
「シダネルの庭」を楽しんだ後、一行は Le Vieux Logis というレストランで昼食をとりました。
上の写真、右側の建物です。
今回の旅は バラのある暮らし を提唱する 元木はるみ先生が企画されたもので、添乗員のSさん含め総勢19人のメンバーでした。
このレストランは、ミシュランの星付きの郷土料理を提供するということですが、「鴨肉の生ハムのようなものとパテと野菜の料理をたっぷり食べてこれでメインが終わったかと思ったら、それはメインの前のサラダだった」ということで、そのあとに鴨肉のメインが出てくるのです。量の多さに圧倒されてアップアップしてしまいました。

上はレストランの横の壁に這っていた黄色いバラ。とても気に入りました。

食事の後はバラ祭りほかジェルブロワの村散策の自由時間です。
上の写真は広場からメイン・ストリートのほうを見ています。

The scene above was snapped by J
時間が経つにつれて、人通りが多くなり、村の中央の広場もにぎわってきています。


上の後ろ姿の男性はバラ祭りの広場へ販売用の追加のバラ苗を持ち込もうとしているようでした。
それとも、これから自家用車に積み込んで家へ帰るのかも知れません。
ジェルブロワは小さな村で、フランス人たちはほとんどが自家用車でやってきて、村はずれの臨時駐車場に自動車を止め、バラ苗やその他の土産を車に積んで帰るようです。
そもそもジェルブロワへのアクセス道路が狭く、大型バスでやってきたりすると駐車場に停めるだけでたいへんなのでした。

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バラ祭りを盛り上げるために呼ばれたのでしょうか。


第1回の記事で村の建物についてふれました。
さらに調べてみました。
壁に木組みが見えているのはノルマンディー地方独特の木骨造(コロンバージュ建築)だそうで、石造りはピカルディ地方特産のレンガだそうです。両地方の境界付近に位置するジェルブロワの建物は、その双方を組み合わせた建物ということになります。

さて、ジェルブロワの記事は以上でおしまいです。
この後、ジェルブロワに近いジヴェルニーの村を訪れ、睡蓮で有名な「モネの庭」を楽しみに行きます。

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「シダネルの庭」の城塞跡を登ると、人目を惹くさまざまな仕掛けがあって、目を楽しませてくれます。
ただ、花を植えてあるのではなく、散策する人たちが目をとめやすい像などがいくつも配置され、眼下にはジェルブロワの村の家々の屋根が見えて、さらにその向こうに広大な田園風景が広がっています。






The scene above was snapped by J


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「シダネルの庭」を楽しんだ後は、庭の前の丘に登って、もう一度全体の姿を眺めました。
丘の上から村はずれの様子を眺めてみれば、下のような田園風景が広がっていました。

ジェルブロワほか、パリ近郊の気温は最低気温17〜18度、最高気温24度程度。
陽射しがあるとかなり汗ばみますが、陽が翳り風が出てくると肌寒く感じます。それが短時間にころころと変化します。
リュックを背負って歩いているのはごく少数の若者だけと聞いていたので、肩掛けのカメラバッグに貴重品と替えレンズ、メガネなどを入れ、長袖を羽織って高低差のあるところを上り下りすると、すっかり汗びっしょりになってしまいました。
写真の空の様子を見ていただくと、青空が見えたり曇ったりしているのがわかります。空気は乾燥していて、風が出てくると急に涼しくなったりするので、ずいぶんと戸惑いました。
【日常の記録】
午前中は平塚共済病院で定期検診。海外旅行でストレスに晒されても心臓も血圧も安定しているということで、1ヶ月に1回 → 2ヶ月に1回の検診へと変更になりました。
午後は少し近所の花などを撮ってまわりました。

Gerberoy(ジェルブロワ)の村を奥のほうへ進んでいきますと、何やら城塞跡のようなものが見えてきます。
アジサイやバラが植えられて美しいですが、石積みは明らかに石造りの家のものではなく、いかめしい感じの城塞跡です。下から見上げると、何やら異様な光景です。
ここは Henri Le Sidaner(アンリ・ル・シダネル)という画家の自宅の庭園でした。
英仏戦争に使われて崩壊した城塞跡を、シダネルは自宅の庭園に改造したのでした。
下から見上げるといかにもいかめしい落ち着かない景色となりますが、内部を見学したとき、城塞跡の前方に小高い丘があり、そこから「シダネルの庭」を眺めるならば、落ち着いた全景が見られそうだ、と気が付きました。
トップの写真が、シダネルの庭の表側の全景です。
観光案内などに使われているのも、ほとんどこの位置から撮影された写真です。

