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「生物多様性」について

2010.05.26(19:00)

newton 生物多様性特集

 今年は10月に名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議が開催されます。
 読売新聞(2010年5月22日)の特集によりますと、現代は「6度目の大量絶滅期」だといいます。恐竜絶滅の時代ですら、1000年に1種程度しか絶滅しなかったのに、現在は年間に4万種になると推定されているそうです。その原因が人間の存在と人間の活動にあることは明らかで、これを止めなければ人類は自らの首を絞めることになるでしょう。
 人類の未来のために、「生物の多様性」を守ることがいかに大切であるか、それが雑誌Newton 6月号の特集です。
 多くの方は漠然とは理解していられるはずですが、「この程度のことなら」という一見些細なことが、環境にどれほど大きな影響を与えているか、それを理解するには、テレビ・新聞等で大衆にもっと伝えていく必要があるでしょう。雑誌Newton は科学雑誌ですから、感心のある読者が理解を深めるのには適しています。

 ちなみに、ぼくは「多様性」ということをさまざまな価値観の基準に置いています。「生物の世界」だけではない、と考えています。
 たとえば「経営の世界」で、現在の社会環境ではA製品は売れないからB製品に特化しようと、A製品の製造を停止するだけでなく、ノウハウまで全部捨ててしまうというのは、きわめて危険なことです。社会環境が変化してB製品が使えなくなり、A製品が売れ始めたとき、この会社はどうにもならなくなってしまいます。
 ぼく自身は金融の世界にいたので、このような例を見てきました。

 「公正」とか「平等」、あるいはたとえば「多数決」というような価値観を、ぼくは信用していません。少しでも環境や基準が変わると、「公正」や「平等」も変わってしまいます。だから、この世の中に「公正」や「平等」などは存在していませんし、「多数」の横暴で「少数」を軽んじて捨て去ってはいけないのです。生物の世界も社会環境も常に変動しており、予測はむずかしいようです。

 さて、雑誌Newton の6月号は、「生物多様性」特集のほか、「黄金比φの謎」「3Dテレビの仕組み」など、じつに盛りだくさんでした。5月27日には7月号が発売になります。7月号は70ページの「時空」大特集だそうです。
 
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 今回は昨日の「ディックの本棚」と同じ記事を掲載しています。
 このブログの読者には自然観察に力を入れていらっしゃる方々が多いので、このような記事もたまにはよいだろう、と考えました。
 生物学(とくに進化論)の立場からしますと、生き残るには「多様性があること」が大切です。環境がいつどのように変化するか、わからないからです。
 このことは、環境という言葉を社会環境、人間環境、文化というふうに置き換えて考えることが可能です。ニッチな製品、ごく少数の人しか好まないような文化や慣習、そういうものは大切にしていかなければなりません。自国が理解できないからといって、他国の文化や宗教を排斥したり、そういうことも現に慎まなければ行けません。
 「多様性を守る」ということを、価値観の最上位に置くならば、他文明、他国、他人の価値観を蔑んだり、排斥したり、そういうことはできなくなるはずなのです。

シダ ~ ルソー風】(おまけ)

シダ ルソー風100521

2010年05月26日

  1. 「生物多様性」について(05/26)