FC2ブログ

朝比奈切り通しを歩く(その3)

2011.07.09(17:00)

杉林の道を下りる1110609

 杉林の道を下りていく。

杉林の道を下りる2110609

 見上げると日が射し込んできていて、じつに美しい。

熊野神社立て札110609

  5、6分歩いたところに熊野神社への分岐道を知らせる立て札があった。朝比奈切り通しが開かれたとき、守護神として熊野三社大明神を勧請した神社だとあらかじめ調べて知っていた。
 迷った。心臓はでたらめな脈動をうっていて、息が苦しい。しかし、この機会を逃したら、もうこの年齢だし、二度と来ないかも知れない。
 「ええい」と分岐道を歩き出す。


熊野神社への道110609

 ご覧のように大半は平らだが、やがて曲がりくねって登りはじめる。少し後悔し始める。ああ、苦しいと思ったとき、目の前に鳥居があった。


熊野神社階段110609

 大した階段でない、と見えるのはカメラとレンズのマジックだ。都営地下鉄の階段のように一直線に長く登っている。さすがにこれはダメだ、と思った。階段の途中でへばってふらっとなるのが一番危険なのだ。
 諦めて踵を返し、歩き始めてすぐ、細い道が分かれて昇っていくのに気がついた。神社というものは、大概はこのような側道が付いていて、拝殿の横へ出られるようになっているものだ。
 「ぐるりとゆっくり回っていけば、なんとかいけるかも知れない」
 「いや、この状態ではとても無理だ。道が急になったらどうする?」と迷う。
 「しかし、この機会を逃したら、もうこの年齢だし、二度と来ないかも知れない」と、また同じ理屈が頭をもたげる。
 ここで、この日一番バカな決断をした。その細い道を登りはじめたのだ。


熊野神社拝殿の上から110609

 すでに心臓発作状態になっているから、血流が悪くなっていて、登りの一歩一歩が重い。息が苦しい。頭に血が行きにくくなると、ぐっと力を入れて身体を引き上げたとき、ふらっとすることがある。
 思ったより道が長い。おかしいぞ、神社の裏山へ登っているのではないか。余計な回り道をしているのではないか…。
 この写真はもうやけっぱちである。苦しい最中に拝殿の裏から撮っている。余分に登ったことは間違いない。


熊野神社奥の拝殿110609

 なんとか下りる道を見つけて、下りていく。

 明晩は美しい神社の境内の写真を披露するが、正直に言うと、本殿などの建物の配置とか、狛犬や灯籠の並びとか、自分の写真を見てもまったく思い出せない。こんなに苦しいのは初めて、というくらいになっていて、ただ、本能的にカメラを構えて撮っていたとしか思えない。
 「こんなにきれいな神社だったっけ?」というくらいで、ほとんど思い出せないのだ。

 いまもう一度よく見てみると、階段の下から見上げた本殿と、この上の写真の建物は明らかに規模が違う。
 たぶん本殿のさらにその上に、寺でいうなら「奥の院」のような小さな拝殿があり、ぼくは回り道してその裏まで登って下りてきたのだ。それでは苦しいのは当たり前だろう。

2011年07月09日

  1. 朝比奈切り通しを歩く(その3)(07/09)