Henri Le Sidaner(アンリ・ル・シダネル)はシスレーやカミーユ・ピサロの友人だったそうですが、印象派の画家というわけではありません。印象派、新印象派、象徴主義などの影響を受けながら独自の作風を確立した画家ということのようです。ぼくは残念ながらまだ彼の作品の実物を見たことがありません。
さて、シダネルはロダンの勧めでジェルブロワ近隣のボーヴェというところへ1900年に引っ越ししました。
シダネルは翌年にジェルブロワを訪れ、中世の城塞跡のあるこの村に惚れ込んで、4000㎡の住居を購入し、ここで絵を描こうと決めました。
ジェルブロワは英仏百年戦争(1337〜1453)で両国が争う戦略拠点となったところで、かなり広範囲の地方が英国の支配に服しました。ジャンヌ・ダルクの出現でフランス軍が領地を奪還したわけですが、そうした戦争に使われた中世の城塞跡を、シダネルはどのような庭に変えたのか。
庭園は季節限定で一般公開されており、料金は5ユーロです。

ところで、シダネルが偉かったのは、自邸の造園だけで終わらなかったことです。
彼はジェルブロワの村全体を美化しようと考えて、村の住人たちに村をバラやほかの花々で飾ろうではないか、と提案しました。村人たちは喜んでこの提案を受け入れたそうです。それが現在のジェルブロアが「フランスの最も美しい村」と称することを許されていることにつながっているわけです。
さて、入り口(2枚目のの写真の右端付近)から中へ入り、城塞跡を登っていくと、高低差を利用した庭の造りが活かされ、変化に富んだ眺めが広がり「ああ、なるほど」と思わせます。

美しい白バラの庭と建物が見えていますが、おそらくはこれがシダネルの私邸でしょう。
現在も彼の子孫が在住し、残念ながら中へ入ることはできません。



どういう方でしょうか。
大きくするととてもよい写真なのですが、残念ながらブログへの掲載許可をとることができず、このサイズといたしました。
「シダネルの庭」の記事はもう一回続きます。変化に富んだ景色を楽しめるよう配慮され、城塞の正面よりもずっと美しい景色です。
【日常の記録】
6月25日、約2週間ぶりにスポーツ・ジムへ行きました。
午後は昼寝。夕刻は歯医者。
帰国は21日で、健康状態もまったく問題ないのですが、倦怠感が重なり、眠くて仕方のない日が続いております。
明日横浜は晴れるそうなので、近隣の様子など撮りにいきたい、と思っております。

「フランスの最も美しい村々」であることを称するには、厳しい条件があるそうです。
たとえば、
● 人口が2千人未満であること
● 村の建物の外観(大きさ、屋根や窓の形や色など)に均質性と調和があること
● 電線を地下の埋め込みにする、花や植物による装飾など、村全体の美化の努力がなされていること
など、いろいろな条件があり、Les Plus Beaux Villages de France という組織に加盟できても、その後のフォローが悪ければ資格剥奪もあり得るという厳しいものだとのこと。
2009年10月現在、151の村々が会員となっているそうです。

「フランスの最も美しい村々」のひとつ、パリの北北西約百キロの Gerberoy(ジェルブロワ)の村を6月15日に訪れました。
なぜいきなりフランスの村を訪ねたのか、と思われるかも知れませんが、2004年に刊行された 角川oneテーマ21 という新書『フランスの「美しい村」を訪ねて』(辻啓一氏著・写真)を初版当時からずっと本棚においてありまして、「いつか、一度は…」と思っておりました。

Gerbroy は、後で説明しますが、ある事情からバラが数多く植えられて美しい、ということで知られています。
ここを訪れた6月15日は、たまたま年1回の「バラ祭り」の日で、いつもは閑散としている村は数多くの観光客でにぎわっていました。
それがよかったのかどうかはわかりませんが、ぼくの写真には数多くの観光客の姿が見えています。ふだんはもっと閑散として、静かな村だそうです。

the scene above is snapped by J
フランス観光開発機構のデータでは人口わずか100人ほどの Gerberoy の村の住人たちは、「バラ祭り」の日だけは特別だからと、バラの苗の販売市を開いたり、ワインの販売コーナーを設けたり、あれこれ工夫をされています。

the scene above is snapped by J
こんな光景も見られました。




村の建物は16、17世紀の石造建築(フランス観光開発局のデータに拠る)。壁に木の枠組みが見えているのはノルマンジー地方でよく見られる造りだ、と先に紹介した辻啓一さんの本に書いてありました。
Gerberoy はピカルディー地方に属するのですが、ノルマンディー地方との境界まで数キロです。

さて、ブログ再開第1回が ジェルブロワ の訪問記録となるわけですが、多少ゆったりめのスケジュールとはいえ、団体行動のツァーですので、そうそう立ち止まってあれこれ撮っているわけにもいきません。
同行のかみさんが Olympus のXZ-1 で撮影した写真もまじえて、村の様子を紹介していきたい、と思います。
ぼくのほうも、おそらくはこれ一回きりの訪問になるだろうと予想して、失敗がないよういつもよりカメラの感度を上げ、絞り気味にして、細部までよくわかる写真を心掛け、ボケを利用した味のある写真とか、凝った構図とかは控えています。
「旅行記」ということで、以降の英仏庭園巡りツァーの様子を写真で記録していきます。日本とはかなり異なった村々や人々の様子、風景など、お楽しみいただければ幸いです。