2021.03.31(18:30)

撮 影 日:2021.03.01
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下の写真も同じ
寒木瓜(カンボケ)という言葉を聞いた。
え? 何? そういう品種があるの? と調べてみると、
「ボケ や クサボケ は春から咲き始めるが、このカンボケは11月前後から花を開き始める。ボケと同じく中国原産で平安時代頃より日本に渡来」と書かれている解説を見つけた。
「花が秋から冬に咲くことから寒木瓜の名が付くが、春になるとさらに咲く花が増え、葉も出揃う」とも書かれている。
ボケは花が呆けているからときどき早くに開花するのだと思っていた(笑)。根岸森林公園の朱色のボケも、初冬にポツポツ咲いていたりする横を、愛犬を連れてずいぶん散歩したものである。
ネットのページを見ていると、濃い緋色の花が多い。別名はヒボケ(緋木瓜)という、と書かれているサイトもある。
それらの写真はまあ、この記事に掲載したような外観の木瓜だ。本牧山頂公園で撮影した。
しかし、困った。
じつは、本牧山頂公園には初冬にはあまり花がないので、ほとんど見にこない。確認していない。
今年の11月〜12月頃、もしかして咲いていないかどうか、確認のため見にくればよい、ということか?
写真のこの花が初冬に咲くことがあれば「寒木瓜」で、そうでなければ「木瓜」だなどと、どうも植物学上の厳密さに欠けるような話である。
Googleで検索すると、白やピンクの木瓜の写真に「寒木瓜」という標題が付いた写真も多い。
園芸種として「寒木瓜」と名が付けられ、いろいろな品種があるらしい。
「寒木瓜」と名を付けた方が売れるからと「寒木瓜」と名付けて売っているんじゃないか、との疑いが頭をよぎる。
「寒木瓜」という品種があるのか、ないのか、どうもなんだか釈然としないなあ、という気持ちを拭えない。
当記事のタイトルの「寒木瓜」は、写真の花の標題ではなく、「寒木瓜」という言葉について書いたのだ、ということにしておこう。
どなたか、「寒木瓜」について詳しい方、すっきりと説明してくださるとありがたいです。
2021.03.08(19:30)

撮 影 日:2021.03.01
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
トサミズキは根岸森林公園隣接の「馬の博物館」に大きな木があり、小さな木なら十数本ある。
いつもなら「馬の博物館」で撮影するのだが、今年は新型コロナウイルスに関連する緊急事態宣言で「馬の博物館」は長期休業していて中へ立入できない。
というわけで、3月1日に本牧山頂公園で撮影した写真を紹介するが、花房の大きさは「馬の博物館」のトサミズキほど大きくはない。
「マンサク科トサミズキ属」だという。マンサクの仲間というには花のかたちが違いすぎて、ちょっと意外な感じがする。
同属には、トサミズキのほか、ヒュウガミズキ、シナミズキなどがあるが、トサミズキは「江戸時代から庭木や盆栽、切り花として親しまれ、海外へは19世紀、シーボルトにより紹介された」らしい。
名前が示すように高知県内の山地の石灰岩地域に多く生育し、樹高2〜4m くらいになる。
《参考》根岸森林公園のヒュウガミズキ(2016.03.25 撮影)
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
一方、ヒュウガミズキ(日向水木)は背丈が低く、花房も短い。
上の写真はたまたま逆光できれいだが、花の美しさよりは花数でポイントを稼ぐタイプだ。
トサミズキとは見映えが比べものにならないので、根岸森林公園にあるのに私はほとんど撮影したことがない。
念のため調べてみたら、日向(宮崎県)には分布せず、近畿地方北部、福井県、岐阜県、石川県などの日本海側に自生する、のだそうだ。
《参考》小石川植物園のシナミズキ(2019.03.27 撮影)
シナミズキ(支那水木)は日本原産ではない。中国西南部原産で花房は大きく、樹高も5m くらいになるそうだ。
花が美しくて身近にある植物は、なんとなくわかっている気になって、見映え優先でよい写真を撮影しようと力を入れ、詳しく調べてはみようとはしないものである。
今回は、改めて調査し、要点を短くまとめてみた。
2021.03.05(19:30)

