
根岸森林公園にて、4月4日に撮影したキランソウ(左)とムラサキサギゴケ(右)です。
上の写真はまだ早い4月4日に撮影したため、ほかの草が地面を覆っていません。このため、ムラサキサギゴケの匍匐枝がよく見えます。
「公園おさんぽ日記」のはもようさんと、「ムラサキサギゴケ」と「トキワハゼ」の見分け方を話し合っていた結論では、匍匐枝があるかどうかで見分けるのが一番確実だろう、ということでした。

上は4月18日に舞岡公園で撮影したキランソウです。
キランソウは人間や動物たちに踏み付けられやすいので、写真に撮ったつもりでいても、雄蕊雌蕊が千切れていたりすることがあります。
キランソウを撮るのなら、やはり雄蕊と雌蕊をわかるように撮りたいです。

小さいので、雄蕊の数がわかるように撮るのはたいへんですが、いくつもの花を観察したところでは、この写真のように、4本が正解のようです。(根岸森林公園にて3月31日撮影)

この手の花で、花についている縞模様や斑点は、ガイドラインと呼ばれ、虫たちに蜜のありかを示す看板の役割をしているのだそうです。
キランソウは、写真に撮ってみると、葉が毛だらけで、ときには花よりもそちらのほうに圧倒されます。(根岸森林公園にて4月21日撮影)
【横浜中図書館前のハナミズキ】(おまけ) 4月24日撮影



ベリー来航を描いた絵に描かれている「大楠の木」がじつはタブノキであったように、横浜といえばタブノキ、そして根岸森林公園といえばタブノキです。
上がタブノキの花序の全体像です。
例年であれば芽吹きのときから記事にするのですが、今年は2、3月が忙しかったので、その余裕がありませんでした。

昨日少し書きましたが、植物は自家受精を回避するためでしょうか、両生花であっても、先に雌蕊が発達して、受粉すると雌蕊は退化し、雄蕊が発達するという経緯をたどる花が多いように思います。
タブノキもその典型で、上は「雌性期」の花です。
白い柱頭がはっきりと見えます。
それに対し、雄蕊は花被に貼り付いたようになっていて、立ち上がりません。
そのため、雄蕊は実際には9本あるのですが、6本しかないように見えます。
オレンジ色に見えるのは、仮雄蕊3本と、蜜腺6個です。
仮雄蕊と蜜腺の区別は、この写真から判別するのは困難ですが、雌蕊を囲む小さいオレンジ色三個が仮雄蕊で、その外側の大きなオレンジ色が蜜腺です。

上は柱頭が退化し始めた時期の花です。柱頭の白い部分がなくなって、雄蕊が立ち上がってきています。
雄蕊のうち、3本が柱頭に近づき始めています。数えれば9本あることがはっきりわかります。
このあと、花はいったん閉じて雄性期の花として開くのだそうですが、いったん閉じるのかどうか、ずっと見ているわけにも行きません。
虫が乗っているのは蜜腺です。外側の濃いオレンジ色6個が蜜腺。内側のやや小さいオレンジ色三個は仮雄蕊です。

上が雄性期の花です。
雄蕊9本のうちの3本が中央に集まり、蜜腺も伸びてきて、6本の雄蕊は伸び伸びとしています。
雌蕊はもう判別できません。
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そういえば、3月27日から、当ブログは6年目となりました。
タブノキについても、ようやくここまで書くことができるようになりました。
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長男の就職内定祝いにMACを購入、Windows も立ち上げられるようインストールするのに、試行錯誤を繰り返し、半日を費やしました。まだまだいろいろと調整が必要ですが、まあ、なんとか使えるようになりました。
本日の記事が遅くなったのはそのためです。

4月18日、久しぶりに舞岡公園を散策してて見つけました。
見た瞬間にトウダイグサの仲間とわかりますが、トウダイグサではありません。けれどもタカトウダイとも違います。
「これは何だ?!」と調べたら、「ナツトウダイ」でした。

ずいぶんと密生して咲いています。集まった様子はなかなかきれいです。

ご覧のように花弁がありません。
妙なかたちの部品が並んでいます。
トウダイグサの仲間なら、ふつうは、腺体(蜜を出して虫を集める)、柱頭のついた丸い子房、おしべがあるはずですが…。
なんとなく、わかってきたのは、雌蕊が受粉すると雄蕊が大きくなる、というパターンの花が多く、とすれば、子房が膨らみ始めると、雄蕊も目立つようになるに違いない、と思います。

この三日月型が4つ集まっているのが腺体なのでしょう。
黄色いのが雄蕊なのかな。
下にくっついている細長いのは何でしょうね。向かい合った二枚の若葉状のものの中にも何か突起のようなものが見えますが…。
あ、それは苞葉であり、苞葉の中を開くとつぼみがある、という記事を見つけましたが、つぼみというのもどうも変です。花弁がないのですから。この苞葉が開いて伸びて、花序として大きくなり、次の花になるのかな。そうであれば、若い苞葉は2組あるのがふつうなのに、ぼくが見たナツトウダイはひとつのものばかりでした。
【舞岡公園古民家の鯉のぼり】(おまけ)


