
ハマユウは浜木綿と書く。ハマオモトともいうらしい。
暖かい地方の海岸の砂地の植物で、神奈川県では逗子近くの天神島が自生の北限とされている。横浜のわが家はもう少し北になる。
写真は7月10日、わが家の庭で撮影した。

祖父が葉山町の出なので、海浜の植物をわが家に持ち込んだのかも知れない。いろいろと神経質で栽培は難しいらしいが、なぜかわが家が気に入っているらしい。埋め立て前の根岸の海岸はわが家からかなり近いので、海岸近くの気候ということでは、天神島付近とあまり違わないのかも知れない。

たくさんの実がなり、倒れて転がり、実をこぼし、それが縁の下近くで成長したりするので、困っている。
大きいのは3株あって、今年の春は、縁の下にぶつかっている株を掘り起こして移動させるのにずいぶんと手間がかかった。無事再生するかどうかはまだ判然としない。

長い年月を掛けて大きく育つので、ずっとわが家で育ってきた株は見栄えがよい。スイセン、ヒガンバナなんぞに近い種類だといえば、見た目で納得してもらえるかも知れない。

夜のあいだに開花するので、朝になって庭へ出てびっくりする。7〜8月は花が少なくなる時期なので、夏の庭の花として楽しんでいる。
最後の写真は7月12日撮影。
【火薬を操るアーティスト 蔡國強】

日経新聞の7月15日の夕刊で中国のアーティスト 蔡國強 さんのアートを五段記事のカラー版で紹介していた。
横浜美術館で蔡國強展を開催中なので、じつは14日に見てきたばかりだ。
壁画といってよい大きさの作品が、広い展示室の壁いっぱいに展示されているのだが、陶板の「春・夏・秋・冬」など日本人の感性にもよく訴えてくるところがあり、いいなあ、と見ていたら、制作場面のビデオがあって、これにもう一度びっくりさせられた。
展示作品はどれも、展示入れ替え期間中に横浜美術館の一階大ホールで制作されたものなのだ。
ホールの床に並べた下絵、真っ白な陶板などの原作品の上に、型紙などを使いながら火薬を撒き散らし、火を付けるのだ。火薬は弾けて火を噴き、美術館のホールが火と煙で充満する。ビデオを見ると、ふだん並んでいるダリなどの彫刻作品にはカバーが被せられている。
数多くのアシスタントが手伝っているが、美大の学生たち、といった様子だ。
火が広がって、「消して、消して」などと蔡國強さんが指示する声が飛んだりする(笑)
制作者の腕前をよほど信じていなければ、公共の美術館としてはとても許せない制作方法なのではないか。
彼がやっていることの意味はよくわかる。アートには「偶然」の要素が適度に混じっていることが大切なのだ。それが結局は「よい味わい」に繋がっていくのだから。
そのあと続けて別のビデオを見ていくと、北京のオリンビックで花火イヴェントを引き受けたのがこの蔡國強さんであり、「火薬を操るアーティスト」として世界的に知られた人なのだった。
日本にも長く住んでいたことがあり、日本語はかなり上手。日本的な感性をよく理解している一方で、華々しいイヴェントで俗受けする面も備えていて、アーティストとしても、イヴェントのプロデューサーとしても「たいへんうまくやっている人」なのだった。

マツヨイグサの仲間はオオマツヨイグサとメマツヨイグサがあるそうだが、根岸森林公園のような住宅地の中の公園では、出てきても一度に1種類だけなので、比較することができない。
過去にマツヨイグサの仲間が出てきたとき、オオマツヨイグサでもなくメマツヨイグサでもないと思われ、悩んでいたところ、コマツヨイグサかも知れない、と詳しい方に教わったが、今年根岸森林公園の梅林の横の丘で群生しているこれはいったい、どの種類であろうか。
これまでよりはもっとも大型だ。いままでこれほどの数が一度に出現したことがなく、「やはり、撮って記録しておこう」と朝早く公園へ行った。

