
バラ園の記事で5日間を費やしましたので、他の花の記事が大幅に遅れています。大急ぎで追い着きたい、と思います。
横浜の名所として知られる「港の見える丘公園」の入り口付近です。道路から谷戸坂方面を眺めるとマリンタワーが見えます。ここを右へ入ると、「港の見える丘公園」であり、入ってすぐに右や曲がると、イギリス館付属のバラ園があります。

入り口を入ってすぐに右へ曲がらずに、奥のほうを右へ曲がってずっと行くと、「大仏次郎記念館」があります。
「大佛次郎記念館」の奥に「神奈川近代文学館」があり、このふたつの建物は「霧笛橋」で結ばれています。
「霧笛橋」のしたからミズキを見上げてみました。

霧笛橋がもう少しよくわかるよう、少し広角にして、広い範囲が見えるようにしました。
この霧笛橋の下から、なだらかな庭園を登っていくと、黄色い小さな花がたくさん咲いているのが目に付きます。

「メキシコマンネングサ」です。ベンケイソウ科の似た花に、わが家の花壇の「ツルマンネングサ」がありますが、メキシコマンネングサの葉は4輪生なのに対し、ツルマンネングサは3輪生です。メキシコマンネングサのほうが花付きがよく、勢いがあるように感じます。

メキシコマンネングサにもう少し近づきます。花だけ見ると、メキシコマンネングサもツルマンネングサもよく似ています。

花を見ながら登っていったところが「山手111番館」です。メキシコマンネングサはここの庭園の花でした。
上の写真では庭園からMM21方面を眺めています。
右奥の茶色の壁が「大佛次郎館」です。
ツルマンネングサは、画面の右の方へ下っていく途中にあります。バラ園は左奥のほうになります。
この庭園のベンチに座って、山手111番館特製のバラのソフトクリームを味わうのを楽しみにしています。

ユリノキは強い剪定を受けてごつごつになった並木を見ることがありますが、放っておけば30m 近い大木になるそうです。根岸森林公園のユリノキも20m 以上あるようです。
昨年購入した200mm の望遠レンズでも苦しいので、2倍の実質400mm になるテレコンバータを付けてみました。
レンズが重いです(笑)。手持ちで撮影しよう、というのが無茶なのかも知れません。あまり上を向くと、頸椎にもよくなさそうなので、地面に寝転がって撮影しています(笑)

無理をしているので、どうしてもフォーカスが甘くなります。
毎年撮っていて気がつくのですが、ユリノキの花が咲く5月中旬~下旬の頃というのは、風の強い日ばかりです。木や花が揺れ、レンズを持つ手が重くて揺れて、よい写真が撮れるわけがないのですが、でも撮らなければユリノキの写真が残りませんし…(笑)

これが一番低い枝でしょうか。
今年はなぜか、低い枝に咲く花が少ないのです。この望遠レンズがなかったら、撮影はとても無理だと諦めなければならなかったでしょう。

一部には昨年秋の実が残っているのが見えます。

こちらは、写真としてよいものではありませんけれど、花と実と、つぼみが画面に同居していますから、記録に一枚。

わが家から本牧(三溪園などのあるところ)までは自動車で約10分です。当方は高台、本牧は海岸沿いにあるので、歩いて下りたら坂を登ってくるのが大変です。
スパンキーの獣医さんは本牧にありまして、とても混んでいます。
この日も、運転手のぼくは待ち時間の時間つぶしに本牧山頂公園へ登っていきました。
ヒルザキツキミソウは、山頂公園へ上がる前、本牧のマンション群の植え込みで撮影しました。
この場所に限らず、なぜか本牧ではあちらこちらの植え込みにヒルザキツキミソウが咲いています。わざわざ植えたのではなくて、こぼれ種が野生化したようです。
名前の通り、昼間でも咲いています。雄蕊の葯の形が特徴的ですね。
アカバナ科マツヨイグサ属。


ハクチョウゲ(白丁花)は本牧山頂公園で撮影しました。
小さくて目立たない花だからこそ、注目してあげたい。
本来は沖縄に分布する常緑低木だそうです。高さは1m 程度でした。根岸森林公園脇のマンションの植え込みにもひとつあります。そちらは強く刈り込まれて、こんなふうにのびのびとは咲きません。
アカネ科ハクチョウゲ属だそうです。あ、ヒルザキツキミソウもアカネ科ですね。

【マンション群とベイブリッジ】(おまけ)

