【ウォラトン・オールドホール】

撮影場所:自宅庭
撮影日:2016.05.16
「ウォラトン・オールド・ホール」(Wollerton Old Hall)もまた、David Austin社のバラだ。
たとえば「ジュード・ジ・オブスキュア」もそうだし、アプリコット系のこの種のバラが、わが家にはどうも多いように思うが、かみさんは香りを重視して買っているのかも知れない。
同社の説明によると「イングリッシュローズの中でも最も香り高い品種のひとつで、はっきりとしたミルラの強香です。赤いストライプの入るふっくらとしたつぼみは、開くにつれてコクのあるバターイエローから、徐々にやわらかなクリーム色へと変化します。花が完全に開いても丸みのあるゴブレット型がくずれにくく、株元からたくさんのシュートが出て、丈夫によく茂ります。比較的まっすぐ伸び、トゲが少ないのも特長です。濃厚な香りを楽しみやすい場所に植えると良いでしょう。「ウォラトン・オールド・ホール」とは、シュロップシャー州にある美しいプライベートガーデンで、16世紀の建物を囲むように、イングリッシュローズがたくさん植えられています」とある。
「ミルラの香り」というのは、どうも没薬(もつやく)のことらしい。Wilipediaによると「ムクロジ目カンラン科コンミフォラ属(ミルラノキ属)の各種樹木から分泌される、赤褐色の植物性ゴム樹脂のことである。 外国語の転写からミルラ(あるいはミル、Myrrh)とも呼ばれる」とある。
実際に嗅いだことがない限り、「こういう香り」というのは説明が難しいだろう。
【ジェントル・ハーマイオニー】

撮影場所:自宅庭
撮影日:2016.05.16
「ジェントル・ハーマイオニー」(Gentle Hermione)もまた、David Austin社のバラだ。
同社の説明によると「典型的なオールドローズの特徴を持つ、完璧に整った花姿の品種です。ふっくらとしたチャーミングなつぼみは、開くに連れて完ぺきにアレンジされた花びらのシャローカップ咲きへと変化します。透きとおるようなピンクの花は雨にも打たれ強く、外側になるほど淡い色合いへと変化していきます。病気に強く、弓なりの枝を持つバランスの取れた中丈のシュラブになります。ミルラを思わせる典型的なあたたかみのあるオールドローズの濃厚な香りです。ハーマイオニーはシェークスピアの「冬物語」に登場するリオンディーズ王の献身的な妻の名から付けられました」とある。
「シャローカップ咲き」というのは、カップ咲きの中でもカップが浅い、ということだ。
何枚も写真を出して、あちらがディープカップ咲き、こちらがシャローカップ咲きと例をたくさん知れば、ああ、こんな咲き方、とわかってくる。そんな程度の話だが、バラの世界ではこんなふうにしてコミュニケーションを図るのが習慣になっているようだ。
【ウィリアム・シェイクスピア2000】

撮影場所:自宅庭
撮影日:2016.05.15
「ウィリアム・シェイクスピア2000」(William Shakespeare 2000)もまた、David Austin社のバラだ。
同社の説明によると「ベルベットのような深みのあるクリムゾン色から、味わいのあるパープルへと変化する、気品に満ちた花を咲かせる品種です。咲き初めはディープカップ咲きですが、あっという間にシャローカップのクウォーター咲きになります。温かみのある濃厚なオールドローズの香りは、意外と見つけるのが難しいと言われる深紅のバラそのものの香りです。乾燥気味の気候でよく育つ傾向があります」とある。
David Austin社 はストラットフォード・アポン・エイボンにあるシェイクスピアの生家にこのバラを植樹したそうだ。
上の説明で、咲き始めはディープカップでシャローカップのクウォーター咲きに変化するとある。この変化がまたバラのおもしろいところなのだ。なおクウォーター咲きというのは、花の中央が4つに分かれたような(あるいは4方向に引っ張られたような)開き方をする咲き方をいう。
なお、「クリムゾン色」というのはマゼンタとレッドの中間の色だ。染料はコチニールという虫の雌を乾燥させたものから採取される。
【ハンス・ゲーネヴァイン】

「ハンス・ゲーネバイン」(Hans Gonewein)は2009年ドイツ・タンタウ社作出のバラだ。2005年バーデンバーデン金賞受賞だそうだ。年号がおかしいなどと言ってはいけない。
大概の場合、どこかへ出品してお墨付きの賞をもらい、それから名前が決まり、登録が行われたりしているようだ。
フロリバンダなので、すでに小さなつぼみをふたつ伴っている。
【ジョージ・ベスト】

撮影場所:自宅庭
撮影日:2016.05.15

撮影場所:自宅庭
撮影日:2016.05.16
「ジョージ・ベスト」はベルファスト出身の元サッカー選手。北アイルランド代表。ポジションはフォワード(ウイング)。マンチェスター・ユナイテッドにおいてボビー・チャールトン、デニス・ロー等とともに「聖なる三位一体(ホーリー・トリニティ)」あるいは「黄金のトリオ」と呼ばれて1960年代に一時代を築いたとのこと。
このバラはジョージ・ベストに因んで名付けられた、と思われる。
英国・ディクソン社のバラ。

