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フレンチタイプのチェンバロの豊かな響き 2016.05.29 -- 1

2016.05.29(19:45)

160527 みなとみらい小ホールから見たパシフィコ横浜

 撮影場所:横浜みなとみらいホール5階小ホールより
 撮影日:2016.05.27 18:45頃
 撮影機器:iPhone6

 写真は横浜みなみとらいホール5階の小ホール入り口の窓からパシフィコ横浜方面を撮影している。
 5月27日夕刻は7時から「横浜バロック室内合奏団第78回演奏会」で、わが家は夫婦とも今年も会員になっている。ただ、この晩は同伴者は次女だった。まだ孫二人が家にいるからである。
 下の写真は演奏15分前のホールの様子。いつもと違うチェンバロに、私は目を惹かれた。


160527 横浜バロックのフレンチ・チェンバロ

 撮影場所:横浜みなとみらいホール5階小ホール内
 撮影日:2016.05.27 18:45頃
 撮影機器:iPhone6

 チェンバロにはフレンチ・タイプというものがあるらしい。
 「ムジカ・アンティカ湘南」のサイトの説明によると、「チェンバロのさまざまなスタイルの中でもっとも汎用性に富むモデル」だそうだ。通常は、装飾様式に富み、豊富なバリエーションがあり、ギャラリーの写真数もこのタイプが一番多い、という。つまり華麗な装飾のチェンバロが多い、ということだろう。
 しかし、当夜に使われたチェンバロには一切の装飾がない。小笠原さんの説明によると、通常はイタリアのクレモナ(Cremona、ストラディバリで有名)でヴァイオリンに使われる材を用いて作られており、今回のチェンバロは制作者のこだわりで、フレンチ・タイプにもかかわらず敢えて装飾を廃した、ということらしい。
 制作者は島口孝仁(1956年生まれ。埼玉県東松山市に工房がある)さんという方で、弦を弾く爪に鳥の羽根を使っているほどのこだわり方だという。
 吉見伊代さんがプログラムにはないにもかかわらず、最初に短い独奏曲を弾いてチェンバロの音だけを響かせてくれたが、華麗な音色で、かつ豊かな響きのチェンバロだった。


《横浜バロック室内合奏団第78回定期演奏会》

 バッハの「ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調」をチェンバロ用に編曲したチェンバロ協奏曲がプログラムの第一曲だった。じつは少し心配したのだが、違和感はまったくなく、十分楽しめた。どうやらバッハ自身がチェンバロに編曲して、チェンバロ協奏曲第7番としたということらしい。いつもの小さなチェンバロだと、弦楽合奏が音をやや控え気味に演奏するのだが、今回はそういう配慮なしに演奏されても十分に楽しめた。
 プログラムの2番目はバッハの「結婚カンタータ」。歌うのはソプラノの緒方麻紀さん。彼女はまだ若いのだが、昨年の定期演奏会で「夜の女王のアリア」をアンコールで歌い、観客の大喝采を受けている。今回はバッハの世俗カンタータだが、私はいままでたぶん聴いたことがない。弦楽合奏にオーボエの独奏が入るという変わった編成で歌う曲だ。
 歌詞の翻訳が付いてくるが。さらりと読んでみて興味を失う。ほとんどどうでもよいような内容だ。アリアとレチタティーヴォが交互に並び、アリアは同じ旋律と歌詞の繰り返しで唱い上げる。比較的親しみやすく感じる曲だった。

 後半の第一曲はヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー弦楽合奏曲で「フェンシング指南」という副題が付いている。
 オーストリア人でウイーンの宮廷で初めて楽長になった人だそうだが、まったく知らないし名前すら聞いたことがない。
 結局宮廷舞曲風の親しみやすい曲だったが、まあ、どうということはなかった。
 最後の曲はよく知られたバッハの「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」。これは私が好きな曲で、とくに華やかな第1楽章と美しい旋律の第2楽章が気に入っている。
 プログラム最後の曲を楽しみながら、とくにここ半月の日頃の疲れが癒され、元気が甦ってくるのを感じていた。

 ソプラノの緒方さんにどういうアンコールを用意しているかと思ったが、昨年好評を博したモーツァルトのモテト「踊れ喜べ幸いなる魂よ」からもっとも有名な第3楽章「アレルヤ」だった。昨年はプログラムがこのモテトでアンコールが「夜の女王のアリア」だったのだ。
 緒方麻紀さんは生まれ持った声の質と声量に恵まれ、彼女の唱うのを聴いた聴衆は誰もが今後の活躍に大いに期待していると思う。

2016年05月29日

  1. フレンチタイプのチェンバロの豊かな響き 2016.05.29 -- 1(05/29)