根岸森林公園です。
こちらの木の存在は、ミズナラの花を撮っているとき、そぐそばで花が咲いていることに気がつき、初めて「何だろう?」と疑問を持ちました。これまでは単に見過ごしていたのです。
図鑑を調べた上で「アラカシ」ではないか、と思うのですが、いかがでしょうか。
葉の新芽、数があまり多くない雄花序、葉のかたちなどから、アラカシではないか、と思いました。
大きくなる木らしいですが、この木は背丈は5mくらいの、たいして大きくはない木でした。
雌花も一応確認しました。ミズナラと同様の雌花で、同じようなものですから、わざわざ撮影もしませんでした。

ぼくとしては、今年のドングリの時期が楽しみです。
いままでだってドングリはあったはずですが、コナラのドングリがあまりに多い場所なので、紛れて気がついていなかった、と思われます。
【ヤセウツボのつぼみ】(おまけ)

ことしもヤセウツボが出てきました。
カラスノエンドウ、シロツメクサ、アカツメクサなど、マメ科の植物の多い崖なので、それらに寄生しているのではないか、と思われます。
北アメリカ原産、ハマウツボ科。
クリックしてください → 「2009年5月の開花したヤセウツボ」

これはヘラオオバコのつぼみです。
「ヘラ」は葉のかたちから名付けられたそうです。
昨年の実績から、最終的に数十cmの背丈になることを確認していますが、今年は早々と草刈りにあい、すっかり刈り取られて、すでに跡形もありません。

刈り取られる前に、なんとか花を咲かせることはできました。

花は下のほうから順番に上のほうへと咲いていきます。
上の写真ではいろいろな段階がわかります。
【実になり始めたムラサキケマン】(おまけ)

本日のおまけ画像はムラサキケマン。
すでにみなさんのブログにも多数登場しているので、私は実の写真を入れてみることにしました。

今晩の記事は、ドングリのなるブナ科の木、「コナラ」と「ミズナラ」です。
写真左側、若葉がまだ白っぽく薄い色をしていて、葉が小さいのがコナラ、サイズが大きく、雄花の花序をぶら下げているのがミズナラです。


上の写真、左側がコナラの幹、太くがっしりしています。右側がミズナラの幹、コナラよりも樹皮ががさがさしている感じです。
根岸森林公園では、コナラは巨木が多く、ミズナラは細くて華奢な感じで、台風のために倒れたりするのはミズナラのほうです。

根岸森林公園ではまだコナラの花を見かけないので、陽当たりのよい本牧山頂公園で撮影してきました。
雄花の花序が風で揺れています。
下のミズナラと比較してみてください。どちらも若葉ですが、ミズナラのほうが葉が大きくなります。

上はミズナラですが、ぶら下がっているのは雄花序です。
雌花はどこにあるかというと、ドングリがどこに付くかを思い出せばよい。そう、葉の付け根に赤いものが付いているのがわかると思います。
この考え方からすると、ひとつ上のコナラの写真にも、よく見れば、ちらっと雌花らしきものが写っています。
ドングリはコナラよりもミズナラのほうが大きく立派です。花もミズナラのほうが大きいです。

これは、ミズナラの雌花をマクロレンズで撮影しました。
これがミズナラのドングリになるわけです。ドングリには実になるのに2年かかるものもありますが、ミズナラはその年のうちにドングリになります。
追記 :ころん さんのコメントのあとですが、追記します。
ミズナラは高さ30mにもなる、といいますから、根岸森林公園の木がなぜこれほど弱いのか、と不思議です。
ふつうは山地に生えているそうですから、横浜のような暖かい平地には合わないのではないか、と思います。
【根岸森林公園のヤエザクラ】(おまけ)

ヤエザクラはあまり好きでなくて、近寄って撮りたい、とは思いません。
遠くから眺めるのがよいようです。

ソメイヨシノが散り始めている林の中です。
モミジイチゴの花は基本的に下向きに咲きます。枝が垂れ下がったなどの理由で斜め下向きとなった花を撮影しました。
花弁は根元のほうが細く、雄蕊はあまり開かず直立していることが多いようです。
下の写真のカジイチゴより、やや開花時期が早いようで、これを撮ったときはピークを過ぎて、散ってしまった花も多いようでした。

上はカジイチゴです。梅林の奥の丘への登り口に繁みがあります。モミジイチゴより陽当たりがよいせいか、勢いがあります。
カジイチゴは上向きに咲きます。花弁がくしゃくしゃなのはこの花の特徴です。雄蕊の様子にもこの花独特の特徴があります。
モミジイチゴとカジイチゴは、どちらも高さ1~2m程度の木で、どちらもカエデと似たように葉に切れ込みが入ります。
葉だけでは、慣れていないと区別が難しいように感じます。
【崖の上のハルジオン】 (おまけ)

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長男は某大学の生物資源科学部4年になったばかりですが、3年の夏頃から始めていた「就活」は、そろそろ終わりです。
大手製薬メーカーのMR職に、複数の内定が決まり、1社はすでにお断りしました。
外資系大手と、日本の大手と、どちらかを選ぶことになりそうです。
大手企業はいずれも自社に自信があるらしく、「じっくりと決めてもらってかまわない。最後まで待つ」と言ってくれているようです。
大学の就職課では、「きみたちに大手企業はとても無理だから、中堅以下の会社を選んで回りなさい」と指導していたようで、長男は自分の大学を「学校は就職率が低下しないことだけを考え、学生の立場を考えていない」と評しています。