ご存じと思うが、マツヨイグサの仲間は日が昇ると閉じてしまう。朝6時半頃の撮影でも、背丈のある個体は半分以上が閉じ加減で、多少背丈の低い個体で花の開いているものを探して撮らなければならなかった。


立ち姿は下のようになってきているものもある。

葉を撮した写真がないか、と捜した。
一枚見つかったのが下の写真だ。

背丈の高い、花が閉じかけたものの多い個体群は葉が細い。多少の鋸歯はあるようだ。
これらはオオマツヨイグサなのだろうか。

あれぇ? なんだか雰囲気が違うぞ、という写真が出てきた。
そもそも、ホワイト・バランスがこれまでの写真とかなり違うが、それは朝日の当たり方が違うからだ。
しっかり大きく開いた花を捜していくと、中にかなり背の低い個体があって、花をアップで撮りやすく感じた。
「しめた、撮れるぞ! 」とよろこんだ。ぼくはただ「背丈が低く日が当たりにくいから閉じずに開いている。その理由は個体差だ」と思い込んでいた。
しかし、よく見れば、葉がずいぶん違うではないか !

葉は幅が広く、深い切れ込みがある。あるサイトには、深い切れ込みのある葉は「コマツヨイグサ」の特徴だ、と書いてある。
あれあれ…、もしかして2種類のマツヨイグサの仲間が咲いていたのか。事前に調べないで、記事を書くときになって調べるからこういうことになる。しまったあ!
また来年…、なんて言っていると、この公園では気まぐれに草刈りが入るから、来年はマツヨイグサをひとつも見られない、ということもありうるのだ。
【6月4日】

自宅庭のヒメイワダレソウ。咲き始めは水分が多く、土の軟らかい、ヤマボウシの木の根元付近。
庭の中央の、枕木と枕木のあいだの砂利のところに植えてあるのですが、こんなふうにはみ出して、勝手に範囲を広げています。
【6月16日】

これが本来植えた場所。
はみ出さぬようカットしても、ちょっと目を離すとこのように枕木の上を伝い始めます。
基本的には頻繁に踏み付けていると、小さく背の低い花が咲き、少しでも影ができて、あまりいじめないでいると、どんどん伸びてきます。
【7月2日 】(雨の日)

こちら側の一画にはかみさんがピンクのヒメイワダレソウを植えました。
こちらのほうが品種的には少し大きめで、成長も早い。暴れやすい花です。

枕木の上へはみ出してきたのを、結構何回も花ばさみでカットしているのです。そうしないと気が付いたときはとてもだらしなくなっています。
この写真を撮ったあと、かなり徹底してはみ出し分をカットしましたが、雨が続き、現在また同じようになってきています。

事の始まりはこの写真でした。2013年6月29日の三渓園で撮影した写真です。
「これはナンキンハゼの花。はじめて見つけたぞ、憶えたぞ、わーい」とはしゃいでおりました。
黄色い雄蕊のように見えるのは、じつは雄花のつぼみでして、この花はほとんどまだ開いておりません。

こちらは同日の別の花序。いくつか置きにつぼみが伸びて開花しかけているのがわかります。
じつはこれは雄花序でして、雌花は見当たりません。
こちらは同日の別の花序。いくつか置きにつぼみが伸びて開花しかけているのがわかります。
じつはこれは雄花序でして、雌花は見当たりません。
最近、樂 さんの「楽のデジカメ散歩」というブログで「雌花」を見ました。
雄花序の付け根のところに雌花が開いている写真でした。雄花はつぼみでした。
しかし、2枚目のぼくの写真のどこを捜しても、雌花の気配すらありません。
ナンキンハゼには「雄花が先、雌花が後」のものと、「雌花が先、雄花が後」のものがあるとか…。どっちが先でもいいけれど、ぼくの写真には「雌花の気配すらないのはどういうわけか?」
そこでご注目。2枚目の写真の雄花の付け根(右側)に「穂のような、あるいはこれから伸びる芽のようなもの」が見えているではありませんか。

