
これはすでに一度掲載した「近所の崖のヤブカンゾウ」(6月30日)ですが、この写真を見てしまうと、ヤブカンゾウの花の構造って、いったいどうなっているのか、と首を傾げてしまいます。
ところが、7月4日に撮影した下の写真のヤブカンゾウは、じつは同じ株から咲いたヤブカンゾウです。

たくさんつぼみがありましたから、同じ株でも次から次へと開花しています。
2枚目の写真は妙にすっきりしていると思われませんか。八重の花弁のうち、内側の花弁が少なく、雄しべがたくさんすっきりと見えているからです。
同じ株なのに、どうしてこのようなことが起きるのか。
私の推測は、ヤブカンゾウという種の花は、「雄しべが八重化する途中経過の状態にある」ということです。

上の写真は駒込の大円寺の高島秋帆の墓前で本日撮影してきました。
内側の花弁が2枚見えていますが、それぞれ退化しかけた雄しべが貼り付いています。
すっきりと独立した雄しべは三本しかありません。
奥のほうに、小さく丸まった状態の内側の花弁がひとつ見えています。
ヤブカンゾウは、同じ株から咲いた花でも、雄しべが「雄しべ」になるか、「内側の花弁」になるか、それとも「中途半端な状態」になるか、それは「そのとき次第」なのだろうと思われます。
それでたいがいのヤブカンゾウは、写真に撮ると「ゴテゴテとして変な花」に見えてしまいます。
それでも、八重化の進んだ花だって、撮り方によっては美しく見えるはずです。
下の「根岸森林公園のヤブカンゾウ」をご覧くださいませ。
【根岸森林公園のヤブカンゾウ】(7月2日)


