
撮影場所:根岸森林公園
撮影日:2016.11.18
ハナノキを「葉形 花色でひける 木の名前がわかる事典」(成美堂出版)で調べると、長野県南部、岐阜県東南部、愛知県北部だけに限定して分布する落葉高木です、とあります。
それが根岸森林公園にあります。私は「楽のデジカメ散歩Ⅱ」の楽 さんが神奈川自然公園で撮影された雄花の写真を見たこともあります。
公園というところは、木々の本来の分布も何のそので、本来そこでは育たないはずの樹木が見られたりします。
たとえば、ミズナラは山地、亜高山帯にかけて自生するとされていますが、それがこの暖かい横浜の根岸森林公園にあります。
さすがに昨今の温暖化に絶えきれないのか、10年ほどのあいだに数本が倒れ、残っている木はわずかしかありませんが…。
ハナノキは紅葉が美しく、毎年11月には注目の的。写真は昨日(18日)までに撮影したものですが、今朝は散り始めで、樹下に遠景の赤い絨毯ができていました。

撮影場所:根岸森林公園
撮影日:2016.11.20 下の写真も同じ
ひとつ問題があります。
和名ベニカエデ(アメリカハナノキ)という、よく似た類縁種があるそうです。
上で触れた本には、「ハナノキは黄葉し、ベニカエデは紅葉が美しい」と書かれているので、写真の樹木はもしかするとベニカエデの可能性があると考え、今夕落ち葉を見にいって、葉の形を調べて見ました。
上は典型的なハナノキの葉の形をしています。ベニカエデの葉はハナノキよりもさらに複雑に切れ込みますから、この木はベニカエデではなく、やはりハナノキ。
ところが、このような葉は全体の5%。残り大半は下のような形です。

ちなみに広島県緑化センターのホームページにあるハナノキの落ち葉の形や色は、根岸森林公園の状況とほとんど同じでした。
結局、紅葉または黄葉の仕方とか、葉の形とか、必ずしも図鑑のようにはいかず、地域差,個体差は大きい様子、ということでしょう。