上は2015年6月20日の三渓園、ナンキンハゼです。
この写真でも、左の付け根のほうの上に小さな「これから伸びる芽のようなもの」が見えています。
それがこの後どうなるのかがわかりました。
下の2015年7月13日本牧山頂公園のナンキンハゼをご覧ください。

雄花序はもう終わって、茶色く変色し、その付け根から「新しい花序」が伸び、その付け根に「雌花」が咲いています。
これが「雌雄どちらの花も咲く花序」なのか「雌花序」なのかがどうも判別つきません。

雌花に近寄って見ています。
雌しべの付け根ではもう子房が膨らみ始めているようです。

上は雌花だけが咲いている小さな花序がふたつ並んでいるように見えますが、古い雄花序が落ちた痕が見えています。
この花序はこれから上のほうで雄花が咲くのでしょうか。
だとすると、木全体では、雄花序に雄花だけが咲き、そのあと伸びた花序に初めは雌花だけが咲いて、その次に雄花がまた咲く、のでしょうか。そんなの変じゃない?!
あるいは、これは雌花だけの雌花序なのでしょうか。
これからの暑い時季、確認のためにそう何度も本牧山頂公園へ通うわけにはいきません。ぼくはいま忙しいのです。
ナンキンハゼはトウダイグサ科だそうで、どうもこのトウダイグサ科というのは妙な植物が多いようです。

2010年4月にムベの花を本牧山頂公園で見つけてから、5年間通いましたが、実を見つけられないでいました。
2015年7月13日、あっけなく見つけやすいところにありました。
「ほんとうにこれはムベの実だろうか」と茎を辿り、葉を確認しました。間違いありません。
これって毛はありませんが、キウイの小さい実に似ているように感じます。ひとつもぎ取り、家へ持って帰って縦半分にしてみたい、食べてみたい、と思いましたが、まだ熟れていないし、公園の花や実を採取するのは社会規範に反しますので、やりません。
ネットで確認すると、縦スライスした様子は、キウイの中味にそっくり。食べられるそうです。
近江八幡市では地域の特産品だそうです。
天智天皇が老夫婦に長寿の理由を尋ね、「この実を食べているから」との応えに「むべなるかな…」と笑ったなどの伝説もありますが、ここでは詳細は書きません。
「無病長寿の霊果」と言われていたようです。
〈2012年4月18日の花〉

2012年4月に撮影した花の全体像です。この頃は Olympus のカメラです。
こんなにたくさんの花が咲いているのに、どうして実がなかなか見つからなかったのか。
ネットで検索してみると、いろいろと結実しない理由を書いているサイトが見つかりますので、たとえばテイカカズラのように、結実がもともとむずかしい、のかも知れません。

上は雌花です。雌ずいが3本あるので、ぼくも最初は雄花と雌花を逆だと思っていました。
【見つかった実は全部で四つ】

近くの葉をめくって捜しました。
トップの写真、上の写真のほかにふたつ、合計4個の実を見つけました。
いままでの苦労はなんだったのか…。
(予告)明晩は「ナンキンハゼの謎」という記事を準備中です。
【コオニユリ】(横浜市こども植物園)

7月11日の横浜市こども植物園の崖際です。
やや小振りだし、むかごが見えないし、たぶん「コオニユリだろう」と。

しかし、むかごの有無だけを判断基準とするのはかなり危険です。
というのは、下の、わが家の庭のオニユリなのですが…。
【オニユリ】(7月10日)

上のオニユリは7月9日、雨の日に開花しました。
翌10日によく晴れたので撮影しましたが、この時点でむかごはひとつもありません。
【オニユリのムカゴ】

上は12日に別の株のムカゴを撮影したものですが、ずっと観察していると、オニユリは開花よりもずっと前からたくさんのむかごを付けていて、風や雨などで落下していき、開花したときにむかごがほとんど残っていない、ということがあり得るのです。
【オニユリ】(7月10日)

オニユリの濃くてきつい色彩の、このような配色は、ぼくは基本的には苦手なのですが、いままで数回見つけたコオニユリは、「可愛い」という印象があります。配色がどぎつくなく、オニユリよりも少し花が小さいと感じました。
【オニユリ】(7月11日)

