
六本木は、東京の中でぼくが一番数多く訪れる場所です。
六本木ヒルズには森美術館、東京ミッドタウンにはサントリー美術館、七丁目には国立新美術館があり、上野よりもずっとゆったりしていて、街もきれいです。
国立新美術館の建物は黒川紀章さんが設計したもので、11月25日のぼくの目的は「モダン・アート、アメリカン~珠玉のフィリップスコレクション」展を見たい、ということでした。上野と異なり、しっかりしたロッカーも完備しているので、一眼レフを携えて出かけました。
この建物の特徴は採光のよい窓と吹き抜けです。「モダン・アート、アメリカン」の展示は一階の奥なので、きょうはエスカレータを昇る必要はないのですが、レストラン・喫茶の様子を撮影するため、わざわざ二階へ行ってみます。

二階から、二階のレストラン・喫茶室と、三階のそれとを撮影しています。

一階に下りて、今度は吹き抜けを見上げてみましょう。
このように、上下の広い空間を感じさせる建物は、ぼくは大好きでして、横浜ならランドマーク・タワーなどが気に入っています。

外観を撮るために外へ出ました。相当な枚数を撮っていますが、その中から選んでいます。

外の庭を少し下って、坂の下のほうからケヤキの黄葉を入れて撮りました。
正面はたぶんパシフィックタワー・ロッポンギ(賃貸マンション)です。右端の木の陰の建物は「国立新美術館別館」です。

国立新美術館別館のガラス壁に、「国立新美術館」が映っています。この別館は事務棟として使われていますが、地下一階の入り口から入ると、木曜日と金曜日の午後1時以降に限って、見学を認めてもらえ、一階へ案内してくれます。
その理由は、これがじつは歴史的建造物だからなのです。

国立新美術館別館の裏面です。旧歩兵第三連隊兵舎の一部分です。歩兵第三連隊といえば、いわゆる二・二六事件を起こした陸軍連隊のひとつです。この兵舎は第二次世界大戦後、米軍により接収され、
1958年の接収解除後は東京大学生産技術研究所等として使われていました。
その跡地に建てられたのが国立新博物館であり、保存要望に応えて、このように兵舎の一部が保存され、一階に記念展示スペースがあります。

国立新美術館へは、地下鉄日比谷線の六本木駅を降りた場合は、六本木ヒルズとは反対側、トウキョウミッドタウン・国立新美術館方面へ地下道を通るのが簡単です。途中東京ミッドタウン前の地下道を通りますが、東京ミッドタウンのアートコンペでグランプリをとった山本聖子さんの作品が展示されていました。
新聞の折り込み広告から物件の間取り図を切り抜き集合させたもので、都市と人との関わりを意識させるのが狙いのようです。

上は栗真由美さんの入選作品で「builds croud」。約500個のミニチュアハウスを集めて、灯火を強調しています。そこからあなたは何を感じ取るでしょうか。
奈良をじっくりとまわってきましたが、その一方で、ぼくはこのような都市空間の刺激も必要としています。同じようなことをしているとすぐ退屈して、刺激を求めて街へ出かけたくなります。
おもしろければなんだってよいのですが、現代アートはいつも刺激的なので、この六本木はお気に入りの場所なのです。