最近は根岸森林公園の記事が少ないですが、全面的な厳しい草刈りが行われ、公園全体がほとんど丸裸となっているためです。
上の写真、じつはかなり気に入っています。わかってもらえるでしょうか。
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明日の天候は曇りのち雨の予報ですが、都内にて「ウォーキングの会」決行の予定です。
帰宅が遅くなるため、ブログはお休みさせていただきます。

日本大学生物資源科学部バラ園シリーズの最終回です。
最初のバラは「ザンブラ93」です。フランス メイアン社1993年作出です。解説によると「ザンブラ」とはジプシー祭りのこと。転じて大騒ぎを意味する。気候、生育条件によりピンクが強く出る」とのことでした。

さて、上と下の写真は「グレイ・パール」。イギリスの Samuel Davidson と McGredy III 氏が1945年に作出。
解説によりますと、「独特の淡いグレーから茶色を含んだうす紫色の花で、青バラ系の先駆的存在」だそうです。青いバラをめざしていく途中でできた、ということでしょうが、少なくともこの花を見る限り、茶色を含んだグレーには見えますが、紫色には見えないですね。
24日の最初のバラは黄色を含んだ茶系、昨日の茶色のバラは少し赤を含んでいる感じがしますが、こちらは純粋な茶色が脱色されてグレーに近くなった印象があります。
単独でこの色のバラだけあってもばっとしませんが、派手な色合いのバラの中にぽつっとあると、「お、なんだ、これは?」と思います。


上は「コテイヨン」です。米国J&P社1999年作出。コテイヨンは「cotillon」でしょうか、フランスの舞踏の一種だそうです。

上はダブル・ディライト。ディライトは delight で「二重の喜び」。これは港の見える丘公園隣接のイギリス館のバラ園にもありますが、こちらのほうが上手に咲かせているように思います。
最初 DayLight かと思いましたが、delight なら、二色楽しめるの意味だろう、と考えました。
ほんとうは、色と香りを二重に楽しめるの意味だそうです。

最後はとても清潔でふんわりした印象のある「マチルダ」。フランス メイアン社1988年作出のバラです。
3日間、バラの記事にお付き合いいただきましてありがとうございました。
何回かこれをやっていますと、少しずつ品種を憶えてきて、各国のメーカーの名前も頭に入り、相応に興味も湧いてくるものです。いつかは自宅で気に入ったバラを!! と思いますが、実現できるでしょうか。
(なお、バラ園には何十種類もあって、3日間で紹介したのはごく一部に過ぎません)

今年は10月に名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議が開催されます。
読売新聞(2010年5月22日)の特集によりますと、現代は「6度目の大量絶滅期」だといいます。恐竜絶滅の時代ですら、1000年に1種程度しか絶滅しなかったのに、現在は年間に4万種になると推定されているそうです。その原因が人間の存在と人間の活動にあることは明らかで、これを止めなければ人類は自らの首を絞めることになるでしょう。
人類の未来のために、「生物の多様性」を守ることがいかに大切であるか、それが雑誌Newton 6月号の特集です。
多くの方は漠然とは理解していられるはずですが、「この程度のことなら」という一見些細なことが、環境にどれほど大きな影響を与えているか、それを理解するには、テレビ・新聞等で大衆にもっと伝えていく必要があるでしょう。雑誌Newton は科学雑誌ですから、感心のある読者が理解を深めるのには適しています。
ちなみに、ぼくは「多様性」ということをさまざまな価値観の基準に置いています。「生物の世界」だけではない、と考えています。
たとえば「経営の世界」で、現在の社会環境ではA製品は売れないからB製品に特化しようと、A製品の製造を停止するだけでなく、ノウハウまで全部捨ててしまうというのは、きわめて危険なことです。社会環境が変化してB製品が使えなくなり、A製品が売れ始めたとき、この会社はどうにもならなくなってしまいます。
ぼく自身は金融の世界にいたので、このような例を見てきました。
「公正」とか「平等」、あるいはたとえば「多数決」というような価値観を、ぼくは信用していません。少しでも環境や基準が変わると、「公正」や「平等」も変わってしまいます。だから、この世の中に「公正」や「平等」などは存在していませんし、「多数」の横暴で「少数」を軽んじて捨て去ってはいけないのです。生物の世界も社会環境も常に変動しており、予測はむずかしいようです。
さて、雑誌Newton の6月号は、「生物多様性」特集のほか、「黄金比φの謎」「3Dテレビの仕組み」など、じつに盛りだくさんでした。5月27日には7月号が発売になります。7月号は70ページの「時空」大特集だそうです。
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今回は昨日の「ディックの本棚」と同じ記事を掲載しています。
このブログの読者には自然観察に力を入れていらっしゃる方々が多いので、このような記事もたまにはよいだろう、と考えました。
生物学(とくに進化論)の立場からしますと、生き残るには「多様性があること」が大切です。環境がいつどのように変化するか、わからないからです。
このことは、環境という言葉を社会環境、人間環境、文化というふうに置き換えて考えることが可能です。ニッチな製品、ごく少数の人しか好まないような文化や慣習、そういうものは大切にしていかなければなりません。自国が理解できないからといって、他国の文化や宗教を排斥したり、そういうことも現に慎まなければ行けません。
「多様性を守る」ということを、価値観の最上位に置くならば、他文明、他国、他人の価値観を蔑んだり、排斥したり、そういうことはできなくなるはずなのです。
【シダ ~ ルソー風】(おまけ)