撮 影 日:2021.03.01
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下の写真も同じ
写真は3月1日に本牧山頂公園で撮影したカンヒザクラ(寒緋桜)です。
遠目に見ると、早春のまだ寒い頃から開花するカンヒザクラはとてもきれいに見えます。
しかし、近寄ってみると、花は下へ向かって垂れ下がった釣り鐘型で、大きくは開いていません。
見上げると、ただでさえ色が濃いのに、明るい青空を背景にして暗めに目に映ります。
花弁の色は濃い紅紫色に見え、ひとつひとつの花は、観賞価値が高く魅力的とはお世辞にも言えません。
1枚目の写真ように、遠目から見るととても美しいけれど、間近に行くと、ちょっとがっかりします。
しかし、この花の濃い紅色と早めに開花する性質とは、交配によって数々の園芸種の桜に引き継がれているのです。
思いつく主な品種を挙げると下記の通りです。
・寒 桜 カンヒザクラ X ヤマザクラ
・河 津 桜 カンヒザクラ X 不明
(オオシマザクラとカンヒザクラの雑種にさらにカンヒザクラが交雑した種ともいわれる)
・横浜緋桜 ケンロクエンクマガイ X カンヒザクラ
・オ カ メ カンヒザクラ X マメザクラ
・陽 光 アマギヨシノ X カンヒザクラ
注:通常は母親 X 父親で表記されるそうです。
2020.03.30(20:30)

撮 影 日:2020.03.18
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
3年ほど前、久しぶりに本牧山頂公園へ行って愕然とした。
ナワシログミの繁み(たしか二つあったはず)がきれいになくなっていた。
例によって、余計なお世話の横浜植木株式会社が根際から刈り取ってしまったのだ。
これでもう、花も実も見られない、と残念に思っていたが、昨年秋頃行ってみると、繁みが小さく復活していた。一部に花も見られるところがあった。
今年3月18日、繁みはさらに大きくなっていて、果実(正確には偽果)がなっていた。
自然の復活力の強さに、あらためて感心した。
《参考:ナワシログミの花》
撮 影 日:2011:10:17
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Olympus E-5
レ ン ズ:35mm Macro
思い出してみると、この繁みの存在に気がついたのは2011年の10月頃で、私は写真の花がナワシログミだとは知らなかった。ただただ、変なざらざらした白っぽい葉が出てきて、10月頃に妙な形の花を咲かせるなあ、と思っていた。
あれから8年以上が経過した。私は相応に植物に詳しくなったが、あの頃見られた木々や花々がいまはもうなくなっている、という例がたくさんある。
古いカメラで撮影した写真の原データをそのまま残しておいてよかった、とつくづく思う。
多少の難がある写真でも、上の写真のように、進歩した Photoshopの RAW現像でかなり鮮明な写真に甦るからだ。
2020.03.29(21:00)

撮 影 日:2020.03.18
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
3月18日、久しぶりに本牧山頂公園を散策したが、私が真っ先に確認したのはムベだった。
柵にからみついて勝手に繁殖しているこの蔓性植物は、きれい好きの横浜植木株式会社が、まずは徹底して刈り取ろうとするだろう、と思っていたからだ。
根岸森林公園だけでは飽き足らず、里山の自然を残すはずの本牧山頂公園でも、最近は横浜植木株式会社が活発に仕事をしているようなので心配していた。
一方で、ムベの繁殖力を信じる気持ちも少しはあった。
ていねいに見てまわって、ようやく私はほっとした。
よかった!! 一部の柵でまだ生き残っていた。少しでも生き残っていれば、なにしろムベの蔓の力は強いから、今年も花が見られるだろう。
以下、過去の写真も入れて紹介しておきたい。
撮 影 日:2016.03.20
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
上は2016年のムベの芽吹きだが、本日くらいになれば、この程度には芽吹きが進み、もしかすると花も開き始めているかも知れない。
《参考:ムベの花》(2012.04.18 本牧山頂公園にて撮影)
撮影機器:Olympus E-5
レ ン ズ:OLYMPUS 12-60mm Lens 下も同じ
上はムベの雌花。雌しべは3本だ。
上はムベの雄花。雄しべの先のほうが、よく観察すると6本に別れている。
2020.03.27(20:45)

