
撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2019.04.04
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
ヒトリシズカ(一人静)とは妙な名前だが、大勢で一斉に咲いてわいわいやっていて賑やかなのがなぜか「一人静か」だと憶えると憶えやすいそうだ(笑)
センリョウ科チャラン属の多年草だ。

当ブログでは初めての記事だが、構造がややこしそうなので調べて記事を書くのが面倒だと思い、ずっと放っておいた。
ところが、ずいぶんと人気があるらしい。
変種や園芸種が多く、「青軸」といって茎や葉が純粋な緑色のものがあり、桃色花のものもあるという。葉が「斑入り」のものもあるとか…。

さて、ようやく調べてみた。
ブラシの毛のように見えるものは、雄しべの「葯隔」という組織だそうだ。
「葯隔」の根元近くに、黄色い葯が確認できる。
雌しべは緑色の子房が膨らんでいるから、容易に判別できる。
ムサシアブミ(武蔵鐙)の仕組みというか、構造というか、どうもよくわからないままでいた。
納得がいかないまま、いままで記事にしないでいた。
《成長過程》

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2019.04.04
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
まずは成長過程はどうなっているのか、自分が撮影した写真の中から若い順に並べてみると、なんとなく見えてきたようだ。
必ず2本の葉柄のあいだに挟まれて花茎の先についた仏炎苞が真っ直ぐ立ち上がる。
そして仏炎苞は大きくなり、縞模様がやや濃くなってきて、2本の葉柄の先の小葉3枚も大きく成長する。
上の1枚目はまだ若いムサシアブミだ。

成長途上のムサシアブミ。まだ葉が十分には伸びていないように感じられた。

ほぼ大人になったムサシアブミだ。
《仏炎苞の構造》

たまに仏炎苞がめくれたものに遭遇する。
この白い棒のようなものを「肉穂花序」というらしい。花はその表面に密生するというが、通常は仏炎苞に囲まれて見えない。
ふつうに成長すれば、仏炎苞の口辺部(仏炎苞の上部の脇)は少し張り出して、黒っぽい焦げ茶状の襞のようになって、それがくるくると巻いて耳のように見えるらしい。
というのは、ネットでいろいろと写真を捜すと、仏炎苞をめくり上げて、この黒いくるくると巻いたようなやつを伸ばしてみた写真が掲載されているからだ。
私は植物園で見ていて、そんなことをやる勇気がないから、みなさんもネットの写真を参照していただきたい。
《完成形のムサシアブミ》

サトイモ科テンナンショウ属だそうだ。ウラシマソウと時季が重なるが、葉も違うし、見分けはつきやすい。
〈注〉
今晩はこの記事の前に「コクサギ(小臭木)の雄花と雌花」の記事があります。
《雄花》

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2019.03.24
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
コクサギの雄花は立ち上がった雄花序にたくさん花が付く。
だから花の咲きはじめに撮影してしまわないと、写真を撮ってみても画面がごちゃごちゃして見づらくなり、結局何が何だかわからなくなってしまう。
上の写真は花の咲き始めの3月24日に撮影したものだ。ブログに使える写真はこの場面を撮影した数枚しかなかった。
《雌花》

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2019.04.04
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
雌花の写真は4月4日撮影だ。
雌花を見つけるのは比較的簡単だ。コクサギの実の殻は花が咲くまで残っていることが多いので、実を見つければそれが雌木なのである。

最後の写真からは、子房が4室に分かれていることが見て取れる。
だから、下の写真のように、果実も4分果となる。
《春になっても残っている果実の殻》

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2017/ 04
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
なお、和名コクサギ(小臭木)は、シソ科の低木クサギ(臭木)のような臭いがあり、クサギと比較して小型だ、ということらしい。私はあまり鼻が敏感でないのでよくわからない。

撮影場所:国立科学博物館附属自然教育園
撮影日:2019.03.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
イチリンソウ(一輪草)は、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草だ。



【アマナ】(甘菜)
〈国立科学博物館附属自然教育園〉2019.03.09

撮影場所:自然教育園
撮影日:2019.03.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
アマナ(甘菜)は、ユリ科アマナ属の多年草。
名前は鱗茎が甘く食用にできるからだそうだ。
葉が細い。茎も細い。見たところまともに花を支えられず、なよっと倒れるが、そこには大概別の植物があるので、横に倒れたりしながらもなんとか花の姿を見られる。
そんな咲き方なので撮影はやや面倒だが早春の花として楽しめるが、日が隠れると閉じてしまう。

〈小石川植物園〉2019.03.20

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.20
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
【ヒロハナノアマナ】(広葉の甘菜)
〈国立科学博物館附属自然教育園〉2019.03.09

