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ローシャム・ハウス・ガーデン

2015.01.28(17:00)

140618 Roucham House ダヴコットの庭

 2004年頃に『イギリス庭園散策』(赤川裕・著)という新書を買ってあった。
 英国旅行の前にざっと目を通して、イギリス庭園の特徴と歴史を勉強してあった。
 塀で囲ったという印象を避け、周囲の自然と調和・融合するよう作られているのがイギリス庭園の特徴であり、18世紀になって、それまでの古典主義庭園にかわり、樹木、湖水、広い芝地などを配した「風景式庭園」が主流となった。そうした流れを作った第一人者がウイリアム・ケントであり、彼が造園した庭園が今も残っているのがローシャム・ハウス・ガーデン(Rousham House Garden)である、と憶えていた。


140618 Roucham House ダヴコットの庭2

 ところが、2014年6月18日、オクスフォードから北へバスで30分、ローシャム・ハウス・ガーデンでまっ先に出会った庭がこれである。
 しっかり塀で囲われて、低い灌木が幾何学的に植栽されたパーテア(Parterre)が庭の中心だ。これは典型的な古典主義庭園に見える。奥に見えるのはダヴコット(dovecote)すなわち鳩小屋で、これも古典主義庭園によくある造作物だと記憶していた。
 「なんだ、話が違うではないか」と思った。


140618 Roucham House ダヴコット


140618 Roucham House ダヴコット内部

 ダヴコットの内部。鳩もちょっとだけ写っている。


140618 Roucham House 外壁の白いバラと建物

 いまになってよくよく読み直してみると、
 ローシャム・ハウスの建物は1635年に Sir Robert Dormer という陸軍の将軍が建てた居宅だった。
 当時英国の進歩派貴族のリーダー格であったバーリントン第三伯爵という人がウイリアム・ケントの才能を見抜き、貴族や富裕層の人たちに次々とウイリアム・ケントを紹介した。ドーマー将軍はバーリントン第三伯爵から紹介されて、自宅の造園を任せたのだという。
 だから、塀で囲われた古典主義庭園はあらかじめ家のそばに作られてあったのであり、周辺の自然を取り入れて新たに風景庭園を周囲に造ったということらしい。


140618 Roucham House 外壁のバラ


140618 Roucham House 建物と外壁

 古典主義庭園はなかなかのもので、たいへん美しく、思わず目を奪われたのだが、あらかじめ予習をしてあったから、わずかの自由散策時間を利用して、ぼくはできる限り周辺を歩いてみた。この庭園が有名になった理由は、ウイリアム・ケント自身が造園した初期の風景庭園が残っているからなのだから。
 その様子はまた次回に。


2015年01月28日

  1. ローシャム・ハウス・ガーデン(01/28)