
撮影場所:六本木・国立新美術館前
撮影日:2016.05.30
撮影機器:iPhone6
5月30日、六本木の国立新美術館へ「ISSEI MIYAKE展」を見に出かけた。
三宅一生氏のやってきた仕事の流れ全体を紹介し、さらにここ数年力を入れている仕事については、会場で制作の実演も行われている。
WOWOW で放送されている「プロジェクト・ランウェイ」などの番組や、横浜美術館その他での展示を通じて、私は従来は興味の薄かった服飾デザインの仕事についても、ここ数年とくに関心を深めてきた。
たまたまNHK Eテレの「日曜美術館アートシーン」で紹介されているのを見て、これはおもしろそうだ、と国立新美術館まで出掛けていった。
展示の最初は三宅一生の 70年代〜80年代の仕事についてマネキンとデザインされたさまざまな服が並べられているに過ぎないが、それでも「おお、これは!」と斬新なデザイン、そのコンセプトの流れに驚かされる。
この人の服飾デザインは、素材の研究、開発というところから出発していて、だからこそ楽しくておもしろいのだ、ということがわかってくる。
・1枚の布から作る
・新しい手法のプリーツを採用したデザイン
・昔からある素材で新しい服を作る
・畳んである服の肩紐を持ち上げると、格好いい服になる
というようなことに取り組んでいて、最後の大部屋ではそれらのデザインの成果が一堂に会し、プリーツ・マシーンを持ち込んだ服作りの実演などが行われている。
横に引き伸ばしたTシャツのような服を、その一部をスタッフが特殊な折り方で折りたたんでマシンに通すと、格好いいプリーツのチュニックが出来上がったりする。この実演は大勢の観客を集めていた。
しかし、ここでは下のパンフレットにある服について紹介する。

右下の四角は、じつはドレスが折りたたまれている。飛び出した肩紐が見えているが、この肩紐の部分を持ち上げていくと、あら不思議。マネキンがきているような斬新なデザインのドレスに変身する。このようなコンセプトの服が何種類か並べられている。
ぼくは最初「ばかな…? こんなややこしい服,しまうときはどうするのだ?!」と思った。
会場脇にビデオマシンと、実物の4分の1くらいの大きさのマネキンと、それに合わせた4分の1のサイズの服(写真右下の四角く折りたたんだ服)が置いてある。
子供用に踏み台まであって、たととえ子どもでも、ビデオをみなから肩紐を持ち上げるとマネキンに着付けすることができる。たたみ方のビデオまでちゃんとある。
台の上に真っ直ぐ下ろしていけば自然に畳まれるのだ。四方をちょっと補助して向きを整えてやれば、元通り四角く折りたためる。
デザインの仕事の展示だから、理解するには見ていただくしかない。リーフレットの各ページをすべて紹介するわけにはいかないので、国立新美術館のホームページなどを覗いていただくとよいと思う。
服飾デザインは現代の最先端のアートだとぼくは思っている。
写真ブログを運営されているみなさんは、写真を撮るときにそれぞれ見映えをよくしようと工夫されているはずだ。その気持ちこそがアートの基本だ。「服飾デザインなんか自分には関係がない」ということは決してないのである。