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丸の内の秋

2010.12.09(19:00)

丸の内の秋イチョウ縦101208

三菱一号館美術館へ出かけたついでに付近の様子を見てきました。
イチョウはまだ残っていました。
高層ビルとイチョウ並木。これもまた、ひとつの秋の風景ですね。

丸の内の秋イチョウ並木101208


丸の内の秋クレーン101208

上のように、人工物と自然との組み合わせ、大都会東京ならではの風景です。

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 有川浩さんという作家さんをご存じでしょうか?
 テレビ・ドラマ「フリーター、家を買う」の原作者で、「ラヴ・コメの帝王」というくらい、恋愛ものを書かせたら上手な方です。じつは女性作家で、「ありかわひろ」と読みます。
 『植物図鑑』という題名の小説がありまして、なんとまあ、ここ「ディックの花通信」の常連さんのために書いているのではあるまいか、というような物語。
 初春の寒い夜、会社帰りの若い女性 さやか が行き倒れになりかかった男を見つけます。
 「拾ってください。噛みません、躾けはよく出来ています」と懇願されて一晩の宿を提供すると、翌朝すばらしい朝食が待っているのです。
 都会育ちの女性が、この若者に野草の名前を教えられ、タンポポの天ぷらなどから始まって、野草狩りの魅惑の虜となり、ついでにこの若者を好きになっていきますが、彼は名は「樹」と書いて「いつき」と読むと教えてくれただけで、謎の同居人であり続けます。
 野草採りに出かけるときは、いつき は高そうなカメラを携えています。金がなくて行き倒れになりかけたという若者なのに…、と さやか は不思議に思いますが、このいまというときを大切にしたくて、彼に事情を訊ねることができません。
 小説の目次の表題はすべて野草の名前で、連作短編のようにして、おいしそうな山菜料理に絡んだ物語が展開していきます。野草の魅力にはまっていく さやか のこころの描写が見事です。話の展開はおおよそ読めるにせよ、最後は泣かせてくれます。
 メジャー・デビューの頃から有川浩さんのファンでしたが、こんな上手な作家さんに成長されたかと、とても嬉しく感じます。
 ついでですが、表表紙と裏表紙の裏は、きれいな写真の図鑑になっていて、登場する野草たちがわかります。(みなさんはもちろん、ご覧にならないでもおわかりになります) 後書きの後に、写真付きのレシピが並んでいます。物語はたいへんおもしろいです。



2010年12月09日

  1. 丸の内の秋(12/09)