撮 影 日:2020.03.28
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
本日はやむを得ず、ほぼ満員の湘南新宿ラインに乗って、信濃町の慶應病院に出掛けた。
慶應病院の診療予約はもともと3月6日だったが、胃癌の内視鏡による切除が3月2日となったので、この予約を3月27日にしてほしい、と電話連絡し、了承してもらっていたのだ。
何か起きると困るからと、薬は常に3週間ほど余分にもらってあったが、本日はどうしても通院しないと、毎日服用している甲状腺機能亢進症などの薬が切れてしまうから、やむを得なかった。
久しぶりに混雑した電車に乗って都心に向かうのは、ずっと引き籠もって人混みに出掛けなかった私にはかなりの勇気が必要だった。
海外のニュースをよく見ているので、閑散として人通りがほとんどないニューヨーク、パリなどの映像が頭の中にあった。
日本人は強制されなくても、要請されれば自主的にある程度は自制して、電車は空いているだろう、と思っていた。
思いのほか、混み合っていた。
仕事を休めない人たちは仕方なく通勤しなければならない。それは仕方がないだろう。
私は自分の年齢の問題と、胃癌の手術から十分回復できていないなどの事情もあり、人並み以上に用心をしなければならない、と思う。
車輌内ではずっと座らなかった。揺れる湘南新宿ラインの車輌内でもつり革には一度も掴まらず、ドアの近くにいて他人とは対面しないようにしていた。咳をしたりする人、マスクを外して平然としている不用心な人とは向かい合わないようにしていた。
いやしかし、乗り換えに使った新宿駅の混雑にはびっくりした。
そのほか、車輌の窓から見える渋谷駅前の交差点、原宿の竹下通りの雑踏には慄然とした。こんなに密集して平然としていられるのが不思議だ。しかも、服装などから、仕事ではなくて遊びに来ている人たちが多いと思われた。
海外でどれほど酷いことになっているのか、この人たちはテレビも見ないのか? 自分だけは大丈夫と思い込んでいるのか?
まあ、結果が出てくるのは1、2週間経過してからだろう。
2020.03.24(20:25)

撮 影 日:2010.03.18
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 下の写真も同じ
3月18日に本牧山頂公園で撮影したコナラの花序です。
ぶら下がっているのが雄花序。
雌花序も写っているはずですが、新枝の先端にあってこの距離からではヒゲみたいにしか写りませんから、判別は不可能です。
同じ3月18日に、やはり本牧山頂公園で撮影したアカシデの花序。
長くぶら下がっているのが雄花序です。
アカシデは斜面の上の方から間近に観察できることがあり、この日は斜面の状態や周囲の人との関係で無理でしたが、過去に雌花序を撮影した写真が残っているので、雌花序の写真も下に掲載します。
《参考》アカシデの雌花序
撮 影 日:2018.04.06
撮影場所:横浜市環境支援センター
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF70-300mm f/4-5.6L IS USM
撮 影 日:2016.03.26
撮影場所:本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
さて、本牧山頂公園も根岸森林公園と同様に公園の管理を横浜植木株式会社が受託しています。
この会社はサクラやウメなどの庭木については強いですが、その他の雑多な木々や草本については、大切な植物との認識がありません。草花などは、花壇を作って自分たちが植えた花だけが大切なもので、以前からあった草花は片っ端から刈り取り、庭木と認識できない樹木はどんどん伐採。数々の草木を絶滅に追いやってきた経緯があります。
本牧山頂公園も、次第にきれいに整備されてきているものの、だからこそ、毎年毎年「つまらない公園」化しつつあります。
横浜市は昨年から「花と緑を楽しめる都市」を標榜していますが、自然を大切にするという意識はなく、整然と管理された都市空間の中で花壇などに植えられた花々を楽しめる都市、という意味だったようです。
市民を大切にするというよりは、政治家が予算を使ってあれこれの工事を大々的にやり、これだけの成果を上げたぞと言える、という意味からの「花と緑」だったようです。
2020.03.20(20:00)

