
英国王立のバラ園 Garden of the Rose の最終回です。
ぼくは最初、この名称の定冠詞の使い方に首を傾げていました。garden なんていうのはまったくの普通名詞ですが、定冠詞を省いて、しかも所在する土地の名称すら付けずに、最初を大文字にしただけで、あたかも固有名詞のごとくに使うのは、「Garden of the Rose」と言っただけでどのバラ園のことだか区別できる。
それはここが王立バラ園だから、ということなのでしょうか。

イギリスのバラの育種家に David C.H.Austin という人がいまして、イングリッシュ・ローズといえば彼が作出したバラのこと。日本にも会社があって、ネット販売をしており、かみさんはその大ファンです。
これから紹介する王立バラ園のバラが、どれも David Austin 作出のものかどうかは調べきれませんが、並べてみると、イギリス人が好むバラのイメージというのが、なんとなく理解できるのではないかと思います。

言葉で表現するのは難しいのですが、野性味を残した、ちょっと古くさい咲き方が好まれ、どど〜ん一輪大きな花を咲かすというようなのは余り好まれないように感じます。藪のように小さな繁みを作ったり、蔓バラとして枝を伸ばすのは好まれるようです。色の好みはさまざまで、明るく派手な色合いでも、花そのものがあまり大きくなければよいようです。
たとえばイギリス庭園そのものも、一時は風景庭園が流行しましたが、古典式庭園の好みも採り入れられて復活したように、バラの花もそのときどきの流行はある程度許容していると感じます。

上の写真は、背景のバラの咲かせ方をイメージしていただきたく、掲載しました。
手前は shrub といいますか低木の品種で、奥へ行くとそれが bush を作り、さらに奥は蔓バラが生い茂っているというような、そんなイメージが英国人の好むところ、という感じがします。
以下、いくつか目についたバラを紹介しますが、いずれも大輪ではなく、古くさい感じを残した咲き方をしていました。
【Korresia】

【Molineux】

David Austin社 のサイトで推奨のバラです。
【Trumpeter】

【The Pikgrim】

David Austin社 のサイトで推奨のバラです。
【Anna Zinkeisen】

【Fantin Latour】

ファンタン・ラトゥールはフランスの室内画家ですが、こり画家の絵柄は英国人好みのように感じます。
David Austin社 のサイトで推奨のバラです。
【Joi de Vivre】

【 Irish Eyes】

英国王立バラ園 Garden of the Rose 関連の記事は今回で終わりです。
最後の回ですが、英国人の好むバラ、あるいはその咲かせ方など、ある程度お伝えできていたら幸いです。

英国王立バラ園の Garden of the Rose の4回目です。
園内にいるうちに陽射しが強くなり、明暗差が極端になって、なんとも撮影しにくくなりました。
ピンクのバラはふつうに撮ったら白飛びして細部がまったくわからなくなってしまうので、露出マイナス補正を強く掛けて撮るのですが、そうすると背景がどんよりと暗くなります。
RAW現像の際にそれを元へ戻すのがたいへんな作業です。なかなかうまくはいきません。

逆に全体が明るいと、さっぱりおもしろくない平板な写真ができあがります。
上はそれをメリハリある画像へもどす作業をしています。

これはどう見てもスイカズラの仲間です。
英国にもあるんですね。かなり派手ですが…。

一重のバラ。
こういう色はぼくの好みです。

園内には、背の高いつるバラがあれば、背の低いブッシュ系のバラもあって、さすがに分類がしっかりされています。

ロンドン郊外の王立バラ園「Garden of the Rose」の訪問記録の続きです。
最初の5枚の写真は、かみさんが Olympus XZ-1 で撮影し、現像の際に明るさ、傾き、歪みなどをぼくが調整したものです。




以上が かみさんが撮影した写真です。
以下は ぼくが撮影した写真です。






英国の王立バラ園「Garden of Rose 」第2回です。
Sweat Dream というバラでした。後から調べたところでは 1987年作出の英国のバラ。フロリパンダ系です。





6月17日、イギリス最初の訪問地は Garden of the Rose。
このバラ園は王立です。
1876年創立の Royal National Rose Society という王立の組織があり、その本拠となるバラ園で、60年代の後半にウエストミンスターから現在地に移転したようです。
6、7月は公開されていて、入場料6ポンド、16歳以下無料。犬は welcome だそうで、日本ではあり得ないですね。
ロンドン市内から北北西へ約30kmの辺りです。

いままでのフランスのバラ園とはずいぶん雰囲気が違います。手入れが行き届いている一方で、見せ方も工夫され、こだわりを感じます。
そうなると、散策するほうもうれしくなって、100mm macro と標準ズームレンズを頻繁に付け替えたりします。撮影枚数もいままでになく増えました。









Garden of the Rose は記事を数回に分けてお届けします。
「バラ園めぐり」の旅行ということでは、このバラ園へ来て初めて、ほんとうに満足できたように感じました。