日大生物資源科学部(藤沢キャンパス)バラ園のバラ・シリーズ第2回です。
上の写真は「マルコ・ポーロ」。フランス・メイアン社1993年作出です。詳しい解説はありませんが、とても花付きがよいようでした。
写真の背景が見えていますが、大学のバラ園で営業目的ではありませんから、囲んでいるフェンスとか、地面とか、味も素っ気もありません。ただ、花だけが立派です。
車椅子の団体さんとか、見学者は多いようです。

昨日も書きましたが、日大生物資源科学では、環境が劣悪でも育つ植物なども研究しています。
上の実験室の気温は摂氏38度、湿度80%に保たれているそうです。こちらの学生になるには、体力がないとたいへんそうです(笑)。

上は「ブレーズ・オブ・グローリー」。オランダのインタープランツ社2005年の作出です。

さて、いよいよ茶色のバラが登場です。「ジュリア」はイギリス Wisbech Plant社が1976年に作出しました。
「淡い茶を含んだ微妙な色合い、先にフリルが掛かった花弁」「アンティークな雰囲気」と解説にありました。
下も同じ「ジュリア」です。


最後は「パパ・メイアン」。フランスのメイアン社、1963年作出。作出者の父親アントワーヌ・メイアンを「パパ・メイアン」と呼んだもののようです。黒バラの名花として知られているそうです。
日大生物資源科学部のバラはもう1回明後日に予定していて、グレーのバラなどを紹介予定です。明晩は別記事を準備中です。

日本大学生物資源科学部は、小田急江ノ島線六会駅徒歩数分のところにあります。
広大なキャンパスには農場・酪農施設のほか、バラ園もあります。本日のバラの写真は5月22日撮影のものです。
バラ園は、訪問者には無料で開放されています。
まず、上と下の写真はバラ園入り口付近のフェンスのバラです。
クリーム色に茶の混じった色合いには品格があり、陽を受けるとゴールドの輝きを感じさせます。

上のバラのように、港の見える丘公園イギリス館のバラ園では見られないようなバラがたくさんあります。しかも花は大きく、間近で観察できます。ぼくはレンズに付けていたテレ・コンバータをわざわざ外しました。近すぎて画面に花が大きく写りすぎてしまうのです。

長男が日大生物資源科学部の4年生なので、このバラ園の存在を知りました。過酷な環境にも耐えて成長できる植物とか、土壌などの環境改良に役に立つ植物とか、そのような研究・実験をしているようです。
ちょっと研究・実験室を覗き込んでみました。

上はドイツのコルデス社1984年作出の「ブルー・リバー」です。立て札の解説には、「外弁が赤紫色に変化し、香りも濃厚」とありました。

こちらは「ジュビレデュ・プリンセス・ドゥ・モナコ」です。フランスのメイアン社2000年作出です。故グレース王妃の夫君であるモナコのレニエ三世大公の即位50周年記念に捧げられたバラだそうです。
「ジュビレ」は仏語辞典を調べたら「50年祭」、「デュ」は多分「ドゥ」で、「ドゥ」は「de」。英語の「of」にあたります。

上は「和音」です。京成バラ園2004年作出で、「やさしい白で、中心に黄色の明かりを灯した
印象の花をたくさん咲かせる」とありました。

最後は「バロン・ジロード・ラン」フランスの品種で1897年から続いているものです。「紅紫色にくっきりした白の縁取り。オールドローズ系の中では花付きもよく、返り咲きもあるので人気」だそうです。
「Baron Girod de l'Ain」? Baronは男爵。de l'Ain がわかりません。
他にも茶色のバラ、グレーのバラなど、めずらしい品種を紹介する予定です。ご期待ください。