
日本橋高島屋で「大和の尼寺 三門跡寺院の美と文化展」というのが開催されています。
焦点を当てられているのは圓照寺、中宮寺、法華寺ですが、それで英勝寺のことを思い出しました。
尼寺です。江戸時代初期の創建で、代々の住持は水戸家の姫が務め、このため英勝寺は「水戸御殿」や「水戸の尼寺」とも呼ばれたそうです。
英勝寺は、9月23日にヒガンバナを撮りにいって、そのときすでに紹介済みですし、昨年もヒガンバナを紹介していますが、このお寺はいままでのぼくにとっては秋のヒガンバナと竹林の美しいお寺に過ぎませんでした。鎌倉ですし、境内もさほど広くはなく、花と竹林以外にはあまり見どころはなかったのです。
だが、先の9月に訪問した際、長い期間「山門」補修中だったのが終わり、いままで公開されていなかった奥のほうまで、自由に拝観できるようになっていました。

この山門は水戸光圀の兄である高松藩主松平頼重により造営され、関東大震災後売却されました(個人の敷地に移築)が、平成13年に解体され、その旧部材を用いてついに今年復興がなりました。神奈川県指定重要文化財だそうです。

上は鐘楼。この妙な形は袴腰形式というらしいです。寺格の高い寺にしか見られない珍しい様式だ、といいます。神奈川県指定重要文化財。
奈良のお寺とは比較にもならないほど小粒ですが、じつはしっかりした歴史的背景があって、見どころも多い寺でした。やっとそれに気がつく程度に、ぼくのお寺の見方も変わってきたようです。

さて、英勝寺にとって最大の問題は、どうもこれの開通だったらしいです。横須賀線が通ったために、寺地や堂宇の一部も失ったのだ、といいます。そういえば、先日紹介した「弘明寺」も、京浜急行が寺の中を通って裏山を公園にせざるを得なかったのでした。

上の写真左下の門は唐門といいます。唐門の内側から禅宗の様式をとりいれた重層の仏殿を見ています。

ヒガンバナのほかには白い萩がきれいなのだが、今年は台風にやられて傷んだので、早々に刈り取ってしまった、と聞いた。この日は芙蓉がまだきれいだった。

竹林はたいへん美しいので、前回の写真を再録しておきます。
〈ご参考〉
英勝寺のヒガンバナ(2011年)
追記 : 紗真紗さん のために、下に山門の写真を一枚追加いたします。(19:55)
なぜこれが重要か、記事の文章を読んでいただいた方にはおわかりになると思います。

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お寺ばかり続きますが、昨晩と今晩は花が多いですから、まあ、いいかな、と。