撮 影 日:2020.03.18
撮影場所:横浜市・本牧山頂公園
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レ ン ズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
本日は、3月18日に撮影した本牧山頂公園のサクラの特集記事にした。
初っ端から申し訳ないが、上の写真のサクラは品種がわからない。
後から紹介するヨコハマヒザクラ(横浜緋桜)よりずっと色が薄いし、花も大きめだ。
これはソメイヨシノ(染井吉野)だろう。
パラパラと咲き始めたところで、雨や風にやられてしまい、雄蕊にしっかり葯の付いた花があまりない。
開花してから冷え込んで、風に煽られ、雨で傷み、再度出直してもう一度咲き始めたという感じだった。
ヤマザクラ(山桜)だろうか。こちらも咲き始めたばかりだった。
これはヨコハマヒザクラ(横浜緋桜)だ。
こちらはほぼ満開になったところで、雨と風に傷んだ花が多く、遠目に見るのはきれいだが、アップに耐える花は歩き回って捜さねばならなかった。
少し遅れて開花した枝を見つけて撮影した。
「寒緋桜と兼六園熊谷桜との交配種」で、1970年代初頭に白井勲 さんという方がつくり出した品種である。
最後はオオシマザクラ(大島桜)だ。
本牧山頂公園では、ソメイヨシノとどちらが先に咲き揃うか、いい勝負のように感じられた。
私が最も好きなサクラだ。
なお、以上のほかに本牧山頂公園の名物は寒緋桜だが、満開は例年2月の下旬だ。
その頃は胃癌切除のための事前検査、入院準備などで見にいく余裕はなかった。また来年! である。
2019.04.27(21:00)
4月もそろそろ終わりなので、4月2日に本牧山頂公園で撮影した花の写真をいくつか選んで、一挙にブログに載せよう、という企画です。
以前はこういうのをよくやっていましたが、最近はひとつひとつの花や植物にこだわって記事を書いていて、あまりやっていませんでした。
たまにはよいでしょう。
【コナラ】(小楢)
撮影場所:横浜市・本牧山頂公園
撮影日:2019.04.03
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM 以下同じ
【ムベ】(郁子)
まだ、つぼみでした。
【ソメイヨシノ】(染井吉野)
【シャクナゲ】(石楠花)
シャクナゲについてはまだあまり調べたことがなく、どういう品種なのか、まったく見当が付きません。
4月2日ですが、満開でした。
【タブノキ】(椨の木)
タブノキは、横浜では数多く見かけます。タブノキの名前を知らない方は多いですが…。
〈芽吹きの様子〉

芽吹きと同時に開花した花が見えています。
〈花〉
タブノキは大木が多いので、低く垂れ下がった枝を見つけないとなかなか花の写真を撮れません。
【カジイチゴ】(構苺)
【アセビ】(馬酔木)
【アカシデ】(赤四手)
2019.04.22(20:59)

撮影場所:本牧山頂公園
撮影日:2019.04.02
撮影機器:Canon EOS 5D Mark III
レンズ:EF100mm f/2.8L Macro IS USM
オトメツバキ(乙女椿)は各地で数多く見ているが、本牧山頂公園のずっと奥、取り残された荒れ地でほとんど人の手が入っていない区画にかなり大きな木があり、ここのオトメツバキがもっとも美しい、と思っている。
このように花弁の重なりが多く、花芯におしべが見られないツバキの咲き方を「千重咲き」といい、数多くの園芸種があるが、もっともよく知られていてよく植えられているのがオトメツバキではないだろうか。
姿が美しく「乙女」の名にふさわしい。