さんの『日本の桜』(山と渓谷社)によると、カンヒザクラとおそらくはオオシマザクラとの交雑種ではないか、と書かれています。
早咲きのオオシマザクラを使って実際に試してみた角田春彦さんという方がいらして、ほとんどオオカンザクラと同じものを得た、とのことだそうです。


撮影場所:本牧山頂公園
撮影日:2017.02.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
例年根岸森林公園の「馬の博物館」のトサミズキを紹介しています。
いつもなら、早くても3月上旬に撮影します。
上の写真は本牧山頂公園のトサミズキ。今年は早いですねぇ。
なお、トサミズキの開花の記事は、昨日までのマンサクの記事の続きを意識しています。
トサミズキはマンサク科トサミズキ属の低木〜小高木です。
カンザクラ、カンヒザクラなどの記事を書きたかったのですが、調べた結果をあれこれ書きたい、とう一方で、確定申告の準備とか、いろいろと忙しくなってきておりまして、本日はブログのほうはちょっと中休みです。

撮影場所:本牧山頂公園
撮影日:2017.02.21
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
写真の花は、「アカバナマンサク」または「ベニバナマンサク」と呼ばれる種類の花に見えます。
本牧山頂公園では、シナマンサクと並んで植えられています。
シナマンサクほどたくさんの葉が残っているわけではありませんが、ちらほらと残った葉が見えました。
しかし、野生種ではなく植えられているものなので、野生種の「アカバナマンサク」のはずはなく、たとえば日本のマンサクと中国の「モリス」とを掛け合わせた、といったような、種間交雑種ではないか、と思われます。
なお、種間交雑種 と日本語でいえばよいものを「インターメディア」ないし「インターメディア系」などという意味の通りにくい言葉がときおり使われているようです

マンサクの記事を少しまとめます。
マンサクには本来のマンサクのほか、「マルバマンサク」、「アテツマンサク」、「シナマンサク」などがあります。
マルバマンサクは北海道から東北地方などの日本海側の野生種なので、神奈川県に住む私には通常は見ることができません。
ところで、マルバマンサクには変種として赤花のものがあり、それが野生種の「アカバナマンサク」または「ベニバナマンサク」と呼ばれているのだそうです。
なお、アテツマンサクというのは、マンサクのうち中国・四国地方(愛媛県)に分布する変種で、萼片も黄色だそうです。これも神奈川県に居住する私には通常見ることができません。

マンサクの語源は「まず咲く」「まんず咲く」などといわれているようですが、これをまともに信じるといろいろとやっかいです
たとえば、ロウバイ、ソシンロウバイ、早咲きの梅などはあきらかにマンサクよりも早く開花します。
私はマンサクが一番早いと信じて、早々と何度も花を捜してしまい、じつはロウバイ、ソシンロウバイよりもずっと遅いということに、昨年ようやく気が付きました。

クイズ:マンサク、シナマンサク、アカバナマンサクなどの花弁はひとつの花につき何枚でしょう?