
「三菱一号館」というこの建物は、東京駅丸の内北口徒歩数分、三菱東京UFJ銀行の向かい、丸の内の高層ビルに囲まれた一画に、明治時代の三階建の洋風建築の建物を復活させたものです。
かつてこの場所にあった(旧)三菱一号館は、ジョサイア・コンドル氏の設計により1894年に竣工した丸の内最初のオフィスビルでした。丸の内には煉瓦造の洋風建物が立ち並び一丁倫敦と称される街並みを形成するに至りました。しかし1968年、丸の内の高層化再開発が進む中で三菱一号館は解体されました。
その同じ場所に、三菱グループは再び明治時代の三階建て洋風建築を復活させ、関連企業、関連財団から集めた美術工芸品や古書等を展示する美術館としたのです。近代的なオフィスが建ち並ぶこの好立地の場所に、低層の美術館を建てて一般公開しています。
そもそも岩崎彌太郎は、その資金力をもって古美術品等が散逸し失われるのを防止し、蒐集した美術品を一般公開する美術館を建てたいと、明治20年代から計画していたそうです。その構想が、110年を経てついに実現した、ということになります。


上と下は、三菱一号館と裏側のビルで囲まれた中庭の様子です。
ガラス越しに撮影しています。