撮影場所:自宅庭
撮影日:2016.05.16
「ダフネ」は育種家・木村卓功さんが立ち上げた「ロサ・オリエンテス」ブランドの和バラです。
わが家では咲きかけたときにスキップが鉢を倒したとかで、一部は切り花にせざるを得ませんでしたが、残った花はきれいに咲きました。
「ダフネ」といっても、ヒッチコックの「鳥」の原作を書いたダフネ・デュ・モーリアの名前ではなくて、ギリシャ神話のよく知られたニンフ(神の娘)の名前をもらったものです。
下の写真で、アポロンに迫られて逃げようとしているのがダフネです。

撮影場所:ローマ・ボルゲーゼ美術館
撮影日:2015.09.04 下の写真も同じ
その物語というのは…
『太陽神アポロンはエロス(クピド)が弓矢で遊んでいるのを見てからかいました。子どもがそんなものをおもちゃにしてはいけないと。
ご存じのようにエロスは少年の姿に描かれることが多いですが、恋心と性愛をつかさどる神なのです。
腹を立てたエロスは金の矢をアポロンに向かって放つと同時に、鉛の矢をニンフ(神の娘)のダフネに射ました。金の矢は当たった者を恋に陥らせる矢ですが、鉛の矢は当たった者は何がなんでも恋を拒むようになるのです。
矢が当たったときから、アポロンはダフネに恋をし、ダフネはアポロンを拒否するようになってしまいました』
ローマのバロック期の彫刻家ベルニーニは、アポロンがダフネを追いかけ、追いすがったそのとき、ダフネが父の河の神に祈り、自らを月桂樹に変えるその瞬間を捉えています。
アポロンはさほど驚いたような顔に見えませんが、彼にはまだ見えていないのかも知れません。
アポロンに見えていないところでは、ダフネの姿はどんどん月桂樹に変わっていこうとしています。そこは彫刻ですから、ぐるりとまわっていけば「あ、なるほど…」とわかります。

バラの写真は5月16日の庭で、ベルニーニの彫刻の写真は昨年9月4日にローマのボルゲーゼ美術館で撮影したものです。

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日時:2016.04.15 下の写真も同じ
「オキナグサ」は本来山野草だが、ブルティラの洋名で「ヤサシイエンゲイ」に記事があるくらいだから、いまは園芸種としても育てられているらしい。
「セイヨウオキナグサ」の写真を見ると、鮮やかな紫色で、上を向いて咲いている。
本来は開花時はこのようにうなだれ、時間が経つと上向きに変化するとあり、ネットにもシベの状態がよく見える写真がたくさんあるが、気が付いてとりあえず撮影したときは、そのようなことは何も知らなかった。


撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日時:2016.04.30 以下同じ
「オキナグサ」の名は3枚の種子の写真のうち、上の写真右下のように白い綿毛が付いている様子を老人の頭にたとえたものらしい。
開花時の写真は4月15日、種子の写真は4月30日で、どちらも気が付いてよかった、と思う。

キンポウゲ科オキナグサ属だそうだ。
当ブログでは初登場だ。
Wikipedia によると、「かつて多く自生していた草地は、農業に関わる手入れにより維持されていた面があり、草刈などの維持管理がなされくなり荒廃したこと、開発が進んだこと、それに山野草としての栽培を目的とした採取により、各地で激減している」とある。
日光にお住まいの方のブログでは、毎年群生の様子を拝見している。

今ごろ4月の写真を掲載している理由はみっつある。
・長女の出産でまだ5月いっぱいは外出が困難なこと。
・庭のバラが5月いっぱいは最盛期を迎えていること。
・4月に撮影した写真で未掲載のものが多数残っていること。
というわけで、時季遅れではあるが、当ブログ初登場のものも多い。すくなくとも初めて観察できたという植物があるあいだは、時季遅れでも掲載していくつもりだ。
写真はいずれも5月13日(昨日)か14日(今日)に撮影したものです。
【北東花壇のバラたち】

手前のアプリコット色のバラは不明種。左遠めの黄色は「グラハム・トーマス」。右側たくさんの白い花は「ホワイト・メイディランド」です。
「ホワイト・メイディランド」はやや小さめの白い花が数多く、低めに花を付ける性質があり、花壇の様子を整える(空白を埋める)修景バラとして使われます。
【ホワイト・メイディランド】


