【舞姫】

撮影場所:横浜イングリッシュガーデン
撮影日:2016.04.06
これまで紹介してきたサクラの品種のうち、「アーコレード」と「舞姫」は、山と渓谷社の「日本の桜」に掲載されていません。
「日本の桜」は1993年の出版であり、「舞姫」は2012年に量産開始、おそらく「アーコレード」も93年以降に知られるようになった桜なのでしょう。
「舞姫」ははなやかな花なのですが、この手の淡い色合いの桜は、曇天の空では引き立たず、写真もきれいに撮れません。写真もサンプルとして一枚だけとさせていただきます。
この「舞姫」、ほぼ失敗写真ばかりの「八重紅枝垂れ」、三輪しか咲いていなかった「陽光」、やはり数の少なかった「天の川」「菊枝垂れ」などについてはまた来年に譲ることにして、本年の桜の品種調べの最後は4月22日に撮影した「須磨浦普賢象」です。
【須磨浦普賢象】

撮影場所:横浜イングリッシュガーデン
撮影日:2016.04.22 以下同じ
イングリッシュガーデンの桜が植えられているのとはまったく別のセクションの端っこでいきなり出会いまして、「え? なんだ? これは桜なのか?」とカメラを向けつつ、名札を捜しました。
正直に言いまして、私の感覚ではこの状態のこの花はとうてい美しい桜とは言いがたく、でも見つけた名札で「普賢象」っていうのは確か有名だった。なぜこんな花が…、という印象でした。

あとで調べてみると、「咲き始めは赤味が強く、時間が経つにつれ白くなっていく。最後は中心部からまた紅くなる」という記述をどこかで見まして、4月29日に再訪しましたが、どうやら遅すぎたらしく、ほとんど散っていました。
「日本の桜」に掲載されている「普賢象」はたいへんきれいな八重桜なので、とても悔しいというのが本音です。
葉化した日本の雄しべが突き出ている様子から「普賢菩薩」に付きものの「普賢象」と名付けられたそうですが、この咲き方ではさっぱりわかりません。

また、ネットで調べると「本種 須磨浦普賢象 は、1990年神戸市須磨浦公園内のフケンゾウの中から発見された品種です。現在、日本花の会結城農場で栽培されています。フケンゾウの枝変わりで最初花色は淡黄緑色ですが散り際、赤くなってきます」とあります。
それならば、逆に、最初に撮影した22日でも遅すぎたということなのでしょう。最初はウコンのような色、ということのようで、開花が進んで赤みが混じり、きれいでなくなったところを撮影した、ということのようです。
というわけで、これも「また、来年」に期待しましょう。
反省点:桜は開花後の色変化がとても激しい。ソメイヨシノやオオシマザクラでさえ色変化する。
新しい品種を知るためには、2日おきくらいに通わないと変化の様子はわからない。
今年は長女の出産で孫の世話をしなければならない、などのハンディのほか、天候もきわめて不順でしたので、来年はまた頑張りたい、と思います。
なお、本日はこの記事の前に「今日の庭のバラ(5月4日)」という記事があります。
写真は、すべて自宅庭で5月4日に撮影したものです。
夜半からの激しい風と雨にもかかわらず、バラは次々と咲いています。
【サー・ポール・スミス】

「サー・ポール・スミス」は英国王立バラ協会の会長を務めたこともある育種家ピーター・ビールズ氏の娘さんアマンダ・ビールズさんが2006年に作出したバラ。ファッションデザイナーのポール・スミス氏の妻が、夫のために命名したとのことです。

クライミング・ローズなので、古い屋敷側の玄関のポールに巻き付かせるように仕立てています。
【ウィンチェスター・カセドラル】

「ウィンチェスター・カセドラル」(Winchester Cathedral)は英国のデヴィッド・オースチン社のバラ。
強健で育てやすくどのようにも仕立てられるとされています。香りもよいバラです。

【バフ・ビューティ】

バフ・ビューティ(Buff Beauty)は英国のバラで、Hybrid Musk として知られています。1939年 John A.Bentall夫妻作出。
musky fragrance といって、ネパールやヒマラヤ周辺に生息する小柄なジャコウジカから採取される香料に類似したほのかな香りがします。
ハイブリッドムスク・ローズは20世紀に入ってから交配・確立した系統の一群で、英国のブリーダーがつくり出し、「バレリーナ」などの品種が有名です。「バフ・ビューティ」の花や枝葉は現代のバラに近い印象があります。
シュラブ仕立てに向いたバラです。
同じアプリコット系の色でも、パット・オースチンほど輝かしい色ではなく、落ち着いた気品があります。
【ファンタン・ラトゥール】

フランスにはジョルジュ・ド・ラトゥールという画家と、ファンタン・ラトゥールという画家と、2名の著名な画家がいます。
アンリ・ファンタン=ラトゥール(Fantin Latour)は 19世紀のサロンで人気を博した画家。静物画、肖像画などが得意で、とくにバラの絵に定評がありました。
このバラは成長力が強く、どんどん大きく拡がるつるバラです。パーゴラへ誘引したほうではなく、一部を擁壁側に誘引したほうが早く開花しました。
作出者不明のオールド・ローズです。
Centifolia (ケンティフォリアまたはセンティフォリア)といって、オールド・ローズ系の香料バラの一種として知られています。
【センチメンタル】

紅白絞りの鮮やかな花を咲かせる品種はいくつかありますが、たぶん「センチメンタル」で間違いないだろうと思います。
1997年に作出された USAのバラです。四季咲きで次から次へと花を付けます。
フロリバンダ系のバラです。
【パット・オースチン】

花の名称は英国の育種家 David Austin の奥さんの名前にちなんで名付けられました。わが家では大型の鉢に入れてシュラブ仕立てで育てています。
陽射しに輝く姿はすばらしいですが、一方で日本の強い陽射しには弱く、午前中に楽しむ花といったイメージです。しかしたいへん強健で、次々と咲いてくれます。
英国のデヴィッド・オースチン社が1995年に作出したバラで、数あるイングリッシュ・ローズの中でもとてもよく知られています。

5月4日の朝は一度に5輪ほど開花しています。
勢いがあります。
【ソフィーズ・パーペチュアル】

花数が増えてきました。
【月光】

詳しくは大きく開花したときに…。