
目敏い方は気が付かれたかと思いますが、上の写真はバスの窓の反射光がレンズに入って映っています。
バスがスピードを緩め、「この景色はいましか撮れません」というのですから、仕方ありません。
長い車道をバスで走り、ずいぶん歩いてからやっとシャンティイ城の城館に達するのですから、ここまで徒歩で走って戻ってきて城館の様子を撮影するなどというのは、確かにとても無理なことだ、と後で納得がいきました。

「シャンティイ城」はフランスの首都パリの近郊、電車で約30分ほどのところに位置するシャンティイ(Chantilly)にある宮殿です。
案内には、「城館はグランシャトー(城館)とプチシャトー(小城館)の2つからなる」と書かれていますが、この写真を撮っているときは、そんな区別のあることまでは知りませんでした。
最初1560年頃、数々の戦功をあげた将軍アンヌ・ド・モンモランシー(Anne de Montmorency、男性)のためにプチシャトーが建てられ、そしてやがてこの城館は後にブルボン朝の支流のコンデ家のものとなり、19世紀頃にグランシャトーが建てられて、現在の城館の姿ができあがった、ということのようです。
『三銃士』など読んでいるとコンデ公の名はたびたび登場するので馴染みがあり、ああ王家の1人で軍人として登場したなあ、などと思い出します。
いまはこれ以上書いてもややこしくなるだけなので、とりあえずは城館の様子をご覧ください。
上の写真、駐車スペースでバスを降りて、歩いて城館(Château de Chantilly)に近づきながら撮影しています。見え方がどんどん変わります。なるほど、バスの車内で撮影したシャンティイ城がもっとも優美に見える位置だ、ということに、ぼくも納得がいきました。
城館を大きく撮ってしまうと、周囲の広さが伝わりませんので、下に別の写真を掲載します。

広い敷地なのです。城館の右奥にまでずっと広がっています。庭園は115ヘクタール(約35万坪)、池は25ヘクタールあるそうです。

城館から、カメラを左側のほうへ振っています。
写真の右側のほうの車道を、私たちのバスは見えている門をくぐって、城館のほうへと進んできました。
その門に続いて左側のほうへ大きな建物が繋がっているのは、「馬の博物館」です。
博物館の左側には広い競馬場があります。シャンティイは1830年代から競馬でも有名なところです。

これから右側にあるスロープを上っていきます。
どうやら城館への入り口はその上にあるらしい。写真を撮るのに忙しくて、グループから遅れがちになるので、追いかけるのがたいへんです。

スロープ前の犬の像と城館の尖塔。

スロープを上りきったところにあるスフィンクス。

スロープ上の全景。
後で調べたところによると、ここは中世の要塞の基盤部分であるようです。
これから城館の中へ入るのですが、建物の2階が玄関になっている、と考えればよいようです。

城館の入り口です。
あまりの規模にカメラマンは動転して大きく撮りすぎています。
わかりにくい写真ですが、写真右下部分は石造りの橋で、下を覗けば水面が回り込んだ堀になっています。

入り口の門へ向かうその石橋の上から、右側のほうを向いて撮っています。

入り口の門の左側にある彫刻です。
グループがどんどん先へ行くので、落ち着いて撮っていられません。
門をくぐった先は中庭なのですが、すぐに城館に入ったので、中庭の様子は出てきてから撮りました。
今回の記事では、とにかく見た順番、撮影した順番で写真を並べています。
なお、ここはなんと城館内部の撮影が許されています。「フラッシュ不可」の厳しい条件ですが、こういうときのために、ぼくは高感度で撮影できる CANON EOS5D MarkⅢ を使っているのです。