【ジョージ・ベスト】

「ジョージ・ベスト」はこれが今春の初登場。
【ピルグリム】

「ピルグリム」はこれが今春の初登場。
【ジェントル・ハーマイオニー】

「ジェントル・ハーマイオニー」はこれが今春の初登場。
上は5月13日撮影、下は5月14日撮影です。

【ピエール・ド・ロンサール】

上は5月13日、下は14日の撮影です。

義母を連れて義弟夫婦が本日来訪。
義妹が「ほかで見ているピエール・ド・ロンサールよりずっと大きい」と驚いていました。
【アルテミス】

ウッドデッキに絡ませています。大きく成長しています。
【月光】

【アイスバーグ】

【バター・スコッチ】

5月13日、フェンスの内側でも咲き始めました。
下は隣接の駐車場側、5月14日の撮影です。

5月に入ってからは、13日に1時間半ほど横浜イングリッシュガーデンを散策した以外は、わが家の庭の花々の撮影しかしていません。
長女の赤ん坊(侑矢)と第一子隼士 の世話、スキップの散歩、草むしりなどで手一杯。放送大学の視聴などはすべて中断したままとなっています。なんとか空けた時間は終わってしまいそうな美術展を見にいったりしていますが、途中中断して早めに帰宅したり、落ち着きません。

撮影場所:自宅庭
撮影日:2016.05.13 以下同じ
「宇部小町」は淡いピンクの八重咲きの小さなバラです。
これはかみさんとバラのショウか何かを見にいって、二人で気に入りましたが販売していませんでした。あとでかみさんがネットで捜して注文しました。
1997年に原田一雄さんという方が作出されたミニチュアのバラです。

わが家では鉢植えにしていますが、地植えにすると横へ張るように伸び、6mに達して見事だそうです。でも、そんな場所はちょっと作りようがありません。

これらの写真は、昨日は陽射しが強すぎてきれいに撮れなかったので、本日は気合いを入れて撮影しなおしました。

【クイーン・エリサベス】

「クイーン・エリザベス」はこのように下から太い幹が伸張し、どんどん伸びます。
陽当たりのよいわが家では放っておくと花がみんな上のほうで咲いてしまい、下から見上げるしかなくなるので、強く剪定しますがそれでも伸びる。
父から引き継いだとき、最初はハイブリッド・ティーローズかと思いましたが、フロリバンダのように花が房咲きになるという性質があります。大輪で房咲き、実際には微妙に開花の時期を自らズラしているように感じます。

英国のバラではなくて、1954年に米国の Dr. Walter E. Lammerts によって作出されたバラです。戴冠したばかりのエリザベス2世に捧げられて名付けられたそうです。
米国はこの性質のために「グランディフローラ」という新系統を打ち立てようとしたところ、欧州勢の大反対に遭ったという曰く付きのバラです。
…というくらいですから、じつに強健。比較的遅咲きですが、咲き始めればもう放っておいても大丈夫です。
1979年にいわゆる「殿堂入り」を果たしたバラです。

2、3年前「横浜市こども植物園」でバラの系統についての詳細な展示があり、そのときに「クイーン・エリサベス」がじつはいろいろと曰く付きのバラなのだ、と知ることができました。バラの世界にも、国際的な主導権争いのようなものが存在しているようです。
【ヤマブキ】

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2016.04.08 以下同じ
ヤマブキの写真は本来4月上旬に掲載すべきところ、いままで握り込んでいたのは、これは「ほかに載せるべき花がたくさん合ったから…」ではありません。
私はどうもこのヤマブキの撮影が苦手で「どうせうまく撮れてはいないだろう」という投げやりな意識があって、写真をチェックすらしていなかったのです。
だいたいが、黄色い花に黄色いシベなので、雄しべが黄色の色の中に埋没してしまい、何が何だかわからない写真になりがちです。フォーカスもズレてしまいがち。
そこをはっきり写そうとすると、色が本来のヤマブキとは変わってしまいます。
さすがに1ヶ月も経ってしまうと放っておけなくなり、そろそろ整理しなくては…、という気になりました。
結果は…、まあ昨年までよりはよく撮れたかな、というところです。



【シロヤマブキ】

撮影場所:横浜市こども植物園
撮影日:2016.04.15 以下同じ
横浜市こども植物園の向かいの児童遊園地の道路との境界付近に咲いていたこの白い花は、たぶんシロヤマブキでよいのでしょうね。
ヤマブキと違ってこちらは4弁花(花弁は4枚)。花の雰囲気、咲く時季、葉の様子などよく似ています。
ヤマブキはバラ科ヤマブキ属。シロヤマブキはバラ科シロヤマブキ属で、別属として分類されています。

今晩はこの記事の前に「今日の庭のバラ(5月12日)」があります。
写真はすべて5月12日朝の撮影です。
陽射しが強すぎて、たいへん撮影しにくい朝でした。
【バター・スコッチ】

【宇部小町】

小さい花が数多く咲きます。
全体像を撮ったのですが、花だけが光ってしまい失敗でした。
いずれまた、別の日に。
【アルテミス】

ウッドデッキのバラは、先にこのアルテミスが咲いて、ビンクのナエマはまだまだこれからです。