【神奈川県立金沢文庫】

神奈川県立金沢文庫へ「特別展 東大寺―鎌倉再建と華厳興隆―」を観に行ってきました。
国宝の「重源上人坐像」、快慶の「地蔵菩薩立像」などの名品が東大寺から来ています。
金沢文庫というのは、金沢北条氏(北条義時の五男実泰から分かれた)の北条実時が建設した私設図書館です。
京浜急行の駅名になっているので、横浜市民なら誰でも知っているくらいに有名です。実時が亡くなった後、館跡地には北条氏の菩提寺として「称名寺」が建立され、金沢氏を含め北条氏の滅亡後は、称名寺がこの私設図書館・金沢文庫の管理を引き継ぎました。
だからいまだに、金沢文庫は称名寺の境内の外れに位置しています。
【称名寺】

称名寺は真言律宗別格本山の寺院となっていますが、称名寺の第三代長老の湛睿(たんえい)が幼いときから東大寺凝然に戒律・華厳を学んだ、というようなことから、東大寺との関係が深く、金沢文庫で「東大寺展」が開かれる理由は、そんなところにあるようです。
というわけで、「金沢文庫」を訪ねるということは「称名寺」を訪ねるということと同じことになりますので、称名寺自慢の「浄土式庭園」を散策してきました。


カエデの紅葉には少し早く、池の向こう側の金堂の前に小さなカエデがあるのですが、それは紅葉しない「青葉カエデ」ということなので、イチョウがメインとなります。

ここへは過去にも紅葉の時季に訪れましたが、そのときの私には、こう撮りたいと思ってもできないことがたくさんありました。
そういう意味では、今回はいろいろと意欲的に挑戦しています。





金堂の陰から見えているのは「釈迦堂」、右側は鐘楼です。
昨晩は慶應病院の眼科診療が長引いてくたくたになりまして、夜はブログの更新だけで、みなさんのところへおうかがいする気力が残っていませんでした。
それでも、翌日からっと晴れますと、こんなふうに出歩きたくなります。腰痛もほとんどなくなりました。

京浜急行金沢八景駅から徒歩5分程度のところに野島という島があり、中央部標高57m の野島山とその北東側が野島公園という公園になっています。
海岸に面して、旧伊藤博文金沢別邸があります。明治31年に建築されたものを、横浜市が解体・修理・復元したものです。伊藤博文は年に1、2回程度しか使わなかったといいますが、ここには愛着を持っていたそうです。
伊藤博文が井上毅らと明治憲法の起草作業を行った場所は、夏島別荘(現横須賀市夏島に建てられていた伊藤博文の別荘)のほうで、本邸と明治憲法起草とは直接的な関連はないそうです。
夏島は野島公園の展望台から見える工業団地の中のようですが、行けるのであればよく調べた上で一度訪れてみたい、と思います。
上の写真、右が客間棟、左が居間棟。

正面に見えるのが夏島です。周辺は埋め立てられて、工場群となっています。

手前が居間、右奥が客間棟、その向こうの海岸は金沢漁港で、その陰が「海の公園」となっています。横浜市内で唯一海水浴場が有る海浜公園ですが人工砂浜です。

上の写真よりも少し客間棟の様子がよくわかるように角度を変えています。

客間の金屏風。伊藤博文本人の自筆で、宋学の始祖と言われる周惇頤の「愛蓮説」を書いたものだそうです。
「汚泥より出でても染まらず」とは、よい言葉です。

伊藤博文邸の隣には「牡丹園」があります。
この牡丹園はかつて野島にあった永島家の牡丹園を復元したものだそうです。(永島家は江戸時代初めに金沢に移り住み、新田開発を始めてから約200年後にその頃に当主が製塩業等で成功したのだそうです。同家は伊藤博文金沢滞在中の世話係などを務めて親交があったとのこと)
写真は、牡丹園からみた伊藤博文邸。

以下、ボタンを少し紹介します。
品種は単に牡丹園の札の解説を書き写したものです。
上は「緋の司」。
先ほどの自筆の金屏風「愛蓮説」では、「牡丹は花の富貴なるもの」と表していて、「しかし自分は蓮を愛する」としています。「蓮は汚泥より出でて染まらず、真っ直ぐに清く玩(もてあそ)ばれない。花の君子たるところを愛する」のだそうです。

上は「越後獅子」。

上は「島錦」。

上は「聖代」。
この日(4月12日)は横浜公園でチューリップを楽しんだ後、京浜急行で金沢八景駅まできて、平潟湾を左に眺めながら野島公園への夕照橋を渡りました。野島山へ登って展望台の眺望を楽しんだあと、海岸へ下りてきて、伊藤博文邸までやってきました。帰りは「野島公園駅」からシーサイドラインに乗って新杉田駅経由で帰宅しました。

横浜市立金沢動物園の周辺には豊かな自然が残されていますが、ぼくはいままでほとんど未開拓のままでいました。
3月14日、金沢動物園の駐車場で自動車を下り、コアラバスというのに乗って丘の上まで行きました。
到着した丘の上の左右が金沢自然公園、奥が動物園のようです。
動物園にはまたいずれ来ることにして、自然公園とはどのようなところか見てみようと思いました。
覚悟はしていましたが、アップダウンはかなり厳しいものがあります。しかし、崖の菜の花畑が見えてしまうと、どうしたって下りてみたくなるではありませんか。

昨年はずいぶん歩き回りましたが、疲労が蓄積して心臓に負担を掛けたことも多かった。それを反省して、今年はもう少し自動車を使おうと決めています。
ここまで自宅からわずか35分、意外と近かった。帰りも楽だし、それなら多少のアップ・ダウンくらいは挑戦してみましょう。

一面に広がる花というのは、どうもあまり経験がなく、どう撮ってよいやら迷います。
しかも、苦手な黄色ばかり。
今回の写真を編集しながら、ヒストグラム表示の出し方を憶えて(いまだに憶えていない)、次からは勘に頼らずヒストグラムを確認しようと反省しました。

一見よく写っているように見えるかも知れませんが、実際はかなり色飛びさせているのです。
RAW現像による露出調整と、Photoshop でのごまかし方が上手になって、なんとかこの程度までに回復させていますが、最初から色飛びさせていなければ、もっときれいな写真を披露できるはずでした。
Olympus のこのカメラは、白以上に黄色を色飛びさせます。これでもかなりマイナス補正したつもりだったのです。

【ヒヨドリ】

菜の花を撮っていてふと正面の木の動きに気がつき、目を上げたら何やら大きめの鳥が…。
肉眼ではわかりませんでしたが、虫を咥えています。
これはヒヨドリでよいのでしょうか。