【熊野市七里御浜(しちりみはま)のハマゴウ】

撮影場所:熊野市・七里御浜
撮影日:2017.08.05
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF24-105mm f/4L IS USM 以下同じ
8月に長女夫妻・孫たちとともに、長男に連れられて熊野の海岸線を見て歩いたことを以前書いた。
写真は三重県熊野市御浜町、紀宝町付近の七里御浜の砂礫海岸で撮影したハマゴウ(浜栲)だ。

いままで見たことのない植物なのにハマゴウという名前がすぐ出てきたのは、楽さんのブログ「楽のデジカメ散歩3」で見たことがあるのと、小石川植物園の薬草園に「ハマゴウ」の立て札があるのを憶えていたからだ。
強い陽射しのため照り返しが強いのと、旅行に持っていったのが24〜105mmズームレンズであったため、花の細部の写りがいまひとつ鮮明でないのはご容赦願いたい。
クマツヅラ科ハマゴウ属の常緑小低木で砂浜などに生育する植物である。
自宅の参考書『里山のつる性植物』に詳しく掲載されているのを見て驚いた。
浜で見たハマゴウは背丈30〜40cmくらいで、砂浜から直立していると思い込んでいたが、ふつうは浜を匍匐する木質化した枝から花茎が立ち上がっている、ということらしい。

花は雄しべ4、写真では上の2本の葯が割れている。真ん中に葯のない花柱が伸び、先端が2裂しているのが認められる。下唇の上の白い2列の毛がかわいい。
【七里御浜の砂礫海岸の様子】

ハマゴウの咲いている浜の様子はこんな感じだ。

歩いてみてびっくりするのだが、この浜は砂浜ではない。小石でできた砂礫海岸だ。
台風が近くて波が荒かったが、それでも耳をじっと澄ませていると、引き波のときにさらさらさらと小石が転がる音が聞こえ、耳に心地よい。
熊野古道伊勢路の一部で、熊野と新宮の間は七里御浜を通ったため「浜街道」と呼ばれていた、という。紀伊山地の霊場と参詣道の一部として「世界遺産」である。
【小石川植物園のハマゴウ】

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2017.09.05
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF24-105mm f/4L IS USM 下の写真も同じ
9月5日の小石川植物園で、サルトリイバラの実を見つけたと思ってカメラを向けたが、実の付き方がサルトリイバラらしくない。
望遠レンズで撮影した写真を後から調べてみると、これはハマゴウの実だ。
小石川植物園の薬草園の真ん中では、サルトリイバラとハマゴウが隣り合って植えられているため、絡み合っていて紛らわしい。
「薬草カラー図鑑1」によると、乾燥した果実「蔓荊子」(まんけいし)と茎葉「蔓荊葉」(まんけいよう)を、神経痛、手足の痺れ、ひきつけに、「蔓荊子」を頭痛や風邪に使うそうである。

上のように、花もまだ咲き残っていた。
ご覧のように、草本ではなく木本だ。
ハードディスクの中に整理していない写真がたくさん残っている。
別々の時季に別々の場所で撮影した写真を見直していると、それらが結びつき、ついでにいろいろと調べてみるとさまざまなことがわかっておもしろいのだが、他方、どんどん出掛けていかないと四季は飛ぶように移り変わってしまう。手足と眼と脳をもうワンセット欲しい。
ブログの更新を休んでしまったが、26、27日の2日間、鬼怒川温泉のさらに奥深く、平家落人の里などで知られる「湯西川温泉」へ、San Poの会のメンバー計4人で行ってきた。
そんな話題もまたそのうちブログに出るかも知れない。