撮影場所:自然教育園
撮影日:2019.03.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ同じ
ヒロハノアマナはアマナによく似ているが、葉は長さがやや短くて幅が広い。しばしば葉の真ん中に白い筋が入る。(1枚目の写真にはっきりと認められる)
アマナより元気で容易に花を支え、上向きに咲いてくれる。分布は本州の関東から近畿にかけてと四国に限られるそうだ。絶滅危惧II類に指定。

【オオアマナ】(大甘菜)
〈小石川植物園〉2019.04.06

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.04.06
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
オオアマナ(大甘菜)はアマナの仲間ではない。キジカクシ科オオアマナ属だそうだ。花の印象が似ているので甘菜の名が使われるようになったのか。
欧州からアジア南西部が原産の多年草で、日本には観賞用植物として明治末期に渡来したという。
小石川植物園では4月6日現在ですでに開花を確認済みだが、毎年4月下旬になると大群生が見られる。私は過去に新宿御苑でも大群生を見ている。
〈注〉
今晩はこの記事の前に「シロバナハナズオウ」の写真記事があります。
山渓ハンディ図鑑5の「ヤマウグイスカグラ」の項を読むと、
--------- 葉や葉柄、花、花柄などに毛が散生する以外は、ウグイスカグラと同一。分布域もウグイスカグラと同じで、中間型もあるので、分ける必要はない、という見解もある ------------
と書かれている。
「ヤマウグイスカグラ」の立て札を確認したのはこれまで「東京科学博物館附属・自然教育園」のみである。
【ヤマウグイスカグラ】

撮影場所:自然教育園
撮影日:2019.03.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ

2枚目の写真で、右下側の葉の縁に細かい毛が数多く認められる。
さては、こういうところの特徴を示して「ヤマウグイスカグラ」を「ウグイカグラ」と区別しているのかな、と思う。
これらの写真を撮影した時点では、私はとくに勉強してはいなくて、あとから慌てて「毛が写っている写真はないか」と捜しているに過ぎない。記事を書こうとした時点で勉強するので、よい写真が見つからないことも多い。
来年は上で調べた点を中心に、よく観察してこよう、と思う。
【ウグイスカグラ】
〈自然教育園〉

撮影場所:自然教育園
撮影日:2019.03.24
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
〈小石川植物園〉

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.20
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
ウグイスカグラ(鶯神楽)はスイカズラ科スイカズラ属の落葉低木。
紅い果実がきれいだそうだが、私はまだ見たことがない。今年の6月頃は注意して見ていよう。
名前の由来は諸説あるようだ。

葉の縁にはヤマウグイスカグラにあった毛は認められないようだ。

〈注〉
今晩はこの記事の前に「満開のシナミズキ」の写真記事があります。
併せてお楽しみいただければ幸いです。

撮影場所:自然教育園
撮影日:2019.03.24
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
シュンラン(春蘭)は単子葉植物ラン科シュンラン属。
自然教育園に日を空けて2回行き、ようやくいろいろな姿を撮ることができた。




撮影場所:自然教育園
撮影日:2019.04.04
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
【国立科学博物館附属 自然教育園】
〈3月24日〉

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2019.03.24
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
カタクリ(片栗)はユリ科カタクリ属の多年草。
自家受粉がほとんど行われないとか、アリによる種子の散布とか、かつては鱗茎が片栗粉として使われたとか、種子から開花まで7、8年かかるとか、話題には事欠かない。


〈4月4日〉

【小石川植物園】(3月27日)

撮影場所:小石川植物園
撮影日:2019.03.27
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM

撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2019.03.24
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
3月24日、白金台の国立科学博物館附属自然教育園。
なぜかここのバイモは上を向くのが好きなようでした。




撮影場所:白金台・自然教育園
撮影日:2019.03.09
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
シキミというと、その毒性について書きたくなるもので、私もこれまで劇物指定のことなどばかり書いてきた。
今回はしかし、あらためて花の美しさに気がついた。

いままで何回かシキミの花を採り上げてきたが、この花は妙に早く開花したり、遅い時季に開花したりするものだから、私はほんとうのハイシーズンを知らなかったのではないか、と思う。
白金台の国立科学博物館附属自然教育園でたくさんの花を付けた木を見つけたとき、「こんなに花数が多く、きれいな花を咲かせるのか」と驚いたのだ。同じ頃に小石川植物園に行ったら、いままで「木に勢いがない」と思い込んでいたシキミの低木が、やはり数多くの花を咲かせていた。

マツブサ科シキミ属に分類される常緑小高木。

《参考:シキミの実》

シキミの実は昭和25年制定「毒物及び劇物取締法」、昭和40年政令第2号、第2条第1項第39号で劇物に指定。
植物の実としては、唯一の指定。
〈注〉今晩は、この記事の前に「オランダ紅」の記事があります。めずらしいツバキです。