
パリのバガテル公園に行ったから、さぞやすばらしいバラをたくさん見られただろう、と思われるかも知れませんが、そんなことはありません。
たとえば、横浜に「横浜イングリッシュガーデン」という植物園があります。多種類のめずらしいバラを集め、ていねいに世話をして、たいへん質のよいバラを咲かせています。日本人の「ていねいな仕事」の賜物という印象です。
フランス人はおおらかでして、さほど熱心に手入れをしている、という印象がありません。
たとえば花殻はそのままで摘んでないし、見映えにさほどこだわらない。
ドイツのバラもイギリスのバラも分け隔てなく植えて、さあどうぞ、ごらんください、というふうです。

パリは気温がイギリスより5度ほど高いですが、気候は安定し、植物はよく育つ。日本のように高温多湿にはならないので、病害虫の心配も少ない。細かいことにあまりこだわらなくても、植えればバラは育つのかな、という感じでした。

この翌日、わたしたちはロンドンへ移動するのですが、イギリスはまたフランスとは違います。
バラの咲かせ方、見せ方にこだわりを感じます。フランス人よりもていねいに世話をして、配色などにも特別な配慮があり、「どうだ、きれいだろう」と言わんばかり。それがイギリスのガーデニングです。
細やかな感性という点では、フランス人よりもイギリス人のほうが日本人に近い。

ただ、フランス人には排他的なところがありません。
「どなたもみんないらっしゃい! 歓迎しますよ」と世界中の観光客を集めています。
芸術の都パリ、というのは、必ずしもフランスの芸術家が中心となっているのではなくて、世界中から集まったアーティストが切磋琢磨して、そこからエネルギーが生まれているのです。それがフランスの文化のあり方になっており、ガーデニングにもそんな雰囲気が感じられます。

このバラの記号は「LPR2014/16」です。まだ名前がありません。
ルールがよくわかりませんが、おそらくは新品種開発中で、新種として正式に認められてから、名前を付けられるのでしょう。
同じような新種開発中のバラもたくさんありました。

時間切れで入り口へ向かっています。
バラ園を出ているので、いろいろな花が目に付きます。
これは何でしょうね。


ほかにもいろいろと目に入ります。
ドクダミが咲いていました。タケニグサはほぼ終わっていました。


バラ園外にも、こんな美しいつるバラがありました。

魅力的な一角ですが、立ち入っている時間的余裕がありません。

ここも何やらよい雰囲気ですねぇ。
さて、このあとバスはホテルへ向かいますが、ぼくとかみさんも含めて、大多数の方々はオペラ座付近でバスから下ろしてもらいました。
次回のパリ旅行記は、「パリの夜の散策」です。

6月16日、朝8時半にパリを出て、シャーリ修道院を見学、サンリスで食事をしてからシャンティイ城を見た私たちは、パリ市内に戻り、バガテル公園へ行きました。
バガテルとはフランス語で「小さくて愛らしいもの」という意味だそうです。
バガテル公園は季節ごとに楽しむことができるそうですが、中でもローズガーデンは、毎年6月に「国際バラコンクール」が開かれるなど、権威あるローズガーデンとして知られているそうです。
日本にも「河津バガテル公園」というのがありますが、こちらパリ・バガテル公園のローズガーデンを再現しているのだとか…。

なにしろもう午後遅い時間で、見学時間は約30分、大急ぎで見てまわりました。
目について気に入ったバラを撮っています。写真は概ね撮影した順番です。





【日常の記録】
8月6日、ぼくは「横浜トリエンナーレ2014」を楽しもうと横浜美術館へ出かけましたが、かみさんは知人・友人たちを誘って鎌倉・建長寺へ。今年もエール大学学生たちの合唱団のチャリティ・コンサートがありました。
参加された方が「エール大学」と「建長寺」で検索したら、当ブログの昨年の記事がヒットしたとか…。
ブログの力は大きいですね。