
ラトゥールという姓の画家はフランスに二人います。
一人はジョルジュ・ド・ラトゥール。17世紀、ルイ13世時代の画家で、ろうそくの灯火が大工仕事の親と少年の横顔を照らす「聖ヨセフ」(ルーブル美術館)などが有名で「夜の画家」と言われた人。
もう一人がアンリ・ファンタン=ラトゥールで、19世紀のサロンで人気を博した画家。静物画、肖像画などが得意で、とくにバラの絵に定評があったそうです。
その名前をもらったのがオールド・ローズの「ファンタン・ラトゥール」です。

この苗は最初「シャポー・ド・ナポレオン」のつもりで購入したのですが、育ててみたらどうもつぼみの形が違う。花はかなり似ているのです。
でも、この勢いを見ると、間違いもまあよかったではないか、というところです。

昨年まで擁壁のほうへ誘引していましたが、どうも前を向いて咲いてくれず、形が整わないので今年はパーゴラのほうへ誘引しなおしました。結果は大正解でした。

遠目に大きなバラが垂れ下がっているのはピエール・ド・ロンサールで早めに咲きはじめたもの。
その奥の背の低い濃い色のバラは「ソフィーズ・パーペチュアル」(Sophie's Perpetuall)です。

この記事は大半が5月12日の撮影ですが、上と下の写真は5月9日の撮影です。


上の写真は5月10日の撮影。
以下、5月12日撮影にもどります。




つるバラ(クライミング・ローズ)を上手に咲かせられたときの迫力と美しさが十分に伝わったでしょうか。
こういうスペースがふんだんにあれば…、と思いますが、ある程度の庭の広さを確保できても、つるバラとなると簡単ではありません。
バラ(とくにオールド・ローズとイングリッシュ・ローズ)の中には首を垂れて咲く種類も多く、できれば高い位置に誘引してつるバラ仕立てとし、人の背丈と同じ位置か少し高いところで花を咲かせたい、と思います。
一昨日の「ルイーザ・ストーン」(源平小菊と一緒に咲いているバラ)は、シュラブ・ローズといって背が低いことが特徴なので、うまく組み合わせたいですが、つるバラ系統には魅力的な品種が多いと感じています。