翌11日、庭のオニユリは開花が進みました。
じつは、これから開花しそうなこのような株が庭の各所に広がっています。
草むしりのときに腰を下ろしてしまったり、ほかの草と一緒に抜いてしまったり、開花までに数を減らしていても、結果的に毎年少しずつ増えています。

【オニユリ】(7月12日)

7月12日、新しい株で開花が見られました。
咲いたばかりの花を撮影しています。とても生き生きとしています。
やはり開花したばかりの頃がいちばん美しいように感じます。
トップの横浜市こども植物園のユリは、ほんとうに「コオニユリ」かどうか、自信がありません。
過去に見たコオニユリは、オニユリをそのまま小振りにしたような感じでした。
花弁の斑点があまりに目立たなすぎる、少なすぎる感じがします。
詳しい方がご覧になっていたら、コメントをお願いいたします。
【セイヨウアジサイ】

6月16日の撮影。わが家のセイヨウアジサイのピークの頃の写真です。剪定の関係で、全体のかたちはあまりよくありません。
手前にオニユリが準備中であるのがわかります。
【ズッキーニ】

ズッキーニの花といっても咲いたところではありません。
でも、この状態がとても魅力的に感じられました。
6月16日の撮影です。
【レモンバーム】

スペアミントの花を紹介したとき、十数年前同時期に植えたレモンバームが元気だけれど、花はあまり魅力的ではない、と書きました。それだけでは可愛そうなので、一応写真を載せておこうと…。
葉を冷水につけるなどして香り付けに使っています。
6月16日の撮影です。
【エンジェル・フェイス】

エンジェル・フェイス、競馬馬でもカクテルでもなくて、バラの花。米国で作出されたフロリバンダ系のバラです。
6月16日の撮影。
【ランタナ】

もっとも一般的なランタナ。草本ではなく背の低い木です。クマツヅラ科だそうです。
ひとつひとつの花に着目するよりも、ランタナの繁みがあるいう雰囲気を楽しみたい。
【アナベル】

6月18日撮影のアナベルは、ピークを少し過ぎたところ。ヒメヒオウギスイセンが花の中から顔を出し、奥のほうにヤマユリが見えます。ヤマユリはたくさん紹介しましたので今回は省略です
【カサブランカ】

カサブランカは6月21日撮影です。自分の家の庭なのに、隣の駐車場から眺めるのがベストのヴュー・ポイント。ユリですから豪華ですが、ヤマユリが咲いていてそちらを見ていると、カサブランカは「格がワン・ランク落ちる」という感じがします。

【アオダモ】

アオダモの実のようです。こんな感じになってからかなりの時間をかけて、ひとつひとつの実の付け根のところが膨らみ、風や雨で散っていきます。左下の一番先のほうに付いている切片をよくご覧ください。膨らみがわかります。
付け根のところが種なのでしょう。ただ、カエデほどにはぷっくりと膨らみません。
6月21日の撮影です。
【kindle】
2、3年前に kindle paperwhite を購入した。当初は たとえば国木田独歩とか永井荷風とか徳冨蘆花とか有島武郎とか幸田露伴とかを読むのに使っていたが、ふつうの新刊が kindle本になるのが早くなり、いまは小説に限っていえば7割くらいを kindle で読んでいる。
最大の利点は「字の大きさを調整できること」だ。
iPad mini を買ったとき、一時は iPad 用の kindle アプリを使ってみたが、専用の kindleのほうが「眼が疲れない」「軽い」などの利点がある。誤解されている方がいらっしゃるかも知れないが、kindle paperwhite の画面は液晶でなく、紙とインク印刷の状態に近いのだ。
なお、kindle本は紙の本より若干の値引きがあることが多い。
Amazon で購入すれば、購入履歴がAmazonに残るので、kindle でも iPad でもPCでも、自分のマシンとして登録さえすれば、何度でもダウンロードできる。